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「サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣(藤山勇司)」という本はとてもオススメ!

2014年10月10日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

「サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣」の購入はコチラ

 「サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣」という本は、会社が倒産して失業した著者が、専業「大家さん」に転身して7年半が経過した時点で賃貸用アパート・マンションを87戸所有し、毎月の賃貸収入が320万円を超えるまでにもなった経験から、その秘訣を46にまとめたものです。

 具体的には、以下の通りでどれも興味深いものでしたね。
・不動産業者の基礎知識
・賃貸用購入物件の選び方・入手方法(競売物件・任意売却物件・依頼物件等)
・購入不動産は売らない
・担保力を生かす
・大家さん業の失敗談
・15%利回りが必要
・リフォーム業者の選び方、
・入居者選びと家賃の決め方
・税務申告
・メインバンクのつくり方
・トラブル解決法 など

 特に家賃収入で、管理費・修繕積立金・空室想定費・設備再投資費用・固定資産税などの諸経費を除いて年15%の利回りを目指さなければならないとは、ナルホドと思いました。
 というのは7%の純利回りがあれば全額を借金したとしても20年で返済できるのでそれは必然として、さらに将来の金利上昇を考慮すると3%分は余裕分として考慮すると最低でも年10%の利回りが必要。
そして残りの5%でキャッシュフローを増やすと考えれば15%の利回りは必要なためです。
 また、不動産購入における諸経費としては、不動産仲介手数料、不動産登録免許税、司法書士手数料、生命保険料、火災保険料、不動産取得税、契約印紙代金等があるので注意が必要で、通常の価格であれば購入金額の8%程度もかかるようです。

 なお逆に考えると、家賃の70倍以下で購入しなければいけないようです。
家賃5万円/月とすると、約350万円以下の物件となります。
そういった物件を探すとなると、一般の不動産屋の物件では難しいようで、地方で競売物件・任意売却物件・依頼物件が対象となるようです。
また、都市中心部から西側ではなく東北部がどの都市も安いようです。

 「サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣」という本は、実体験を基に分かりやすく大家さん業の秘訣について書かれていて、不動産に関する知識も深まりとてもオススメです!

以下はこの本のポイントなどです。

・日本経済が高度成長を続けている時は、新築物件を買ってその後中古物件として販売しても、買値を大幅に上回って売れました。しかし、デフレの現在、状況は一変しています。新築は、買ったとたん中古になり、やがて評価価格は7割を切ります。大げさな話ではりません。さらに、不動産を買う際には、諸々の経費がかかります。仲介料、契約の際の収入印紙代、登録免許税、生命保険料、火災保険料、司法書士手数料、取得税等々。物件にもよりますが、単純に物件価格の8%程度は楽にかかってしまいます。中古物件として売却する場合、この経費分は端から切り捨てられ、おまけに仲介手数料の3%(プラス6万円)を要求されるありさまです。そして、新築でないばかりに、いわれのない評価を下されるのです。たとえば、新築戸建てで5000万円する物件の場合、諸経費はだいたい400万円として、合計5400万円かかります。しかし、5年後中古物件として売り出した場合、評価はどのくらいのものになるでしょうか。経済変化がない場合でも、3600万円で評価されればいいほうでしょう。5年間で、1800万円プラス仲介手数料119.7万円の合計1919.7万円のロスとなります。これが現実です。必要以上に安くなる原因は、「中古を古家と見る日本の常識」です。その常識は、むろん不動産業者が醸成したものなのです。なぜなら、新築物件を販売するためです。すべては、売り上げと営業効率の追求に起因しています。新築を軽く考えて買う愚、今一度よく考えてみてはいかがでしょうか。

・賃貸用購入物件の選び方についてです。選択すべき順番としては、①利回り、②立地、③間取り、④設備、⑤構造および築年数でしょう。最初の利回りについては「大家さん」の生命線ですから、決して妥協してはなりません。最低10%の利回りを念頭に置いて下さい。平均利回りを15%にできれば、合格と考えて大丈夫でしょう。この利回りの持つ意味の大きさは、語り尽くせないほどです。年間の利回り10%を確保できれば、7年間で投資額が2倍になり、利回り15%なら5年で倍になると言えば、少しわかっていただけるでしょうか。現在の銀行預金の利回りなどと比較すると、とんでもない数字に思えるでしょうが、賃貸ビジネスを失敗させないためには、ごく自然な目標数値なのです。ただ、新築マンションを購入して、この目標利回りをクリアするのは無理な話です。結論的に申し上げれば、地方都市の中古物件や競売物件、任意売却物件がその対象になります。間違っても、大手不動産会社の営業マンに相談しないで下さい。まだヨチヨチ歩きの「大家さん」予備軍の方は、ベテラン営業マンにとれば赤子も同然。何やかやと理屈を付けられ、新築の自宅を買うハメになるでしょう。

・利回り面をクリアした次は、「立地」です。マンションの場合、通常、駐車場はないものと考えなければなりませんので、交通の便のいい場所がベストです。公共交通機関から徒歩10分以内であれば合格。徒歩15分となると、募集の際に厳しくなります。それから気をつけたい点は「人口動向」と「世帯動向」です。このふたつの数値は、市役所や区役所です。このふたつの数値は、市役所や区役所で簡単に教えてくれますので、チェックしてみて下さい。かりに、ふたつの数値がここ5年間減少しているようであれば、そのエリアになにか問題があると思われますので、そういう物件は見送るほうが賢明でしょう。

・次は「間取り」です。かつてフォークソングで唄われたような昔風のアパート(6畳一間、風呂なし、トイレ・キッチン共同)は、いくら家賃を下げてもガラガラです。こういう物件は、もはや値段ではないのです。同じような意味で、今後注意しなければならないのが、専有面積18平米以下のワンルームマンションです。10年後、こういう物件はどうなっているでしょうか。よほどの立地でなければ、トランクルーム代わりに使われているかもしれません。つまり、利回りがよく、立地がまずまずとしても専有面積が極端に狭いワンルームは、購入対象から外すべきなのです。その他の留意点としては、「トイレと風呂が別々」という点です。また、水回りのリフォームは、思いのほか経費がかかりますので、注意したいものです。

・「設備」についてですが、水回り、洗濯機置き場、床の3カ所が要チェックでしょう。といっても利回り、立地、間取りほど問題にすることはありません。必要であれば改修すればいいのですから。重要なのは、「流行の設備は頭に入れておく」という姿勢なのです。水回りの中でも、キッチンや風呂は女性が特に気にする場所です。汚れが目立つようであれば、取り替える必要があります。改修費用も投資金額に加えて、利回りを再計算すべきです。最近の傾向として、床は畳よりもフローリングが好まれ、洗濯機置き場を室内に求める傾向があります。この点は、賃貸仲介業者の意見を入れて考慮すればいいと思います。

・最後に「構造と築年数」です。日本は、欧米に比較して再建築までの年数が異常に短いのですが、これは地震等の自然条件だけではありません。建設業界がつくった幻想に踊らされているにすぎません。マンションで言えば、RC鉄筋コンクリート造がベスト。RC造であれば、普通、築年数30年を経過していても心配ありません。本来、生コンは時間の経過とともに強くなり、50年程度経過した時点が最高に硬い状態だと言われています。マンション購入のチェックポイントのひとつは、RC鉄筋コンクリート造の物件を選ぶことです。

・”おたふく顔”をした物件こそが、賃貸用としていちばん優れたパフォーマンスを実現するのです。立地は、羨望の場所ではなく、設備は中程度、間取りや専有面積も代わり映えしない。ただ、小ギレイにしており、交通の便はいい。”おたふく顔”の物件とは、そういう物件です。特別、誰にもうらやましがられません。「ふーん、そうなんだ」。感想としてはその程度の物件です。しかし、そうした物件こそ高い投資効果を残すのです。購入資金も低く抑えられます。なぜなら、”おたふく顔”の物件は、”ちょっと見美人”の物件でもないので、買おうとする人が少ないのです。というのは賃貸物件なら新築にこだわりませんが、購入物件になると新築に固執する人が多いからです。購入となると、ゴージャスでなくとも、”ちょっと見美人”タイプを好む性癖が、悲しいながらあるのです。そうした不動産に対する一般の人々の意識がある限り、「大家さん」予備軍にとってチャンスは広がるのです。世間の常識にとらわれていてはいけません。「美人顔よりおたふく顔」。不動産購入の鉄則です。

・つねに頭に置いておきたいのは、収益率、利回りです。見栄でも体裁でもありません。方位で選べば、西や南よりも北東や東の物件のほうが安く収益物件を取得できるという事実です。これは、東京だけでなくほかの地方都市でもだいたい適合しますので、物件購入の時は地図をよく見比べて下さい。こういうクセを身につけると、知識の幅が増えます。

・私の方法は、営業歴が長く、人当たりのいいひとりかふたりで営業している不動産屋の親父さんと仲良くなることです。ここから、不動産物件探しがスタートします。個別情報のチェックポイントは以下の通りです。
 ①「価格」。おたふく顔で人気のない場所ならば、値引き交渉可能です。相談して、15%程度の値下げ交渉をしてみましょう。
 ②「土地」。その物件は、所有権でしょうか。借地や地上権であればさらに値引き可能です。
 ③「間取り」。部屋を仕切る壁は、変更可能なものかどうか確認をしましょう。
 ④「総戸数」。総戸数は30戸以上のものを選びましょう。少なすぎると、将来の補修、改修時に困ることがあります。
 ⑤「構造」。物件の構造は、RC鉄筋コンクリート造がいちばんです。間違っても、鉄骨造を選択してはなりません。さびたらおしまいです。
 ⑥「管理形態」。しっかりしたところが管理しているか、不動産屋の意見を聞いてみましょう。
以上を確認し、目標利回りを確保できるようであれば、「購入の価値あり」です。

・「1ヶ月の家賃収入=5万円コース」:サラリーマンのお小遣い程度を稼ごうという話です。これは、地方都市の中古マンションを買えば、あっと言う間に実現します。部屋の広さは20~35平米。家賃は5万円前後、管理費などの諸経費が月額1.5万円程度かかりますから、差し引き3万円くらいの純収入が期待できます。この場合、投資額の目安は、250万から350万円(すべて自己資金)です。

・私は、初心者が競売物件に参加する場合、まともな短期賃借人が住んでいるマンションが、最も適していると思います。リフォームの手間もいらず、競争相手は少ないのですから。

・「任意売却物件」とは、不動産市場に出回らない、いわくつきの不動産物件です。不動産物件の検索装置「レインズ」に登録されることもありません。人知れず処分される幻のような物件、それが任意売却物件なのです。不動産をいちばんの高値で売却できるのは、一般大衆に売却する時です。これは新築であっても、中古であっても同様です。任意の売却とは、少数の買い手に打診し、売買価格を調整の上、相対取引で売却すという行為で、通常価格の6~7割程度に落ち着きます。なぜ、通常価格の6~7割前後と承知の上で売り主が取引に応じるかと言いますと、いろいろと理由はありますが、主に次のようなケースが考えられます。まず、競売がらみの物件です。抵当権が実行されると、不動産は競売となるのですが、開札の寸前まで、競売を申し立てた債権者は、競売を取り下げることができます。取り下げの理由の多くは、任意売却です。競売で配当される金額よりも任意売却で得る金額のほうが高いと予想されれば、抵当権者は任意売却に応じます。また、競売になると決まった物件の所有者が、債権者に対し、「売却はこちらに任せてよ。競売になればお互いに損じゃない」などと居直り、自分の物件を売却することもあります。この場合、なぜ債権者がこの申し出に応ずるかといえば、競売で配当される金額よりも多くの金額を回収できるという理由と、競売よりも早く回収できるというのがメリットなのです。

・次に、売却を急ぐお金に困った所有者の物件も任意売却物件となりがちです。通常、不動産はローン併用で購入されます。ローンを申請し、実行するには、少なくとも1~1.5ヶ月の期間が必要です。国民金融公庫等、政府系の住宅ローンを活用するには3ヶ月近く必要になる場合もあります。つまり、不動産を通常の価格で売却するには、宣伝期間も入れると、3~4ヶ月程度必要なのですが、その期間の猶予がない売り主の場合、任意売却物件となるのです。こうした場合は、当然、一般市民に売れません。販売先は、不動産業者等、玄人筋になります。不動産業者は、転売により利ざやを稼ぐのが狙いですから、不動産にかかる諸経費及びリフォーム費用を販売価格に含めます。その上、借入金の利子に自社の利益、販売のための宣伝広告費、仲介手数料も計上しなければなりません。任意売却物件の相場が、通常価格の6~7割になるのは当然なのです。

・これ意外に多いのが、「かし物件」です。「かし」とは、傷、欠点のこと。任意売却物件では「現状有姿」という言葉が多く出ます。売買仲介の営業マンがいくら調査しても判然としない物件です。そういうあやしい物件も、任意売却物件として処分されます。たとえば、①隣地との境界が明白でない物件、②雨漏りの跡があり、建物は明らかに改修の必要がある物件、③賃借人(入居者)が通常の人間ではなく、モメごとが予想される物件、④再建築が不可能な物件、⑤敷地に第三者の建物が登記されている物件、などです。このように、普通の不動産業者が扱えないような物件は、一般の人に販売されないのです。

・任意売却物件を入手するには、どうすればいいのでしょうか。まず、物件を入手するための資金が必要です。売主の関係者は、早急に資金を必要としているか、資金の回収を急いでいる場合がほとんどですので、買主は、自己資金で購入する必要があります。任意売却物件の売買方法は、一括決済がほとんどです。通常の売買であれば、契約時、物件価格の5~10%を手付金として売主に払い、1~1.5ヶ月先に残金を決済し、所有権の移転となります。ところが、任意売却は、契約も決済も一度に済ませてしまうのです。自己資金がなければメインバンクを持ち、物件購入のための資金を即時、借入れできる態勢になければ任意売却物件にトライできません。

・任意売却物件の出所の多くは、金融機関と弁護士です。金融機関は、通常の銀行や消費者金融、商工ローン等になります。それから、弁護士ですが、弁護士は民事事件を専門とし、しかも、破産や倒産に関係する事件を扱う弁護士が主体となります。そして、それらの部署に、つね日頃から出入りしている不動産業者。この不動産業者が、任意売却物件情報の入手先となるのです。なぜでしょうか。金融機関や弁護士にとって、購入希望者は見知らぬ第三者です。しかも、一定の物件を処理し続ける能力のない素人と判じられても仕方がありません。しかし、長年、取引のある不動産屋は、彼らにとってもパートナーなのです。取引手数料のキックバック(リベート)も期待できますし、秘密裏に売却を進めるにはうってつけの相手です。購入希望者がいくら金融機関に知り合いがいたとしても、その手の一次情報を入手することはまずできないでしょう。物件処理担当者は、同僚にさえ情報をもらすことはありません。「大家さん」予備軍が、任意売却物件情報を得る方法はただひとつ、金融機関や弁護士事務所に出入りする不動産業者と仲良くなることです。このような出入り業者は、大手ではありません。古くから営業している街の不動産屋の中にいます。任意売却物件を処理するには、専門知識も必要ですし、何しろ手間ヒマがかかります。大手業者の営業ノルマでは、足が出てしまうのです。私が、大手業者より「街の不動産屋と仲良くすべき」と言う理由のひとつがこれなのです。

・なぜ、地方物件は利回りがいいのでしょうか。理由のひとつは、賃貸価格(家賃)にさほど地域格差がないからです。物件価格は、ほぼ全国的に均一です。大手業者の「○○ハウス」を、長野県の山奥に建てるのも、東京都の一等地に建てるのも建築価格はほぼ同一。アパートを建設する際の建築価格もやはり同じです。自分の土地にアパートを建てるとしても、建設費を回収できなければ、アパートを建てる意味がないのは、自明の理。おのずと家賃の下限は決まってくるのです。札幌であっても、家賃は東京の7割程度。それより下がることはないのです。つまり、「家賃相場の下限が決まっている」ことが、利回り的に地方物件が有利な理由の一つです。また、中古建物価格を評価しないという日本の中古不動産に対する常識が、地方の中古物件の利回りを底上げしているのです。中古不動産を売却する場合、建物価格は不当に評価されますので、ゼロ価格かよくて一戸当たり100万円程度です。不動産価値のほとんどは土地となります。

・不動産総合情報サイトのアットホームが主催している「競売・公売物件情報」がお勧めです。パソコンの検索項目にこのサイト名を打ち込めば目的のホームページにたどり着けます。このサイトの第一の特徴は、全国の競売不動産を管理していることです。それに、事件番号でも条件検索でも検索できるので、自由に希望物件を探して下さい。開示される情報は、物件情報、写真(外観1枚)、間取り図の3種類。購入物件を絞り込むには、いいツールと言えるでしょう。このツールでは、物件情報の備考欄に、買受人の占有を阻害する要因(第三者占有あり等)が記載されているのでよく吟味してください。なお、実際に入札を検討するには、裁判所に出向き、物件明細書、現況調査報告書、評価書の3点を読み込み、その後現場に出向く必要があります。

・賃貸物件情報は物件の利回りを計算するために利用します。「大家さん」は利回りが命。物件を入手するだけでは、不十分です。検討中の物件の家賃を想定するために利用しましょう。「at home web」サイトでは、全国の情報が入手できます。地域や間取り、賃貸料等の条件検索ができるので、物件の想定家賃をはじき出せます。最終の賃貸情報には、間取りや写真、賃貸条件等が記載されている場合もあるので、物件の賃貸条件を決定する際にも利用可能です。

・「大家さん」志望者にとって、最も関心を持つべき物件は、家賃の5万~10万円のクラスです。このクラスの家賃を見込める物件は、15~40平米であい、想定住人は1~3人と幅広いものになります。間取りもワンルーム、1DK、1LDK、2DKと種類が多く、賃貸物件の70%がこのクラスに入ります。人が聞いても「ふーん、そうなんだ」と、あまり関心を示さない物件こそが、「大家さん」予備軍にとっていちばんいい物件なのです。あとは、立地、値段、利便性を調べ、最終的に利回りを計算して取得の是非を考えて下さい。

・「家賃10万円の壁」。ここには、非常に大きなハードルが存在します。なぜなら、分譲物件との争いになるからです。かつて、会社の福利厚生が行き渡っていた時代には、10万円を超える賃貸物件があったとしても、何ら問題はありませんでした。家賃の半分以上を会社が負担する例が多かったため、入居する住人の個人負担は、10万円を切っていたからです。しかし、グローバルスタンダードを標榜し、成果主義に転換した日本企業は、手厚い福利厚生を行う余裕がなくなりました。結果として、家賃補助をつるべ落としのように下げ、社宅を売却し、社員の住居費負担を引き上げました。賃貸市場において、住居費の負担増は、大きな影響を投げかけたのです。たとえば、毎月14万円の家賃を自己負担している会社員は何を考えるでしょうか。「家賃14万円か。年間で168万円。俺も34歳。いつまでも、賃貸ではな。家賃も住宅ローンも変わらないじゃないか。家賃は消えるだけだし、そろそろマイホームでも探してみるか」このような考えに至ったとしても、何ら不思議はありません。きわめて、健全な考えです。結果として、10万円を超える家賃市場は、激烈な戦いに陥っています。この戦いは、賃貸派、持ち家派それぞれが落ち着くまで、しばらく続くでしょう。それでも、10万円を超える家賃を払い続けることを選んだ賃貸派の賃貸住宅への要求度は高く、気に入らなければ、プイッといなくなってしまうでしょう。そこで、そのような物件の「大家さん」は、つねに設備を更新する必要に迫られるのです。家賃10万円を超えるクラスの物件で、利回りを期待するのは困難。これが私の結論です。

・私が、購入不動産を「売らない」理由は、処分行為のひとつである「売却」に問題があるからです。理由は簡単です。売却すると不利になるからです。不動産を売却して得られる利益は、じつはたかが知れています。たとえ、安値で購入した不動産を値上がり後販売したとしても、売却するのは非常に不利なのです。不動産物件の売却か得られる利益は諸経費などで予想以上に小さいのです。

・銀行が第一に必要とするのは、税務申告と定期預金などの実績です。これらが整って初めて、担保を利用した不動産戦略が現実のものとなります。「不動産を買うぞ」と意志を固めたら、これと決めた銀行の融資担当者に会ってください。言うべきポイントは、賃貸用の不動産を増やしたいという点、定期預金を行うという点、税務申告は正直に行うという点の3点です。次に聞くべきポイントは、抵当権のない正常な不動産担保で借入れができるか否かの一点です。もし、借入れができないのであれば、ほかを当たりましょう。将来的に、貸してもらえる見込みのない銀行と取り引きする必要はありません。そして、条件付きながら貸すという銀行が現れれば、その条件を守り、逐一報告をしながら物件を増やしていくのです。そのうち、銀行のほうから「借りて下さい」と言ってきます。銀行も、優良顧客を探しています。優良顧客になれば、担保力を最大限に生かす基礎となります。担保力を生かすには、不動産自体の価値はもちろんですが、自分自信が重要な判断材料になるのです。

・私の場合は、家賃管理および諸費用の精算は、自分で全部行い、リフォームに関しては業者選定から、部材の決定まで口を出しています。理由は、固定費アップを防ぎ、現状を把握するためですが、信頼できる提携先が増えるにしたがい、私個人の労力は劇的に減少しています。では、今は何にいちばん労力を割いているのかと言いますと、それは将来、資産となる賃貸物件を増やす行為に対してです。日々の業務、雑務に時間をとられることが少ないので、将来のために時間を活用できるわけです。

・年間1000万円の家賃が入ってきたとします。それでは、1000万円の収益に見合う支出構造は、どうすればいいでしょうか。固定資産税やリフォーム代金等、必要経費は20%前後です。残りの80%のうち、借入金返済の比率は半分の40%に抑えるのが、「大家さん」ビジネスのコツです。残った40%の使い道ですが、貸家を増やし続けてたいのなら、次の投資に回して下さい。余剰金が自身の雇用収入を上回るようになれば、その使い道は裁量にお任せしまs。次に利回りです。純利回り12%を投資の最下限に置いて下さい。12%の純利回りであれば、将来、金利が上昇しても、2%前後の余剰金を生み続けます。関連して、純収益を算出する係数ですが、マンションであれば年間家賃の80%もしくは家賃の10ヶ月分を算出すれば、だいたいの純収益を算出できます。アパートの場合、築後5年までは年間家賃の90%、5~10年の間は85%、以後は80%を基準とすれば、だいたいの純収益がわかるでしょう。

・諸経費は、不動産仲介手数料、不動産登録免許税、司法書士手数料、生命保険料、火災保険料、不動産取得税、契約印紙代金等です。通常の価格であれば、購入金額の8%程度かかってきます。しかし、安く購入すればするほど、その比率は上昇します。諸経費が10%と考えれば大きな間違いは起こりません。競売の場合は、少し事情が違います。右の諸経費のうち、不動産仲介手数料と司法書士手数料が丸々かかりません。結果として諸経費の係数は下がります。諸経費は6%前後です。

・これらの係数を使えば、予想純利回りが計算できます。たとえば、2DKの中古マンションが800万円で売却されるとの情報を入手下都市あす。調べてみると、付近の家賃相場は、9万5千円です。純利回りはいくらになるでしょうか。答えは10.36%。これでは投資基準に達しません。では投資基準の12%にするには、いくらで購入すればいいでしょうか。答えは690万9千円です。つまり、690万円9千円で入手でき、1ヶ月9万5千円の家賃で貸すことができれば、純利回り12%の家賃収入が見込めるのです。

・簡単に家賃10万円の貸家をいくらで買えば純利回り12%になるかです。10万円×12ヶ月×80%を1.1倍した取得費で割ると12%になるわけです。つまり10万円の家賃の72.7倍です。

・「リフォームするなら、○○○」といったテレビCMがよく流れてきますが、「大家さん」を目指す人は聞き流して下さい。それでは、どこに相談したり依頼したりすればいいかというと、「地元の土建組合」に相談することです。土建組合とは、フリーの職人やひとり親方、そして零細の工務店が会員となっている建設業の組合です。なぜ、その組合に相談するといいのかというと、日々直接工事を行ってい職人と直接工事契約できるのです。東京であれば、東京土建労働組合本部に電話をすれば、管轄する支部を教えてくれます。インターネットでも東京土建一般労働組合本部と検索すれば出ます。さらに、同組合は手数料を要求しません。なぜなら、エンドユーザーのお客様を紹介することが、組合員への仕事を増やすことにつながるからです。大手に依頼したほうが、何かと安心だという方がたくさんいます。でも、ゼネコンのホワイトカラーが、手を汚す工事に直接携わることはありません。まず、街の工務店に経費をピンハネした上での丸投げが普通です。街の工務店も、リフォームの工事現場を常時監督しません。さらに下請けの職人に任せるだけです。このような依頼をすると、職人の工賃は結果として微々たる金額になります。1日目一杯働いて1万円でも、請求書に書かれる一人当たりの工賃は2万5千円くらいになるでしょう。お金の配分は大手の建築会社が行うから、こうなるのです。

・一方、組合本部から紹介された職人と直接契約すれば、1日当たりの工賃は1万5千円前後です。それでも、職人さんたちにすれば、大手の工事を請けるよりも5割増の工賃です。喜んで、やってくれます。直接の仕事ですから、無責任な工事はしません。不具合があれば、無料で直すことでしょう。それが職人のプライドです。しかし、同じ職人であっても、大手の仕事の場合は、お客さんの顔が見えません。責任の所在がはっきりしないのです。勢い、手間を惜しみスピードを重視します。工事金額は高いくせに、仕上がりの悪い工事となる危険性が高いのです。利回りを重視するプロの「大家さん」なら、内装やリフォーム工事は大手業者に依頼しないほうが賢明だという理由が、おわかりいただけたでしょうか。内装やリフォームを依頼する場合、業種が分かれます。主なものに、水道工事、ガス工事、木工事、タイル工事、内装工事、外装工事があります。リフォームに不慣れな初期の段階では、各種工事をとりまとめることは、現実問題として困難なことです。その場合ひとり監督という人がいます。ひとりでその手配をするフリーの業者です。こういう人を紹介してもらうといいでしょう。組合を通じて紹介された人間は、あくどいことはできません。もし変なことをすれば、組合から文句が来て、除名処分も考えられるからです。こうして、土建組合をうまく利用すれば、内装やリフォーム工事は、安価でいい出来映えになるでしょう。土建組合は公的な色彩の強いところですから、「大家さん」の強い味方になると思います。

・建て替えには、莫大な労力とお金が必要です。立ち退き交渉に始まり、建築資金の借入れ、入居計画。どれを取っても、当初の計画通りには進みません。一大決心する前に、慎重にならなければなりません。建て替え以外に方法がないケースは、あまり多くありません。耐震補強やパソコン対応等々、もっともらしい理屈を繰り広げていますが、リフォームで十分対応できると思います。それほど、最近のリフォーム力は向上しています。無駄な工事の象徴である「建て替え」は断固拒否しましょう。

・設備の中でお金がかかるのは、水回りです。給水、給湯、キッチン、トイレ、洗面台、そして風呂。水回りは、すべて金額が張ります。このコストをどのように抑えるかが、腕の見せどころです。まず、給水、給湯ですが、給水管が老朽化すると、給水管に使用されている鉄の部分がさび、赤水が出ることがあります。給水管の赤水対策は、露出配管がいちばんです。間違っても、床をはがして目隠しをするなどの工事方法を選択してはなりません。露出部分うまく化粧すれば、それはそれで、アクセントになります。次にキッチン、トイレ、洗面台ですがこれはピンからキリまで各種の設備があります。私がお勧めするのは、B級品の設備を使用することです。新品を使用するメリットは、賃貸住宅の場合ありません。B級品で十分です。設備を設置する業者と相談し、サイズを確認の上、B級品を買い求めましょう。金額は新品の3~4割程度。50万円するシステムキッチンも、B級品なら17万円程度で入手できます。私がよく利用するのは、株式会社「建材市場」というところです。フローリング材から給湯機器まで、設備や建材の卸問屋として活用しています。ここの本部に問い合わせれば、最寄りのフランチャイズを紹介してくれるでしょう。またインターネットで検索すれば、より詳しい情報を入手できます。

・昔の風呂であれば、目地の塗り替えをすれば、驚くほど清潔になります。そして、ワンタッチで給湯温度を調節できるシャワーと蛇口を取り付ければ十分です。過度な設備投資は、利回りを悪くさせますから注意しましょう。

・「大家さん」が初心者の段階では、賃貸仲介業者の意見を聞くことです。賃貸仲介業者としても、高い家賃で契約できれば、その分、仲介手数料が上がりますので、無茶な家賃設定はしません。仲介会社が家賃を決めるポイントは、立地および環境、面積、設備に集約されます。賃貸料の相場は、坪当たりいくらという、だいたいの地域相場が存在します。その地域相場から、日当たり、見晴らし、騒音、面積、そして設備等の加減項目を調整し、賃貸価格を算出します。われわれ「大家さん」が努力できるのは、家賃加減項目のうち、内装を含めた設備だけです。内装・設備計画を決める時には、女性の目線とともに、賃貸仲介会社の意見も参考にしましょう。リフォームの善し悪しが、直接家賃のアップダウンにつながりますので、これがうまくいけば投資利回りも大きく改善します。

・仲介会社経由からもたらされる入居希望者の情報ですが、頭から信じてはなりません。中には、とんでもない人が潜んでいます。このとんでもない人の見分け方を、説明しましょう。私がチェックしているのは、「動機」「保証人」「勤務先と勤続年数」「申し込み状況」「ペットの有無」の5点です。まず、入居の「動機」がはっきりしないのは問題です。もしかしたら家賃滞納などで追い出された人かもしれません。詳しく、納得のいく動機を聞くべきです。続いて「保証人」です。保証人は、入居希望者の年齢によって変化します。若い人の場合は、普通、入居者の両親でしょう。両親のあとは、肉親、知人、そして先輩等に変化します。もしその定石から外れた場合は、よくよく吟味して下さい。次は、「勤務先と勤続年数」です。こと家賃の支払いに関して言えば、「職業には貴賤がある」というのが、経験から導き出された私の考えです。家賃を払うのは入居者の義務ですが、その人の職業によって義務感の違いが明確に存在します。さらに、「申し込み状況」。これは、いろいろなケースがあります。いちばん疑わしいのは、年末の駆け込み入居者です。あわただしい年末に家を替わるなんて、ちょっと普通じゃありません。明快な理由、しっかりした勤務先を確認できなければ、入居してもらうべきではありません。それから、うら若き女性が、一人で申し込みに来る場合も問題です。最後に、「ペットの有無」ですが、近隣とのトラブルを引き起こしがちですので、これにもよく注意しなければなりません。

・私がお勧めするのは、複数の大手仲介業者に仲介を依頼することです。依頼は、「大家さん」自身が直接行うべきです。直接、担当者と会い、支店長と面談し、世間話のひとつもすれば、あとは電話で用が足ります。大事なことは、担当者や支店長の頭に浮かぶ「大家さん」になることです。仲介会社の営業マンも人間です。親しくなった「大家さん」の依頼物件を案内する回数は多くなるでしょう。そうなれば、すんなりと入居者が決まります。入居者が決まった後も、仲介会社にはたまに顔を出しましょう。顔つなぎをしておけば、何かと得るものはあります。周辺家賃相場の変化、お客の動向、好まれる設備の変化など、「大家さん」のほうで聞く耳を持てば、仲介会社は喜んで説明をします。

・減価償却年数は、木造(住宅用)の場合は20年、コンクリート造(住宅用)の場合は47年といった具合に、建物の構造により年数が設定されています。経過年数を耐久年数から引いて、減価償却年数を決定しましょう。こうして、建物の取得費用、減価償却年数が算出されると、毎年の減価償却費が算出されます。「大家さん」にとって、この減価償却費はとてもうまみのある制度なのです。減価償却費とは、実際にお金が支払われていないのに、会計上支出したことにできる費用です。確定申告には、賃貸物件を購入した際の借入金の金利も経費として計上できます。家賃収入から諸々の経費を差し引いたキャッシュフローがプラスであれば、土地と建物両方の借入金金利が費用計上できます。

・仮に優良物件を所有し、不動産賃貸業をうまく営んでいたとしても、税務申告をしていなければ、銀行が融資を行うことはありません。銀行や信用金庫は、事業の連続性を重視します。不動産賃貸業も所有開始からの申告が重要になります。不動産賃貸業は、ある日突然始まるわけではありません。物件を所有し、リフォームし、仲介業者に依頼して入居者を募集し、「大家さん」と入居者の賃貸契約書の締結により、賃貸関係が始まります。すべて「大家さん」側が意図して行うものです。税務申告だけ忘れる都合のいい言い訳はこの国には存在しません。

・私の経験からいえば、特にサラリーマンと兼業する「大家さん」にとって、メインバンクは地元の信用金庫がベストだと考えます。信用金庫の利点は、まず担当者の異動が比較的少ないことです。異動後も、エリアは限られていますから連絡が取れます。それから、信用金庫の営業ノルマは、大手金融機関のノルマに比べれば格段に低く、零細規模な「大家さん」であっても真剣に対応してくれまう。また、信用金庫はいまだ担保主義が徹底しており、担保を提供できる「大家さん」を正当に評価してくれます。これらの点から、メインバンク候補には、地元の信用金庫をお勧めします。

・入居者が退去する際も重要な情報収集のチャンスです。それは、なぜ退去するのか、その「動機」を聞けるからです。時代は常に動いています。変化しないものは、時代に取り残されるおそれがあります。アパートやマンションとて同じこと。設備の更新を怠り、旧態依然とした内容を維持したとすれば、入居者の決まりづらい物件となってしまいます。入居していた店子には、必ず、退去の「動機」を聞きましょう。そして、できれば気に食わなかった点も聞ければ最高です。仲介会社も大家に気兼ねして、悪いことは言いづらいものです。退去を機に不具合を聞ければ、入居募集前にリフォームができます。

・「空室」問題の最大の欠点は、空室中の家賃を永久に取りはぐれることです。空室は「大家さん」のキャッシュフローを悪化させ、部屋の状態も急速に悪化します。空室が続くと、空気の流れがなくなるためか、内装部分は驚くほど痛みます。「踏んだり蹴ったり」とは、まさにこのこと。「大家さん」は、空室対策に最大の力を注がなければなりません。まず、入居募集の方法が適切かどうか、チェックする必要があります。もし、義理やしがらみで特定の不動産業者に一任しているとしたら問題です。早急に、大手仲介会社にも入居募集を依頼しましょう。複数の仲介業者に依頼していても入居が決まらない場合は、どうすればいいのでしょうか。そのようなケースは、設定した賃料が周辺相場からカイ離しているか、部屋の設備に問題が生じているかのどちらかです。早急に対策を立てなければなりません。対策のカギは、仲介会社が握っています。早速、仲介会社を訪問しましょう。

・「居室クレーム」には、漏水、漏電、ガス漏れ、シロアリ、サッシのすき間、建具の不具合、床鳴り、壁紙のはがれ、そしてカビの発生等があります。それぞれ急いで補修をしなければなりませんが、漏水、漏電、ガス漏れ、シロアリについてはとくに緊急性が要求されます。入居者と打ち合わせ、入居者立ち会いのもと、早急に補修しましょう。居室クレームの処理は、気心の知れたメンテナンス業者の確保に、成否がかかっています。ある程度信用ができる業者が見つかれば、つねにその業者を使うことです。そうすれば、メンテナンス業者は、主治医として適切な処理をします。くれぐれも注意したいのは、「クレームが発生してから業者を探す」といった、場当たり的な対策を取ってはなりません。場当たり的な対策だと、費用がかさみ、補修工事は遅れます。補修工事が遅れると、入居者の不満は、時間が経過するにつれて加速度的に大きくなります。アパートの場合、ひとりの入居者のそうした不満は、ほかの入居者に伝播します。その結果、そうした不満は入居者の退去につながり、「大家さん」のキャッシュフローを悪化させてしまうのです。

・2番目は「設備クレーム」です。設備クレームは部屋の節義の不具合からくるクレームです。設備関係の主なものは、キッチン、風呂、便所等の水回り、そしてエアコン、インターフォンといった電気関係です。設備クレームの処理は、水回りか電気関係かでその処理方法は異なります。まず水回りですが、いちばん多いのが水道の蛇口からの漏水。原因は、たいがいパッキンの老朽化です。2番目に多いのが、トイレタンクの不具合。水が止まらないといったケースです。いずれも大したトラブルではないのですが、最近の入居者の多くは、自分でパッキンの交換もできない人が多く、パニックを起こしてしまいます。「大家さん」として、あわてず騒がず、冷静に適切に処理しましょう。電気関係のトラブルですが、事前に調整しておけば、それほど発生しません。入室前にエアコンやインターフォンのチェックをしてトラブルの発生を抑制しましょう。

・環境トラブルはアパートで多く発生します。代表例は騒音。「上の住人がうるさくてかなわない。迷惑している。何とかしてくれ」というもの。解決策は、仲介会社から注意してもらうことです。口頭の注意で改善しなければ、次は普通の手紙で、その次は内容証明でと、次第にプレッシャーを強めると効果があります。それでも効き目がなければ、最後は退去勧告。保証人も交え、話し合いの場を持ちましょう。大事なのは、行動を起こすことです。行動を起こさなければ、不良入居者の行動は次第にエスカレートします。毅然とした「大家さん」の態度のみが、秩序をもたらします。

・通常は本人や保証人に対する支払い督促で、家賃問題は解決するはずです。しかしながら、世の中には信じられない入居者がいるのも事実。こうした人間への対策は知っておかなければなりません。それは、「訴訟」でし。「訴訟」は万人の権利。具体的な方法を知っていれば、これほど頼りになるものはありません。「訴訟」は、一般的に弁護士が行うものと認識されていますが、私が推薦するのは、簡易裁判所で行う「支払い督促」と「小額訴訟」いずれも、「大家さん」ひとりで提訴できます。「支払い督促」は、債務者(入居者と保証人)に対し、裁判所が金銭債権(滞納家賃と違約金利)を支払いなさいと督促する制度です。「支払い督促」は、通常の訴訟と違い、書面審査のみ。「大家さん」は、悪質入居者とその保証人に出した内容証明、賃貸借契約書、そして、入金がないことを確認できる通帳を持参し、申し立てを行えばいいのです。悪質な入居者や保証人が申し開きできるはずはありません。支払い督促は2週間で仮執行宣言の申し立てが可能となります。仮執行宣言が付与されると、入居者の給与を差し押さえたり、家財道具を押さえるなどの強制執行を行うことができます。悪質な入居者もこれには、降参でしょう。そのほかに、「小額訴訟」という60万円以下の「金銭給付」訴訟があります。審理が1回で終了して判決が出ますので、時間や費用を含め効果的な訴訟手段だと言えます。

・家賃を督促する限り、正義は「大家さん」側にあり、悪いのは入居者です。しかし、立ち退きを求めたとたん、入居者は弱者となり、見方によって正義は入居者、悪いのは「大家さん」側になってしまいます。「大家さん」の当然の権利として、堂々と家賃を督促し続けていれば、そのうち嫌気がさして入居者は出ていきます。そうなれば、保証人立ち会いのもと、入居者の動産を処分すれば立ち退きは完了します。この際忘れてならないのは、動産放棄の確認書。保証人に署名捺印してもらえばOKです。

・そのほかの手段として、賃貸借契約を締結する時、保証会社をからませるのもひとつの手段です。保証会社は、家賃を「大家さん」に保証していますので、家賃滞納者が居座ると損害が拡大します。保証会社が「大家さん」の代わりに、不良入居者を退去させてくれます。

・2番目に多いのが入居者の「失踪」です。保証人と相談の上で動産放棄の確認書に署名捺印してもらい、退去していただきました。「失踪」の場合は、保証人立会いの上で貸室に残された動産を処分することが大事です。ほかに手段はありません。

・立ち退きを求める3番目のケースに、入居者の死亡があります。事故や病気で死んだ場合は、通常の退去で終了しますが、やっかいなのは、室内において犯罪に巻き込まれて死亡するとか、自殺で亡くなる場合です。幸い私は、まだこのようなケースに巻き込まれていませんが、そうした時の想定はしています。私であれば、保証人と動産の処分を行った後、保証人に対し、損害賠償請求を起こします。当然の話です。それから、お寺の住職を呼んで、お清めを実行するでしょう。同時に、アパートの場合であれば、ほかの入居者の家賃を最低5%引き下げます。退去者が続出するのを防ぐためです。


<目次>

プロローグ
 東証一部上場の老舗商社が、突如、自己破産!
 さらば、専業サラリーマン
 私が「大家さん」を選んだ理由
物件購入編
第1章 初めてのアパート・マンション経営
  1 「大家さん」に必要な不動産業者の基礎知識
  2 認識しておきたい新築物件のカラクリ
  3 賃貸用購入物件の選び方
  4 美人顔より”おたふく顔”の物件を選ぶ
  5 西より北東に位置する物件を狙う
  6 物件情報の見方と購入前の調査
 コラム1 自己資金300万円から始める「大家さん」
第2章 知っておきたい賃貸用物件の入手方法
  7 競売という方法もある
  8 やりたい放題だった昔の競売
  9 一般市民が参入する最近の競売
 10 競売物件を入手する方法
 11 任意売却物件を入手する方法
 12 依頼物件を入手する方法
 13 意外と安い地方物件の妙味
 14 インターネットの利用方法
 15 安く買えば、安く貸せる
 コラム2 競売の真実、入札と落札場面のひとコマ
第3章 買った物件は「絶対に売らない」
 16 不動産の売買は不良債権を生む
 17 「濡れ手で粟」より安定収入を目指す
 18 家賃の金額が決めるクラスの壁
 19 購入不動産を「売らない」理由
 20 不動産物件の購入資金を得る方法
 21 担保力を最大限に生かす方法
 22 自己増殖する資産のカラクリ
 コラム3 購入資金のつくり方と役に立つ金融機関
物件管理編
第4章「大家さん」業は利回りがすべて
 23 あわてない、あせらに
 24 私の失敗談-その1
 25 私の失敗談-その2
 26 私の失敗談-その3
 27 大切な利回りとキャッシュフロー
 28 重要な係数管理のススメ
 29 リニューアルは女性の目線で
 30 内装とリフォーム業者の選び方
 31 コストをできるだけ抑える方法
 コラム4 付き合いたい不動産業者、付き合いたくない不動産業者
第5章 賃貸ビジネス成功のツボ
 32 入居者選びと家賃の決め方
 33 仲介会社は複数に依頼する
 34 資金管理の基礎と方法
 35 税務申告の基礎と方法
 36 5棟10室までは「白色申告」で
 37 管理業務の基礎と方法
 38 メインバンクのつくり方
 39 「大家さん」と店子の関係
 40 「大家さん」に求められる3つの条件
 コラム5 自己所有の自宅を賃貸に回すメリット
第6章 トラブルとの付き合い方
 41 予想されるトラブルの数々
 42 トラブル解決法①-空室問題
 43 トラブル解決法②-クレーム問題
 44 トラブル解決法③-家賃滞納問題
 45 トラブル解決法④-立ち退き問題
 46 トラブルへの心構え
 コラム6 365日休まず働き続けるパートナー
エピローグ
 「賃貸ビジネス」の有望性
 「可処分時間」の魅力


面白かった本まとめ(2014年上半期)

<今日の独り言> 
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