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「東京は郊外から消えていく!(三浦展)」という本はとてもオススメ!

2013年02月22日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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「東京は郊外から消えていく!」という本は、東京郊外の地価が減少している現実やその理由、東京圏調査による発展している地域・人気の地域等、郊外をゴールドタウンにする方法等についてまとめたものです。

 これまでの東京圏の郊外は、団塊の世代がマイホームを求めて移り住んだことから発展し、現在は団塊ジュニアで比較的所得が高い者が23区内都心部や西南部に移り住んでいるようです。

 経済だけでなく住宅の大きな流れも、日本では団塊世代や団塊ジュニア世代が作っているということですね。

 それから、住んで良かった街は上位から横浜、吉祥寺、中野、町田、三鷹、荻窪、国立、府中、調布、阿佐ヶ谷だったとのことです。中央線沿線が多いんですね。

 また南武線には活気があるとは驚きました。

 これから東京で家やマンションを買って住むのにとても参考になる本だと思います。

 とてもオススメな本です!

 以下はこの本のポイント等です。

・郊外の地価は大体どこも、1992年から2011年にかけて5割から6割減である。千葉ニュータウンのある白井市にいたっては65%減である。バブル期に家を買った人は、家の値段が半分以下か3分の1になっているのだ。それに対して、世田谷の三軒茶屋だと27%減くらいで収まっている。東急田園都市線の青葉区あざみ野では35%減くらい。武蔵野市吉祥寺南町では4割減。これらと比べると、一般的な郊外住宅地の地価の下落率が高いことが明らかである。

・狭山台4丁目のように、土地が1平米12.2万円だと、先のマンションと同じ面積の52平米の土地を買うと634万円である。だから、52平米の中古マンションが390万円でもおかしくない。いや、むしろ高すぎるかもしれない。また、バブル時代に土地を買った人は、3000万円が1220万円になってしまったのだから、大損である。しかも、まだローンが残っている可能性が高い。30年前に2400万円で一戸建てを買って、25年ローンを払い終わった人がいたとすると、支払総額がたとえば4000万円くらい。その後も25年住むとして、合計50年、600ヶ月だから、1ヶ月あたり6.7万円払い続けたことになる。だったら賃貸のほうがずっとよかったのかなと思えなくもない数字である。ほかの物件はどうなのかとインターネットで調べてみると、埼玉県内に50平米前後で300万円台のマンションがたくさんあることがわかる。さすがに浦和、大宮、所沢、川越などの主要な駅の駅近くにはないが、そこからバスを使うとか、さらに何駅か離れると、300万円どころか、1976年築、54平米、3DKで280万円の物件も見つかる。先日、千葉ニュータウン内の白井市に行ったときも、URの築30年の団地が97平米、840万円で売られていた。

・都心まで電車で1時間かかるような物件には魅力がない。だとしたら、郊外には今後どんどん空き家が増え、住宅地がゴーストタウンになっていくことだって考えられるのだ。実際、すでに日本では全住宅のうち14%、約750万戸が空き家である。この空き家率が43%になるという予測すらある。

・どうして昔は郊外の駅から遠い不便な物件でも売れたのか?昔は夫婦のうち男性だけが働き、女性は専業主婦になることが一般的だったからである。その場合、長い通勤時間に耐えるのは男性だけでよかった。通勤定期代は会社持ちだから、通勤時間にさえ耐えれば、遠くの安い物件を買ってローン支払額を抑えるのが合理的だった。また、郊外のほうが都心よりも自然が豊かだったから、子育てには郊外がよいと思われた。お父さんたちはがんばって満員の通勤電車に乗り、仕事に出かけたのである。

・郊外の物件が値下がりする第2の理由は、そもそも日本の人口が減少し始めているということである。これがいちばんの理由であると言ってもよい。東京圏全体の人口はまだ減少していないばかりか、東京の人口は2012年もまだ増え続けている。しかし、埼玉県、千葉県、神奈川県では近い将来には人口が減り始めると2007年に推計されていた。事実すでに、千葉県の人口は減少し始めた。2011年の大震災による原発問題により、液状化や放射線の危険のある地域を含んでいる千葉県では、2011~12年で人口が減少してしまったのだ。

・東京に集まった若者は、その後結婚・出産し、マイホームを求め、埼玉・千葉・神奈川といった郊外に移り住んだ。2人の若い夫婦が移住してきて、そこでまた子どもを産んだのだから、人口が増えるのは当然である。こうして、埼玉、千葉、神奈川といった東京郊外の人口は1970年から90年の20年間だけでも、2倍近くにふくれあがったのである。ところが、今後は、もはや地方から東京圏に大量に人口が流入することはない。地方にはもう若い人口が減ってしまったし、地方にも商業、文化、施設などが充実したので、東京に行きたいと思われなくなったからである。他方、東京圏に住んでいる若者は、結婚をする者が減ったし、子どもを産む人も減った。結果、マイホームを買うために郊外にわざわざ引っ越す必要のある人が減ってしまった。こうして、郊外の埼玉、千葉、神奈川の人口は、近い将来次第に減少していくことになるのである。

・これまで見てきたことから、団塊ジュニア世代が東京圏のどこに住んでいるかについてまとめると、以下のようになる。
 ①未婚で、所得が比較的低い者は、郊外を中心とした親元の家に同居を続けている。
 ②未婚で、所得が比較的高い者、あるいは既婚で子どもがいない夫婦は、23区内の都心部から西南部にかけての、比較的ブランド性の高い地域に住む
 ③既婚で子どもがいる、所得が一般的な世帯は、東武スカイツリーライン沿線や千葉ニュータウン方面などの大衆的な郊外住宅地に住む。
 ④既婚で子どもがいる、比較的裕福な世帯は、23区内の西南部、またさらにその西南の東急田園都市線沿線にかけての、比較的ブランド性の高い地域に住む

・東京圏の住宅地の今後の問題は、ひとことで言えば団塊世代の老後の問題であり、死後の問題であり、その子ども世代(団塊ジュニア)のこれからの問題であると言うことができる。もちろん、団塊世代と団塊ジュニアだけが問題なのではないが、人口の多いこの2つの世代の動向が最も重要であることは間違いない。団塊世代が大量に東京圏に流入したからこそ、都内に大量の賃貸住宅が必要になったのであり、団塊世代が一度に子どもをつくり始めたからこそ、郊外に大量のマイホームが必要になったのである。そして、都心からどんなに遠くに住宅地が開発されても、売り手も借り手もついたのである。しかしその子どもたちは、先に見たように、団塊世代がある年齢で一度に結婚したり子どもをつくったりしたのとは違って、ある者は結婚し、ある者は子どもをつくり、ある者は未婚一人暮らしであり、またある者は未婚で親元に住み続けるという形で多様化している。そのため、新築住宅はあまり必要にならず、また、あとで見るような中古住宅を好む価値観の増加もあり、新築住宅がますます必要とされない状況が生まれている。子どもが独立せずに同居している世帯で、比較的所得/資産の多い団塊世代は、子どもの将来を見越してマイホームをリフォームしたり、二世帯住宅に立て替えたりするだろう。子どもが独立した夫婦のみの世帯で、比較的所得/資産の多い団塊世代は、老後に備えてマイホームをリフォームしたり、立て替えたり、あるいはもっと便利な駅の近くに引っ越したりするだろう。だが、所得や資産が少ない団塊世代は、リフォームや立て替えができず、住宅は老朽化の一途をたどる。子どもが独立した夫婦世帯は、いずれ一人暮らしとなり、最後には空き家になる可能性が高い。子どもが同居している世帯では、20年もすると、85歳の母親と60歳の子どもが同居するような世帯となり、最後には子どもだけが家に住むようになるが、子どもの所得や資産が少ない場合は、やはり住宅の老朽化が進むだろう。そもそも、相続できない場合もあるかもしれない。いずれにしろ、団塊世代のために建設された住宅ストックは次第に余っていき、空き家が増え続け、団塊世代の高齢化とともにニュータウンだった住宅地がオールドタウン化するだけでなく、空き家だらけのゴースッタウンになる危険性が増大するだろう。

・住んでよかった街
 1 横浜
 2 吉祥寺
 3 中野
 4 町田
 5 三鷹
 6 荻窪
 7 国立
 8 府中
 9 調布
10 阿佐ヶ谷
11 練馬
12 茅ヶ崎
13 高円寺
14 つくば
15 川越
16 船橋
17 鶴見
18 川崎
19 浦和
20 大船
21 大宮
22 橋本
23 武蔵小杉
24 川口
25 千歳烏山
26 上大岡
27 成増
28 葛西
29 相模大野
30 立川

・東京圏において働く場所、遊ぶ場所、住む場所として総合的に将来性があるのは、やはり都心、副都心であり、それに次いで「城南4区」、それから「中央線近郊」といったたりということになる。郊外についてはあまり将来性があるとは思えない。あえて郊外で将来性があるとすれば、「東急田園都市線沿線」と「さいたま市」であろう。次いで、「埼玉南部」「南武線」だろうか。

・居住地ブロック別に、自分が住んでいる地域のイメージを聞いてみた。まず「おしゃれ」は、「都心3区」に次いで「東急田園都市線沿線」が2位になった。3位は「中央線近郊」、4位は「城南4区」である。「城南4区」を抑えて「東急田園都市線沿線」がおしゃれイメージで勝ったというのは、すごいことである。「高級」については、「都心3区」「城南4区」「副都心など4区」に次いで、また「東急田園都市線沿線」が「中央線近郊」を抑えて4位にランクインした。5位以下は「横浜西部」「横浜東部・京急線」「中央線多摩」などが並んでおり、これらのブロックが「湘南」より高いのも驚きである。「きれい」なイメージでは「つくばエクスプレス沿線」「東急田園都市線沿線」がダントツ。「将来発展しそう」なイメージでは、「つくばエクスプレス沿線」がダントツであるが、「柏・松戸方面」「東急田園都市線沿線」も8%前後ある。いずれにしろ、「東急田園都市線沿線」のイメージの良さは傑出している。

・「活気がある」では、当然ながら「都心3区」「副都心など4区」が上位だが、「中央線近郊」を抑えて「南武線」が3位なのはちょっと驚きだ。武蔵小杉、溝の口などの駅周辺の近年の急速な発展がこうした結果を生みだしたのであろう。「つくばエクスプレス沿線」「千葉湾岸」「東急田園都市線沿線」も11%台でランクインしている。また「便利」では、都心部が上位に来るのは当然として、「東急田園都市線沿線」「南武線」「千葉湾岸」「さいたま市」「千葉市」なども4割前後の数字を示している。郊外も、主要な地域は都心部に次ぐ利便性が魅力になっているのである。

・「日常の買い物が便利」では「さいたま市」「湾岸2区」「中央線近郊」「千葉湾岸」「西武線」「柏・松戸方面」など、イメージでは高くなかった地域もかなり上位に来ており、地域に対してイメージのよさとはまた別の評価がされていることがわかる。また「都心からの距離が近い」については、「南武線」「千葉湾岸」、10位以下だが「埼玉南部」「さいたま市」があがっており、利便性が評価されている。このように、イメージのよさという意味では「東急田園都市線沿線」や横浜方面の2ブロックが勝るが、日常の便利さや通勤の便利さなどの実質では、埼玉、千葉の郊外が勝つという構図が見えてくる。

<目次>
東京圏調査 調査概要
首都圏主要鉄道網図
第1章 あなたの街がゴーストタウンになる!
 マンション300万円時代到来!
 地価は20年で6割減、30年前に戻った
 郊外住宅地がゴーストタウンになる
 郊外の物件が値下がりする理由① 女性の社会進出
 郊外の物件が値下がりする理由② 人口減少
 郊外の物件が値下がりする理由③ 高齢化
 郊外の物件が値下がりする理由④ 結婚しない団塊ジュニア
 団塊ジュニアが多い地域は?
 所得、未婚既婚などにより、団塊ジュニアの住む地域が分散
 未婚で親元暮らし(パラサイトシングル)の団塊ジュニアはどこに多い?
 団塊ジュニアの住む地域
 住宅地の将来は団塊世代の老後と死後の問題
第2章 発展する街・衰退する街はどこか?
 発展するのは東急田園都市線? 中央線? さいたま市?
 衰退するブロックの予測には震災の影響あり
 「横浜東部・京急線」「さいたま市」「下町4区」も発展の可能性
 若い女性ほど世田谷でhなく中央線でOK
 買い物は郊外でも十分間に合う
 団塊世代は湘南ブランド若者は下町好き
 若い世代はブランド性より文化的な場所を求める
 「郊外の都市化」が望まれている
第3章 団塊ジュニア以降の世代はどこに住むのか?
 住まいへの満足度
 郊外の住宅地でも住み替え希望は3割以上
 約半数が今住んでいる地域での住み替えを希望
 郊外に住む女性は地方に引っ越したい
 地域のイメージ
 南武線は活気がある
 住む人、働く人、遊ぶ人の奪い合い
 専業主婦のための東急田園都市線
 イメージの横浜に対して、実質の埼玉、千葉は団塊ジュニア向き
 郊外がゴーストタウンになる危険
第4章 団塊世代は親子二世帯同居をするか?
 団塊世代の子や孫が持続的に生活できる住宅地だけが生き延びる
 地域への愛着はあるのか?
 千葉、埼玉で多い地域での交流
 愛着と交流は別
 居酒屋か、お茶か
 都心部よりも郊外のほうが地域との関係が良い
 定年後の団塊世代
 二世帯同居希望が増える
 子どもの出戻りもある
 行政にとっても二世帯住宅はうれしい
 多様な人々が住む郊外
第5章 どういう郊外が生き延びるか?
 郊外で働く時代
 自治体が若い人を奪い合う時代
 ノマドワークの時代
 職住近接へのニーズは大きい
 さいたま市と東急田園都市線沿線の違い
 さいたま市は働きたい地域
 二子玉川の新しい動き
 「第四の消費」から見た都市
 第一から第三の消費社会における都市
 第四の消費社会における都市、地方、郊外
 地域間のサバイバル競争
 ブランド的地域と無印的地域
第6章 郊外をゴールドタウンにする方法
 都心は便利になったが、つまなくなった
 新しいビルにはもはや魅力はない
 リノベーションの時代
 空き家率が40%になり、東京圏に限界集落が増える!
 クズの山を宝の山に変えるには、住宅地マネジメントが必要
 オールドタウンをゴールドタウンへ
 空き家、空き地の活用方法
 市民の力
 市民、企業、行政の協力

面白かった本まとめ(2012年下半期)

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