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「世界で一番美しい元素図鑑」という本はとてもオススメ!

2013年02月15日 01時00分00秒 | 
<金曜は本の紹介>

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 「世界で一番美しい元素図鑑」という本は、元素収集家の著者が、その集めた各元素をカラー写真で紹介しながら、各元素の特徴や名前の由来などについて楽しく説明したものです。

 たとえば、アルカリ金属(周期表左端列)は水と反応して水素ガスを発生させ特にナトリウムは爆発するや、チタンが入っているか真贋を知る簡単な方法は回転する研削盤の砥石に当てて白色の火花が散るか、テルビウムには磁場の中に入ると形が変わるという特殊な性質があるなど、へ~と思うことがたくさん書かれていますね。

 また、元素番号の大きな元素は、アインスタイニウムやフェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウムなど人名が由来なものもあるということが分かりました。

 著者は、2002年から2009年までに、所持可能なすべての元素を2300点近くも集めたようです。

所持可能というのは、所持が禁止されている放射性物質等があるため、それらはさすがに集めることができなかったようです。

 それにしても凄い収集マニアですね。

 この本は、楽しく元素の勉強ができ、中学生・高校生等の勉強にも良いと思います。

とてもオススメですね!

以下はこの本のポイント等です。

・恒星が光るのは、中心部で大量の水素が核融合してヘリウムになっているからです。太陽だけでも、毎秒6億トンの水素を消費して5億9600万トンのヘリウムを生産しています。考えてみてください。1秒に6億トン。それも昼夜分かたずに。使った水素とできたヘリウムの差の400万トン/秒はどこへ行ったのでしょう。答えは、エネルギーに変換されたのです。アインシュタインのあの有名なE=mc2の関係式に従って。400万トンのうち約1.6kg/秒分が地球にやってきて、夜明けの薄明かりや夏の午後の日差しやたそがれの空の色を生み出します。太陽が水素をむさぼり食うことで私たちはみな生きているわけですが、水素の大切さはもっと身近なところでもよく知られています。水素は酸素(8)と結合して水となり、雲や海、川、湖を作ります。炭素(6)や窒素(7)や酸素と結びつけば、生き物すべての血や身体のもとになります。

・ヘリウムの名前のもとは、ギリシャ語で太陽をあらわす「ヘリオス」です。人類がこの元素の存在に気づいた最初のきっかけが、日食のときに太陽光スペクトルで観測された輝線だったからです。その線は、当時知られてたどの元素でも説明がつかなかったため、未知の元素があると考えられたのです。他の元素と相互作用しないので、化学反応を利用した伝統的な分析法ではなかなか検出できません。今日私たちが使うヘリウムは、地下から湧き出す天然ガスから抽出されます。しかし、他のすべての安定元素と違って、ヘリウムは地球ができたときから地中にあったわけではありません。長い年月の間に、ウラン(92)とトリウム(90)の放射壊変によって生成したものです。ウランとトリウムはアルファ粒子を放出して崩壊しますが、物理学者が「アルファ粒子」と名付けたものは、実はヘリウム原子核でした。

・リチウムは非常に軟らかく軽い金属で、水に浮きます。水に浮く金属は他にはナトリウム(11)だけです。水面のリチウムは水と反応して、比較的穏やかに(爆発はせずに)水素ガスを発生させます(アルカリ金属のうち、水との反応が派手なのはナトリウム以降)。

・かわいそうなホウ素。さえない名前で、だれかに尊敬してもらえろうには見えません。ホウ素は洗濯に使われるホウ砂としてよく見かけると言ったところで、なんの足しになるでしょう。でも、ホウ素は実はあなたが考えるよりずっと有用で魅力的です。ホウ素(5)と窒素(7)と化合させると、両者の間に位置する炭素(6)に似た結晶ができます。炭素はダイヤモンドを作りますが、立方晶窒化ホウ素の結晶はダイヤに近い硬度を持ち、ずっと安価で、ダイヤより耐熱性があります。そのため、鋼鉄製品の研磨材として広く産業用に使われています。

・炭素は生命にとって最も重要な元素です。炭素以外にも生命に不可欠な元素は多数ありますが、DNAのらせん構造の骨格からステロイドやタンパク質の複雑な環やリボンのような形まで、どれも炭素にしかない特性のおかげでできています。「有機化合物」という言葉自体、炭素を含む化学物質だけを指します。今のところ最も硬い鉱物であるダイヤモンドも炭素でできています。

・現代文明が二酸化炭素を大気中に放出する一方で、私たち空気から窒素を取り出してそれを食べています。空気中に窒素分子の形で含まれているとき、窒素は不活性であまり役に立ってはいません。ところが、より反応性の高いアンモニア(NH3)などの形では、がぜん優れた肥料となります。

・炭素(6)が生命の土台だとすれば、酸素は生命の燃料といえるでしょう。あらゆる有機化合物と反応する酸素の性質こそが、生命のプロセスの推進力です。酸素を使う燃焼はあなたの車を走らせ、あなたのコンロで肉を焼き、もしあなたがNASAの職員ならあなたのロケットを飛ばします。地球上で最も豊富な元素は酸素だと聞いたら、あなたは驚くかもしれません。地殻質量の半分近くと海水質量の86%は酸素です。ただ、地殻も海も純粋な酸素ではなく酸素の化合物でできています。

・フッ素は最も反応性の高い元素のひとるです。フッ素ガスを吹き付ければ、ほとんどすべてのものが(通常は不燃性のガラスなども)炎上します。面白いことに、ある元素の反応性が高ければ高いほど、その化合物の安定性も高くなります。フッ素の反応性が高いというのは、フッ素が他の元素と化合する際に大量のエネルギーが放出されるという意味です。できた化合物が非常に安定しているのは、もしその化合物を分解しようと思ったら同じだけ大量のエネルギーを加えなければならないからです。それほどのエネルギーを与えるには、フッ素よりさらに反応性の高い物質を使う必要がありますが、そんな物質はきわめてまれです。一番有名なフッ素化合物はテフロンでしょう。テフロンはほぼ完全に近い化学物質耐性を持っており、同時に摩擦係数がとても小さいので、こびりつかないフライパンから酸を保存する容器まで多彩な形で使われています。

・ナトリウムはアルカリ金属(周期表左端列の元素)の中で最も爆発性が高く、また最も味わい深い元素です。まずは爆発性。ナトリウムを水中に投げ込むと急激に水素が発生し、数秒後には発火して大爆発が起こり、燃えるナトリウム片が四方八方に飛び散ります(他のアルカリ金属も水に入れると似たような反応を示しますが、最も派手に爆発して世界中のいたずら好きに好かれているのがナトリウムです)。味わい深いというのは、ナトリウムが塩素(17)と化合すると塩化ナトリウム、すなわち食塩になるからです。アルカリ金属の塩化物塩としては食塩が一番美味しいのは衆目の一致するところ。

・本書で最初に登場する、真にすばらしい実用的な堅さを持つ金属がマグネシウムです(ベリリウムは高価で毒性があるため「すばらしい」とまではいきません)。マグネシウムには手頃な価格、強さと軽さ、加工しやすさがそろっています。可燃性だけが欠点です。マグネシウムは非常に燃えやすく、マグネシウムリボンにはマッチ1本で火がつきます。微粉末には爆発性があります。

・元素としてのリンは嫌われものです。特に、1669年にハンブルクで発見された白リンという同素体は、1943年の空襲でまさにそのハンブルクを焦土と化すのにひと役買いました(マグネシウムの焼夷弾が建物を破壊し、逃げまどう人々は白リンが焼き殺したのです)。今も白リンは大砲や迫撃砲の砲弾に充填されて戦場で使われ、大きな被害を生んでいます。ところが、リン酸塩という形になると、リンは生命にとって必要な物質となります。人類の歴史のほとんどの期間、リンこそが食用作物の生育のカギでした。土壌中のリンが枯渇すると不作で大飢饉が起きるので、グアノ(天然の化石肥料)や骨粉などの肥料を入手してリンを補充できるかどうかが、いくつもの文明の運命を決めました。19世紀の中頃にリン鉱石から肥料を製造する方法が発見されると、ようやくリン不足は技術的に解決されました。世界の人口爆発の原因はリン酸塩肥料にあると言っても過言ではありません。

・ギリシャ語で「不活性」を意味する言葉が語源のアルゴン。名は体をあらわすの典型です。アルゴンの用途は、最も安価でまったく不活性な気体という性質を利用したものがほとんどです。小さな金属ボンベ入りのアルゴンガスが、ワイン酸化防止用に売られています。開栓したワインボトルにアルゴンを注入して鮮度を保持する目的で使われます。もっとも、私に言わせればワインが酸化する前に全部飲んでしまうのが一番ですね。

・工具鋼と高速度鋼。ともに、鉄(26)合金の中でもとくに優れた硬度、強靭性、耐摩耗性を誇る仲間ですが、この特性を生むのに貢献しているのが、数%添加されたバナジウム(炭化バナジウム)です。バナジウム鋼はチタン(22)よりはるかに硬いのです(ただ、チタンより重くなります)。

・鉄は錆びやすい-これは化学の神の最大の落ち度のひとつで、その対策に毎年莫大なコストがかかっています。しかし鉄そのものは低コストで、驚くほど多様な合金を作れるうえ、それらの合金の性質を超高硬度から特段の引っ張り強度、優れた振動減衰性まで自在に調節できるなど、山ほどの長所があります。溶解、鋳造、機械加工、鍛造、冷間加工、焼き入れ、焼き戻し、焼きなまし、延伸などがいずれも容易で、どんな形や性質にもできるという点で、鉄は他の追随を許しません。金属としての鉄があまりに活躍しているため、多くの生命体が鉄原子なしでは生きられないことの方はつい忘れられがちである。タンパク質の一種であるヘモグロビンに含まれる鉄原子は、血中で酸素を運ぶ大役を担っています。鉄は、体内の微量成分のうちの最重要元素のひとつなのです。多くの酵素の中には、金属イオンが含まれています。ヘモグロビンは鉄ですが、植物の葉緑素の場合はマグネシウム(12)で、イカやタコの青い血液では銅(29)です。そして、ビタミンB12の中心になっているのが次のコバルトです。

・銅はまったくたいした奴です。素晴らしいの一語に尽きます。他の多くの元素はどこかに弱点があります。万能だけれど毒性があったり、ほとんど完璧なのに水に触れると爆発したり。ところが銅には欠点がありません。どこをとっても優秀です。銅製品にずっと触れていても、めったに害はありません。それどころか銅には抗菌性があって、医療機関でドアノブなど感染を媒介しやすい場所に使われることもあります。銅は手で持って使う工具や小型電動工具で加工できるくらいに軟らかい一方、合金にするとさまざまな用途に適した硬さになります。とくにスズ(50)と混ぜた青銅(ブロンズ)や亜鉛(30)と混ぜた真鍮が有名です。

・室温で液体の金属元素は水銀(80)だけだとよく言われますが、これは気候学的には偏った見方です。熱帯やその近くでエアコンもない場所なら、ガリウムとセシウム(55)も室温で液体になります。融点はそれぞれ29.76℃と28.44℃ですから。

・ネオジムは希土類ランタノイド系列で最も知名度が高い元素で、それはひとえにネオジム磁石(実際はネオジム・鉄・ホウ素の合金)のおかげです。(日本では「ネオジウム磁石」とも呼ばれます)。ネオジム磁石は簡単に手に入る最強の永久磁石で、そこいらに置いておくと強すぎて危険です。

・金(79)、それこそは金属の金字塔です。ロジウム(45)の方が高価であっても、だれも目の色を変えてロジウムを追い求めたりはしません。金に匹敵する欲望の対象としてダイヤモンドの姿をした炭素(6)がありますが、ダイヤは永遠ではなく、高温で壊れます。大きな人造ダイヤができるようになれば、天然ダイヤの価値の下落は必至です。ダイヤは分不相応に珍重されているにすぎません。でも金は本物、愛と崇拝に値します。金は、本質的に貴重なのです地球上の金はごくわずかで、人類の歴史の中でこれまでに得られた金を全部集めても一辺が約18mの立方体に収まってしまいます。もし貨幣を金本位制に戻すべきだと主張するトンチキに出会ったら、こう言ってやりなさい。今ある金は市場価格でいうと数兆ドル分で、流通している通貨総額よりはるかに少ない。つまり圧倒的に金の量は足りないんだよ、と。金はすばらしく有用です。導電性が高く変質しないので最良の電気接点になります。



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