<金曜は本の紹介>
「田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則(金丸弘美)」の購入はコチラ
この本は、農漁村をはじめ全国800余りを見てきた著者が、「発見力」「ものづくり力」「ブランドデザイン力」「食文化力」「環境力」の5つの力に焦点を当て、地域のもっている潜在的な力、すなわち「田舎力」を最大限に発揮する法則をまとめたものです。
また、そもそも著者が全国の農村や食の現場をめぐり始めたきっかけは、次男の食品添加物等による極度のアレルギー反応とのことです。
そのため、畑や田んぼや、いい食品を作っているところに行ってみようと思い立ち、そのつながりで全国800余りを見てきたようです。
私もこの本に紹介された場所にできるだけ訪れたいと思っています。
この本は田舎活性化のポイントがよくまとめられた良書だと思います!とてもオススメです!
以下はこの本のポイントなどです。
・2007年には、世界各国で実施された48プログラムに2万7000名の学生大使が参加。その中で参加した学生たちのアンケートで世界ナンバーワンの評価を得たのが小値賀を含む「平戸・小値賀・長崎ルート」だったのである。小値賀の内容をみると、民家に泊まってホストファミリーと一緒に夕食の準備をしたり、浴衣で散歩をしたり、お寺に参ったり、漁村の暮らしに触れたりといったものである。小値賀が大きな称賛を浴びたのは「そのままの日本」があったからだろう。つまり、木造家屋があり、行き交う人はお辞儀をし、箸を使って料理を食べ、海や山と自然と共存した暮らしがある。昔から変わらない日本の農漁村の姿があったからである。そんな「普通」の家庭に泊まって食事をし、「普通」の生活に触れる。人と人とのコミュニケーションがある。まさにアメリカの学生たちにとっては、ほかのどこにもないものがあったのだろう。
・私がいまもっとも注目しているのが、竹田市直入町の長湯温泉だ。長湯温泉は江戸時代に岡藩主中川久清公を始め、同藩士の湯治場として使われてきた300年の歴史がある。いくつかある旅館のひとつ、大丸旅館の首藤勝次さん(2009年に市長に就任)が、新しい湯治の形として提唱したのが、「B&B&C」というコンセプトだ。これは、イギリスなどで盛んな「B&B(ベッド・アンド・ブレックファスト」に加えて、「C(カルチャー)」を加えたものである。この「B&B&C」というコンセプトのもと、2008年に湯治とB&Bを組み合わせた新しいグリーンツーリズム施設「B.B.C長湯」が誕生した。湯治といえば、長い期間泊り込んで、自炊をしながら温泉療養するものだった。それをB&Bとマッチングさせることで、ここを拠点に近郊の観光まで楽しんでもらおうというユニークな発想である。施設内にはコテージタイプの宿泊棟が6つと、カルチャーの「C」にあたる「林の中の小さな図書館」がある。宿泊棟の周辺は木々に囲まれ、快適な空間が演出されている。宿泊は朝食付きのみなので、あとは近所に食べに行くか、ここを拠点に遠く阿蘇まで足を延ばし、阿蘇の景観や農家のレストランなどで食事を楽しむことができる。また、自炊派のことも考慮し、宿泊棟内にはベッドルームと小さな書斎のほかにキッチンもあり、なかで料理もできるようになっている。すぐそばの大丸旅館で温泉に入るのは無料。喫茶室を備えた温泉施設の「ラムネ温泉館」には、割引料金で入れる。宿泊棟はすべてインターネットの環境が整っている。休暇で訪れているとはいえ、長期滞在ともなると、これは案外重要なことである。「おかげさまで、金融不況といわれるなかでも客足が落ちることなく、稼働率は90%をキープしています。ここを拠点に湯布院、久住高原、高千穂、阿蘇まで足を延ばされる方が多いですね。お客様の半分近くが1週間滞在なさいます。60歳前後の方や、男性のひとり旅も多いですね。長期の方々は、長湯にある農産物の直売所を利用したり、地元の道の駅で買い物をして自炊されているようです。商店街に行けば、豊後牛も手に入ります。地元の商店街まで含めて、地域全体で連携するという考えですね」
・町全体のマネジメントを行い、食と農業をテーマに、地域の特性を前面に打ち出し、早くから注目されて、各地の食の町おこしのモデルとなったところがある。大分県日田市大山町にある「大山町農業協同組合」である。この山間地には地域農産物の直売所と地域食材を使ったレストラン「木の花ガルテン」がある。創業は1990年。年間16万人が訪れる。こここそ、いま各地で人気の「農家レストラン」のはしりである。イチゴを農家が自ら運営する直売所で販売すれば、400円のイチゴは、直売所の販売手数料の15~20%を引かれるだけで、手取りは、340円から380円となる。それを、イチゴのムース、イチゴ大福などにして直営店やレストランなどで販売すれば、さらに大きな付加価値が生まれる。そして、それらの活動に地域の人たちがかかわれば、地域の経済を活性化することもできる。農家と連携した直売所と直営レストランというビジネスモデルは、画期的であると同時に、非常に理にかなった仕組みだったのである。
・大山農協と同じように山間地から地域の活力を生み出し、特産品づくりのモデルとなっているのが、高知県安芸郡にある馬路村農協だ。ここは地域ブランド食品開発のモデルとして、必ずといっていいほど取り上げられるところだ。村で栽培されるゆずの加工品は、通販を中心に年間売り上げ33億円にのぼる。農協が作ったゆず製品と、その強烈なイメージ戦略が、全国に「ゆずの村・馬路村」を知らしめることとなった。地域発の大ヒット商品は、村のゆずとハチミツと水だけで作ったドリンク「ごっくん馬路村」で、年間750万本を売る。
・地元農産物をブランド化し、その加工品で収益をあげ、地元農家と連携したレストランや体験型メニューで観光客を呼ぶ。それらの複合的な事業を一貫して行う「ファーム」というスタイルを成功させてあのが、三重県伊賀市の農事組合法人「伊賀の里モクモク手づくりファーム」である。モクモクファームは「安全・安心」にこだわり、「生産者と消費者とのつながり」を重視して、ファームのファンづくりに成功した。その結果、ファーム名自体が一種のブランドとなり、近郊に直営レストラン7店舗を出店するまでに成長した。年間50万人が訪れる。
・これからの農業経営、特に巨大資本の参入による大規模効率化に頼らずに、地域の独自性を生かして持続的な発展を目指すには、生産(第一次)だけでなく、加工(第二次)、直販、レストラン経営(第三次)まで含めた複合的な手法、すなわち第六次産業としての展開が有効だと述べた。モクモクはさらに、会員制の宅配サービス手作りウインナー教室などの体験メニューや温泉・宿泊施設、さらには定年帰農のニーズを見込んだ体験農園など、食や農業に関心の高い消費者と観光客を巻き込む仕掛けづくりで大きな注目を集めている。このファームでは年間を通じて50以上のイベントも開催され、家族連れに大人気だ。
・モクモクに毎年のように通って、ノウハウを吸収し、新しい地域づくりに成功したところがある。町の果樹、野菜、稲作、花卉農家全体で連携できる仕組みを作り、年間48万人を呼び寄せるようになったところがある。長崎県大村市弥勒寺にある「おおむら夢ファーム シュシュ」である。長崎空港から車で15分ほどのところにある、地元農家が共同出資して作った会社で、農産物の直売所やレストラン、体験教室などを運営している。ここは女性に人気で、地元の農産物を使ったジェラートが大評判になっていたのである。シュシュの目玉である「アイス工房」はしゃれたログハウス。イチゴやゆず、ミカン、ミルクなどのジェラートが販売されている。
・「味覚は10歳までに育つ。そのときに本物の味を覚えさせ、表現の豊かな子どもを育てるべき」とはフランス料理のシェフ、三國清三さんの言葉。「ファストフードのような人工的な味や香りの刺激の強いものを子どものときに味わうと、微妙な味わいを感知する能力が育たない。味覚がぼけてしまう。そうすると脳の働きが弱くなる」
<目次>
まえがき
第1章 発見力
~「なにもない」土地に眠る宝を探せ
海外の学生を魅了した「過疎の島」/「そのままの日本」/「外の目」が埋もれた観光資源を発見する/「かっこいい田舎」をヨーロッパで知った若者たち/日本版グリーンツーリズムの広がりと課題/温泉を取り入れたツーリズム/城下町・竹田から広がる広域連携/商店街版・あるもの探し/若者の夢をかなえる「貧乏人チャート」/イノベーションする古い町並み/「ノスタルジー/から新しい価値創造へ
第2章 ものづくり力
~ビジョンを抱いて、きちんと作れ
食による地域おこしは「きちんとした」ものづくりから/間違いだらけの「特産品」/食のグローバル化/影をひそめた「地場もの」と郷土料理/市場原理に駆逐された伝統野菜/食の地域色がわからなくなった担当者たち/作り手と買い手のボタンの掛け違い/食感度の高い女性を巻き込め!/農家レストランの先駆例/「第六次産業」としての農業/景観と調和したデザイン/新しい「豊かさ」の追求/「海栗植えてハワイに行こう!」/「離婚してでも行って来い」
第3章 ブランドデザイン力
~ヒットの秘訣は地域に訊け
ものづくりを拠点に地域をブランド化/あらゆるアイデアでゆずを売る馬路村/徹底的に田舎を「売り」にする/トラック1台から始めたゆず製品販売/村の「公認飲料」誕生/夢で龍馬に激励され発奮/地元材料を演出に活用/近隣地域との連携/支持される「ファーム」直営レストラン/ものづくりとソフトを総合的にプロデュース/地元の人に愛される豚を作りたい/付加価値の追求~ハムづくり/運命を変えたウインナー教室/消費者ニーズを具体化した体験型ファーム/団塊世代の「週末農業」ニーズにこたえる/ソフト吸収は貪欲に/出荷できない果物をジェラートに/農家が自立できる直売所を/地域のPR拠点としての機能
第4章 食文化力
~食材の背景を知り、発信せよ
食文化の学びと発信の有効な結びつき/「おいしさ」の表現が豊かになるワークショップ/「現場を見たい!」消費者の声/「スローフード」との出会い/スローフードが教えてくれたテキストとワークショップ/サフランから出発した食のテキストづくり/一流シェフの手料理を味わう/味覚は10歳までに育つ/味覚は文化である/地に足が着いた情報の重要性/身近な関心と食の現場を結びつける/テキスト作成と食を体験するワークショップ/ワークショップが生んだ国際的展開/「イタそば」誕生!/広報ツールとしてのテキスト
第5章 環境力
~持続可能なコミュニティを目指せ
環境は、取り戻せる/農薬を減らせる「耕さない」田んぼ/ゆっくり育てた苗の強さ/耕さない田んぼに生き物が戻って来た/自然保護か農業振興か/水を張った田んぼを鳥たちの居場所に/科学的調査と連携による環境保全/コウノトリとの約束を果たす/官民一体・コウノトリ保護の50年/広がる農と環境の学び/放鳥の日のために/コウノトリを育む農法が安心のブランドを生む/目標は「安心を食べること」/行動する子どもたち/地域ぐるみの環境教育/日常にドラマを生んだコウノトリとの共生/「スローシティー」という発想/持続可能な地域づくりを
あとがき
面白かった本まとめ(2009年上半期)
<今日の独り言>
初めて日暮里・舎人(とねり)ライナーに乗りました!5歳の電車好きな息子も大喜びです。しかし、ゆりかもめと同じ仕組みとは知りませんでした^_^;)
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また、そもそも著者が全国の農村や食の現場をめぐり始めたきっかけは、次男の食品添加物等による極度のアレルギー反応とのことです。
そのため、畑や田んぼや、いい食品を作っているところに行ってみようと思い立ち、そのつながりで全国800余りを見てきたようです。
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この本は田舎活性化のポイントがよくまとめられた良書だと思います!とてもオススメです!
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・2007年には、世界各国で実施された48プログラムに2万7000名の学生大使が参加。その中で参加した学生たちのアンケートで世界ナンバーワンの評価を得たのが小値賀を含む「平戸・小値賀・長崎ルート」だったのである。小値賀の内容をみると、民家に泊まってホストファミリーと一緒に夕食の準備をしたり、浴衣で散歩をしたり、お寺に参ったり、漁村の暮らしに触れたりといったものである。小値賀が大きな称賛を浴びたのは「そのままの日本」があったからだろう。つまり、木造家屋があり、行き交う人はお辞儀をし、箸を使って料理を食べ、海や山と自然と共存した暮らしがある。昔から変わらない日本の農漁村の姿があったからである。そんな「普通」の家庭に泊まって食事をし、「普通」の生活に触れる。人と人とのコミュニケーションがある。まさにアメリカの学生たちにとっては、ほかのどこにもないものがあったのだろう。
・私がいまもっとも注目しているのが、竹田市直入町の長湯温泉だ。長湯温泉は江戸時代に岡藩主中川久清公を始め、同藩士の湯治場として使われてきた300年の歴史がある。いくつかある旅館のひとつ、大丸旅館の首藤勝次さん(2009年に市長に就任)が、新しい湯治の形として提唱したのが、「B&B&C」というコンセプトだ。これは、イギリスなどで盛んな「B&B(ベッド・アンド・ブレックファスト」に加えて、「C(カルチャー)」を加えたものである。この「B&B&C」というコンセプトのもと、2008年に湯治とB&Bを組み合わせた新しいグリーンツーリズム施設「B.B.C長湯」が誕生した。湯治といえば、長い期間泊り込んで、自炊をしながら温泉療養するものだった。それをB&Bとマッチングさせることで、ここを拠点に近郊の観光まで楽しんでもらおうというユニークな発想である。施設内にはコテージタイプの宿泊棟が6つと、カルチャーの「C」にあたる「林の中の小さな図書館」がある。宿泊棟の周辺は木々に囲まれ、快適な空間が演出されている。宿泊は朝食付きのみなので、あとは近所に食べに行くか、ここを拠点に遠く阿蘇まで足を延ばし、阿蘇の景観や農家のレストランなどで食事を楽しむことができる。また、自炊派のことも考慮し、宿泊棟内にはベッドルームと小さな書斎のほかにキッチンもあり、なかで料理もできるようになっている。すぐそばの大丸旅館で温泉に入るのは無料。喫茶室を備えた温泉施設の「ラムネ温泉館」には、割引料金で入れる。宿泊棟はすべてインターネットの環境が整っている。休暇で訪れているとはいえ、長期滞在ともなると、これは案外重要なことである。「おかげさまで、金融不況といわれるなかでも客足が落ちることなく、稼働率は90%をキープしています。ここを拠点に湯布院、久住高原、高千穂、阿蘇まで足を延ばされる方が多いですね。お客様の半分近くが1週間滞在なさいます。60歳前後の方や、男性のひとり旅も多いですね。長期の方々は、長湯にある農産物の直売所を利用したり、地元の道の駅で買い物をして自炊されているようです。商店街に行けば、豊後牛も手に入ります。地元の商店街まで含めて、地域全体で連携するという考えですね」
・町全体のマネジメントを行い、食と農業をテーマに、地域の特性を前面に打ち出し、早くから注目されて、各地の食の町おこしのモデルとなったところがある。大分県日田市大山町にある「大山町農業協同組合」である。この山間地には地域農産物の直売所と地域食材を使ったレストラン「木の花ガルテン」がある。創業は1990年。年間16万人が訪れる。こここそ、いま各地で人気の「農家レストラン」のはしりである。イチゴを農家が自ら運営する直売所で販売すれば、400円のイチゴは、直売所の販売手数料の15~20%を引かれるだけで、手取りは、340円から380円となる。それを、イチゴのムース、イチゴ大福などにして直営店やレストランなどで販売すれば、さらに大きな付加価値が生まれる。そして、それらの活動に地域の人たちがかかわれば、地域の経済を活性化することもできる。農家と連携した直売所と直営レストランというビジネスモデルは、画期的であると同時に、非常に理にかなった仕組みだったのである。
・大山農協と同じように山間地から地域の活力を生み出し、特産品づくりのモデルとなっているのが、高知県安芸郡にある馬路村農協だ。ここは地域ブランド食品開発のモデルとして、必ずといっていいほど取り上げられるところだ。村で栽培されるゆずの加工品は、通販を中心に年間売り上げ33億円にのぼる。農協が作ったゆず製品と、その強烈なイメージ戦略が、全国に「ゆずの村・馬路村」を知らしめることとなった。地域発の大ヒット商品は、村のゆずとハチミツと水だけで作ったドリンク「ごっくん馬路村」で、年間750万本を売る。
・地元農産物をブランド化し、その加工品で収益をあげ、地元農家と連携したレストランや体験型メニューで観光客を呼ぶ。それらの複合的な事業を一貫して行う「ファーム」というスタイルを成功させてあのが、三重県伊賀市の農事組合法人「伊賀の里モクモク手づくりファーム」である。モクモクファームは「安全・安心」にこだわり、「生産者と消費者とのつながり」を重視して、ファームのファンづくりに成功した。その結果、ファーム名自体が一種のブランドとなり、近郊に直営レストラン7店舗を出店するまでに成長した。年間50万人が訪れる。
・これからの農業経営、特に巨大資本の参入による大規模効率化に頼らずに、地域の独自性を生かして持続的な発展を目指すには、生産(第一次)だけでなく、加工(第二次)、直販、レストラン経営(第三次)まで含めた複合的な手法、すなわち第六次産業としての展開が有効だと述べた。モクモクはさらに、会員制の宅配サービス手作りウインナー教室などの体験メニューや温泉・宿泊施設、さらには定年帰農のニーズを見込んだ体験農園など、食や農業に関心の高い消費者と観光客を巻き込む仕掛けづくりで大きな注目を集めている。このファームでは年間を通じて50以上のイベントも開催され、家族連れに大人気だ。
・モクモクに毎年のように通って、ノウハウを吸収し、新しい地域づくりに成功したところがある。町の果樹、野菜、稲作、花卉農家全体で連携できる仕組みを作り、年間48万人を呼び寄せるようになったところがある。長崎県大村市弥勒寺にある「おおむら夢ファーム シュシュ」である。長崎空港から車で15分ほどのところにある、地元農家が共同出資して作った会社で、農産物の直売所やレストラン、体験教室などを運営している。ここは女性に人気で、地元の農産物を使ったジェラートが大評判になっていたのである。シュシュの目玉である「アイス工房」はしゃれたログハウス。イチゴやゆず、ミカン、ミルクなどのジェラートが販売されている。
・「味覚は10歳までに育つ。そのときに本物の味を覚えさせ、表現の豊かな子どもを育てるべき」とはフランス料理のシェフ、三國清三さんの言葉。「ファストフードのような人工的な味や香りの刺激の強いものを子どものときに味わうと、微妙な味わいを感知する能力が育たない。味覚がぼけてしまう。そうすると脳の働きが弱くなる」
<目次>
まえがき
第1章 発見力
~「なにもない」土地に眠る宝を探せ
海外の学生を魅了した「過疎の島」/「そのままの日本」/「外の目」が埋もれた観光資源を発見する/「かっこいい田舎」をヨーロッパで知った若者たち/日本版グリーンツーリズムの広がりと課題/温泉を取り入れたツーリズム/城下町・竹田から広がる広域連携/商店街版・あるもの探し/若者の夢をかなえる「貧乏人チャート」/イノベーションする古い町並み/「ノスタルジー/から新しい価値創造へ
第2章 ものづくり力
~ビジョンを抱いて、きちんと作れ
食による地域おこしは「きちんとした」ものづくりから/間違いだらけの「特産品」/食のグローバル化/影をひそめた「地場もの」と郷土料理/市場原理に駆逐された伝統野菜/食の地域色がわからなくなった担当者たち/作り手と買い手のボタンの掛け違い/食感度の高い女性を巻き込め!/農家レストランの先駆例/「第六次産業」としての農業/景観と調和したデザイン/新しい「豊かさ」の追求/「海栗植えてハワイに行こう!」/「離婚してでも行って来い」
第3章 ブランドデザイン力
~ヒットの秘訣は地域に訊け
ものづくりを拠点に地域をブランド化/あらゆるアイデアでゆずを売る馬路村/徹底的に田舎を「売り」にする/トラック1台から始めたゆず製品販売/村の「公認飲料」誕生/夢で龍馬に激励され発奮/地元材料を演出に活用/近隣地域との連携/支持される「ファーム」直営レストラン/ものづくりとソフトを総合的にプロデュース/地元の人に愛される豚を作りたい/付加価値の追求~ハムづくり/運命を変えたウインナー教室/消費者ニーズを具体化した体験型ファーム/団塊世代の「週末農業」ニーズにこたえる/ソフト吸収は貪欲に/出荷できない果物をジェラートに/農家が自立できる直売所を/地域のPR拠点としての機能
第4章 食文化力
~食材の背景を知り、発信せよ
食文化の学びと発信の有効な結びつき/「おいしさ」の表現が豊かになるワークショップ/「現場を見たい!」消費者の声/「スローフード」との出会い/スローフードが教えてくれたテキストとワークショップ/サフランから出発した食のテキストづくり/一流シェフの手料理を味わう/味覚は10歳までに育つ/味覚は文化である/地に足が着いた情報の重要性/身近な関心と食の現場を結びつける/テキスト作成と食を体験するワークショップ/ワークショップが生んだ国際的展開/「イタそば」誕生!/広報ツールとしてのテキスト
第5章 環境力
~持続可能なコミュニティを目指せ
環境は、取り戻せる/農薬を減らせる「耕さない」田んぼ/ゆっくり育てた苗の強さ/耕さない田んぼに生き物が戻って来た/自然保護か農業振興か/水を張った田んぼを鳥たちの居場所に/科学的調査と連携による環境保全/コウノトリとの約束を果たす/官民一体・コウノトリ保護の50年/広がる農と環境の学び/放鳥の日のために/コウノトリを育む農法が安心のブランドを生む/目標は「安心を食べること」/行動する子どもたち/地域ぐるみの環境教育/日常にドラマを生んだコウノトリとの共生/「スローシティー」という発想/持続可能な地域づくりを
あとがき
面白かった本まとめ(2009年上半期)
<今日の独り言>
初めて日暮里・舎人(とねり)ライナーに乗りました!5歳の電車好きな息子も大喜びです。しかし、ゆりかもめと同じ仕組みとは知りませんでした^_^;)