ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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「天タマ」第42号(2000年12月5日発行)

2007年08月20日 | 教科通信「天タマ」
「天タマ」第42号(2000年12月5日発行)

         市立看護専門学校 哲学の教科通信

   授業要綱のある授業

──哲学の授業要綱は初めて見た時、いろいろと決まりがあって拘
束された授業になるのではないかと思った。しかし、先生は生徒か
ら意見があると聞いてくれた。「天タマ」を授業までに読んでおく
ことが大変だと言えば、授業の初めに時間を取ってくれたし、カン
ファレンスが欲しいと言えば、カンファレンスの時間を取ってくれ
た。哲学の授業要綱は先生が授業をしていくために必要なものであ
って、生徒をしばるものではなかった。

 テストのない科目ではどんな方法で評価されるのか分からずに授
業を受けていることがある。授業の回数を重ねて、終わり頃の授業
でレポートにするとか、授業中の態度を評価に入れるなどである。
でも哲学の授業要綱には評価について書かれていた。何となく授業
要綱から先生のしていこうとする授業が見えた。

 授業要綱の中には生徒が守らなければいけないことが書かれてい
るが、その中にはプリントとして残すことで先生にも守らなければ
いけないこともある。だから、良い意味で授業が盛り上がっている
と思う。授業要綱に書かれていることを守れば何でもできる感じが
する。人の意見を聞くこと、自分の考えを持つこと、疑問を解決す
るなど、どんどん深めていくことができる授業だった。

──他の授業で「授業要綱」を作っている先生はいないが、授業は
普通に進んでいるし、皆、提出物も期日に間に合うように出せてい
るし、特に困っていることはないと思う。しかし、「授業要綱」が
あれば、先生はどういう気持ちで授業をしていこうと思っているか
、学生はどういう姿勢で授業を受ければいいのかが明確になるので
、いいと思う。しかし、「こうしなければいけない」と分かってい
るだけに、少し堅苦しさを感じることがある。

──授業要綱を決めて授業を行う事は良い事だと思います。~ただ
思った事は、初めの授業で授業要綱を提示する方法です。私はいき
なり提示された事で不快感を覚えました。今はどうしてそのような
要綱になったかを話の中や討論(天タマ)の内容で理解する事が大
分出来てきましたが、何も分からない中で決められた事=規則を出
されても、それは強制としか捉えられません。

 初めての授業の印象はやはり後の事を左右してしまいます。だか
ら私は哲学に対し苦手意識を持っていました。授業の中で自分の意
見が感情的と取られてしまい、伝えたい事が伝わらないという状況
で、この授業には論理的に考え、発言する必要があるという事を学
びました。

 それからは自分でも論理的に文章にしていくように心掛けていま
す。だから授業要綱の提示をもう少し内容のあるものに(説明とい
うか、なぜこのような物になったかを詳しく)した方がよいのでは
ないかと思います。また初めの日に要綱について話し合う機会を設
けてみるのもよいと思います。

──或る先生はSBOというのを授業の最初に配る。それには目標
、内容など書いてあるが、それはすべて教科書の目次通りであり、
プリントする必要はないと思う。それにこの先生は教科書をくまな
く、隅から隅まで読む。

 確かに教科書には私たちに学んでもらいたいことが書いてあるの
だが、でもより分かりやすくするために、事例(体験談)とか言っ
て、本当に何が重要なのかを教えてほしいとよく思う。この時、私
はつくづく思う。「この先生のこの授業要綱は何のためにあるのか
? 生徒をしばるためだけにあるのか? だったら私たち生徒にも
先生の授業に対する授業要綱が書きたい!」と。

──高校の頃など、授業要綱を提示して下さる先生はいなかったが
、それでも、テストと受講態度を踏まえて評価する、と言った先生
がいた。その先生が、私達のことをどういった視点で見ているのか
も分からず、不安だった。

 テストで良い点をとっても評価は低かった。「言いたい事があっ
たら言ってこい」と言われても、自分のどこがいけなかったのか、
先生はどういった視点で捉えたのか分からず、何も言えなかった。


 ★ 立場の違いなどが介入しないように配慮した場を作っておか
ないで、「言いたい事があれば言ってこい」と言うのはごまかしで
す。公正ではありません。

──一番困るのは、授業要綱(シラバス)と実際の授業に食い違い
のあること。以前通っていた短大では「情報処理の授業では実際に
パソコンを使って操作に慣れる」と記してあったのだが、実際は学
内にはパソコンなどなく、講師の講義だけに終わってしまった。

 ★ 某国立大学の独文科の「ドイツ語会話初級」の授業では会話
の練習は全然なくて、易しいテキストを読むだけだそうです。

   校則

──私は、規律があった方が実は楽なのではないかと思う。規律で
「ここまではよく、ここからはいけない」と示してあった方があい
まいさがなくてよいと思う。~しかし、規律にもやりすぎはいけな
いと思う。

 高校の時、スカートの長さのチェックが毎日のように行われてい
たが、ある日、体育館で女子を1列に並ばせ、全員ひざまづかせて
、膝まで長さがあるかチェックされた。長さを守らなかった自分達
も悪いのだが、膝まづいてまで見られるのには納得がいかなかった
。規律が守られなかった時の対処の方法も考えておくべきであると
思った。

 ★ これは明らかに人権侵害だったと思います。一般社会でも、
犯罪捜査のためでも何をしてもいいとは考えられていません。

──私の高校は女子校であり、すごく校則がうるさかった。月に
1・2回、学年で服装検査をし、頭髪、スカート丈、化粧、ピアス
など、頭の先から爪の先まで教師に見られた。私はすごく嫌だった。
ここまでしなければ、皆、校則を守れないのだろうかと疑問だっ
た。

 校則は校内だけでなく校外にまで及んでいた。街中の高校だった
ため、生徒がデパートに寄り道して帰らないように、又校外でもき
ちんと制服を着ているかチェックするために、先生が街中をウロウ
ロしていた。

 規律は個人のためにあるのではなく、学校、社会などの組織のた
めにあるものなんだと感じた。

──規律は学校でも社会でも存在しているものであり、人が集団と
して生きている以上必要なものだと思います。しかし、どこまで規
律を守るべきなのかということには疑問があります。

 憲法で国民の自由を定めているのに、学校などの集団では制限さ
れているようなことがあります。憲法で自由が定められていても、
学校などの社会ではそれなりに守るべき規律があり、その集団に入
るのなら従わざるをえないように思います。

 しかし、規律にも納得のできないものもあったりしますが、その
規律を守る理由を提示してほしいように思います。その規律を定め
た人の、守るべき理由を理解した上で、理論的に正しいと納得でき
れば素直に守ることもできると思うし、間違っていると思ったら反
論し、話し合ったりする機会を設けることも時には必要に思いま
す。

 最終的に権力者が決めることになっても、不満を持つ人の意見を
聞き入れようとする姿勢が必要だと思います。

   医師の字が読みにくい

──医師の字が読みにくいのにそれを言えないのは、暗黙の規律が
あるからだと思う。私も実習中、医師の字が読みにくく、看護婦さ
んなどに何度か聞いた覚えがある。医師がいれば直接聞こうと思う
のだが、「怖い」という気持ちと「聞きづらい」という思いばかり
が先走り、なかなか聞けなかった。

 学生という身分ということもあると思うが、何より医師に自分の
意見や質問をするのに抵抗を感じる。これは医師は偉く、看護婦が
医師に意見を言うことは適切でない、言えば自分の立場が悪くなっ
てしまうという暗黙の規律があると思う。

 ★ 「仕事上の議論では全員平等」という原則(規律)が確立し
ていないからだと思います。看護婦会で提案して変えていくべきだ
と思います。個人を責めないでシステムの問題として提案すれば解
決できると思いますが。

   その他

──私は燕岳(つばくろだけ)と白馬岳に登ったことがある。登る
時はものすごく大変で、きつくて辛かったけど、登った後は気持ち
のすがすがしさと、素晴らしい自然の眺めがあり、感動した。山の
上でしか見られない花のお花畑がとても可愛かった。ライチョウの
親子を見ることもできた。

 雲より上にいる自分というのがものすごく不思議だった。360 度
、アルプス連峰の山々が連なっていて、ものすごい大きさを感じた
。~私が今、登りたい山は槍ヶ岳である。燕岳に登った時に見て以
来、妙に魅かれる所があるからである。

──先週書いたZAZAシティの結果を報告したいと思います。確かに
、先生がコメントに書いてくれたように、コンセプトがないという
ことが分かるようなものでした。全く驚くものもなく、ただ広い立
派な建物に安い服などがあるだけでした。もっと、この街にないも
のや若者に向けているなら若者が好きそうなものの店を入れてほし
かったです。

 どの年代をターゲットにしているのか全体的に分かりませんでし
た。ただ安いだけでは、私はあまり良いとは思いません。でも、映
画館は映像や音や空間が良くて気に入りました。

 ★ 私も29日に寄る機会がありました。初めてユニクロに入って
みました。トイザラスで値段が、例えば1999円という風になってい
るのが可笑しかったです。日本のスーパーでは普通は1980円という
値付けをするのに。ドイツでも19.99 マルクとかの値段が多いです
。日本人は1999円では2000円より安いと「感じ」ないのです。欧米
人は1999円でも2000円より安いと「考える」ようです。

 ★ 5日は校則を考えることにしました。学生生活の最後にきち
んとした理解を持っておいた方がいいと思ったからです。

 まず、生徒の「悪い事」を分類してみると次のようになると思い
ます。

A・本人の人生をだめにする事
 A-1 法律で禁止されている事(飲酒、喫煙、麻薬、売春等)
 A-2 学校が規制している事(服装、頭髪、ゲーセン等)
B・他人の人権を侵害する言動(犯罪)
C・成績不良

 問題は、日本の多くの学校ではなぜA-2が厳しいのかという「
理由」です。これも親と話してみる必要があると思います。親は結
構、支持しているのです。


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