ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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ペルー人学校への寄付に思う

2005年06月15日 | ハ行
浜松市は日系2世のブラジル人やペルー人の一番多い町です。日系ブラジル人の子どもたちのための学校(ポルトガル語系)は3校あると聞いています。2年ほど前に日本人女性(松本雅美さん)の努力で日系ペルー人(スペイン語系)のための学校が作られました。ムンド・デ・アレグリアです。

例によって財政難で経営は困難でした。授業料は当初4万6千円でしたが、昨年9月からは3万円になりました。それでも授業料が払えなくて辞めていく生徒が後を絶たないそうです。

昨年、静岡県が各種学校と認めるための条件を緩和しました。借家でもよいとかです。そのため平成17年度予算で浜松市は補助金を出せるようになり、予算を組みました。たった 145万円ですが。

そして、この3月23日、地元の企業のスズキとかホンダとか約50社が約2千万円の寄付を申し出ました。このため今月からは小学生1万5千円、中学生・高校生2万円に引き下げたそう
です。

この際、この件で考えていた事をまとめておきたいと思いますが、前提として、この校長の話(TVで聞いた話)をお伝えします。

この学校は授業料が3万円で生徒が50人いれば一応経営的に成り立つとのことでした。基本的には月 150万円で成り立つということです。年間約1800万円です。もちろん生徒が増えれば
経費も増えますが、その時は授業料収入も増えるわけですから、50人以上なら大丈夫なわけです。

さて、私がまず第1に問題にしたい事は、浜松市の予算がたったの 145万円でいいのかということです。これを聞いたとき、とてもがっかりしました。

今多くのく自治体で職員の互助組合への補助金という名の第2給与が問題になっています。特に大阪市はそれがこれまで1人当たり11万円(総額65億円)だったそうで大問題になってい
ます。

では浜松市はいくらでしょうか。1人当たり2万9千円です。一般職員は3828人ですから、総額で1億1千万円余りです。

ヤミ給与にこれだけ出すのにペルー人学校にはたった 145万円。言うべき言葉を知りません。これに黙っている職員も職員です。

第2におかしいと思うことは、浜松市の教員ないし教員組合の動きが伝わってこないことです。教育委員会に問い合わせたところ、浜松市の小学校の校長と教頭はそれぞれ64名、教諭は
1318名です。中学校については校長が32名、教頭が34名、教諭が 739名です。つまり教諭だけでも2057名、管理職を入れれば2251名です。

もしこの人たちが1ヵ月に1人千円を出したとしたら、 200万円余りになるのです。ペルー人学校についても自分たちの力で義務教育無償の原則を実現できるのです。

学校教員は人材確保法とかで普通の公務員より5パーセント増の給与を取っているはずです。1ヵ月千円は問題にならない額のはずです。後はその見識があるかないかだけだと思います。

わが町もこの7月1日に浜松市と合併されます。つまり私も浜松市の市民になるわけです。つまりこういう市長の下でこういう教師たちと一緒に生きていかなければならないのです。

 生きることは苦しみであるとのお釈迦様の言葉を噛みしめています。
(2005年03月28日発行)