安倍晋三の愛媛県新文書記載加計孝太郎との面談否定は、誰もが気づくウソにウソを重ねるウソの上塗り

2018-05-23 10:18:18 | 政治
 安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定

「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき

 2018年5月21日、中村時広愛媛県知事が愛媛県や今治市職員、加計学園関係者と当時の首相秘書官柳瀬唯夫との首相官邸面会に関連する新たなメモや文書を参議院の要請に基づいて提出した。

 その1通、2015年3月の「報告」には、〈2/25に 理事長が首相と面談(15分程度)。理事長から、獣医師養成系大学空白地帯の四国の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは「そういう新しい獣医学大学の考えはいいね。」とのこコメントあり。

また、柳瀬首相秘書官から、改めて資料を提出するよう指示があったので、早急に資料を調整し、提出する予定。〉との文言がある。

 安倍晋三はこれまで今治市の戦略特区に新設の獣医学部の事業主体が加計学園であることを知ったのは「最終的には本年(2017年)1月に事業者の公募を行い、加計学位園から応募があったわけであります。その後の分科会でのオープンの議論を経て、(2017年)1月20日に諮問会議で認定することになりますが、その際私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります」と、知った経緯をそのように答弁、「それまで知らなかった」、「実際に彼が獣医学部をつくりたいという話を聞いたことは実際ないわけであります」、あるいは「「理事長から頼まれたことはないし、(関係省庁へ)働き掛けていない」等々と認識していなかったことの常套句としてきた。

 もし愛媛県新文書の文言が事実であるとすると、安倍晋三は虚偽答弁を繰返してきたことになる。虚偽答弁=政治関与の隠蔽を意味する

 但し安倍晋三は翌5月22日に記者団に対して上記15分程度の面談を否定。面談が事実でなければ勿論のことだが、事実だとしても、否定以外に選択肢はない。否定の根拠の正当性を以下の記事から見てみる。文飾は当方。

 「安倍晋三首相ぶら下がり全文」産経ニュース/2018.5.22 08:59)

 記者「愛媛県が国会に提出した文書に関してお伺いします。総理は平成27年2月25日に、加計学園の理事長と面会をされましたでしょうか。また、その際に獣医学部の設置計画について、『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』というふうにお話はされましたでしょうか」

 安倍晋三念のために昨日、官邸の記録を調べたところでございますが、確認できませんでした。

 加計孝太郎氏とはですね、獣医学部申請について今まで国会等でお話をさせていただいてきたように、そういうことがらについてですね、加計孝太郎から話をされたこともございませんし、私から話をしたこともございません」

 記者「総理、野党は加計理事長の国会招致を求めていますが、どうお考えでしょうか。真相解明にはどう取り組むお考えでしょうか」

 (首相は無言で立ち去る)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案審議入り5月22日午後の衆院本会議でも立憲民主党の阿部知子から15分程度の面談を問われて、上記ぶら下がりと同じような答弁を行っていることを昨夜のNHKニュースで知り、「衆議院インターネット審議中継」から動画をダウンロードして、関係箇所のみを文字に起こしてみた。

 安倍晋三念のため入邸記録を調査しましたが、加計理事長が官邸を来訪した記録は確認できませんでした。

 加計理事長とはこれまで何度もお会いしていますが、獣医学部の新設について話したことはありません」

 廃棄することになっていて存在するはずもない「入邸記録」を確認した。廃棄して影も形もなくなって3年も経過している。どう確認したというのだろうか。国会審議等に興味を持っていて、それらの情報に目を通している人間なら誰でも気づくこれ以上のイカサマはない。

  2018年5月18日付「NHK NEWS WEB」記事が政府は5月18日の閣議で柳瀬元総理大臣秘書官が総理大臣官邸で愛媛県関係者と面会した記録は残っていないとして、確認は困難だとする答弁書を決定したと伝えている。

 答弁書「総理大臣官邸への入邸に当たっては、訪問予定者に対し、訪問先への訪問予約届の事前提出を求め、入邸時にこれに記載されている内容と訪問予定者の身分証明書を照合し、本人確認を行っている。

 訪問予約届は訪問予定者の入邸確認後、その使用目的を終えることに加え、これをすべて保存すれば個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要が生じることもあり、遅滞なく廃棄する取り扱いとしている」

 ここでは「訪問予約届」となっているが、「入邸記録」という名称が存在する以上、その形式も存在することになって、訪問予約者が官邸に入廷した時点で「訪問予約届」の内容は「入邸記録」に転載されるか、「訪問予約届」がそのまま「入邸記録」となるか、あるいは「入邸記録」の代わりになるということでなければならない。

 「訪問予約届」だけを廃棄して、「入邸記録」は残っている、あるいは「訪問予約届」を廃棄したら、「入邸記録」まで廃棄したことにならなければ、政府答弁書そのものが矛盾した内容を記していることになる。

 安倍晋三は5月18日のこの閣議決定の時点で、「入邸記録」は使用目的終了後速やかに廃棄される運命にあることを弁えていなければならなかった。

 だが、4日後の5月22日にぶら下がり記者会見と午後の衆院本会議で存在しないはずの「入邸記録」を調査したが、官邸来訪の記録は確認できなかったと、そのことを加計孝太郎と会っていないことを信じ込ませる傍証に利用している。

 官房長官の菅義偉自身も5月22日午前の記者会見で安倍晋三と加計孝太郎の面談に関して「入邸記録」の廃棄を根拠に間接的に面会を否定している。
 
 「朝日デジタル」(2018年5月22日11時03分)

 菅義偉「入邸記録は業務終了後速やかに廃棄される取り扱いとなっており、残っているか調査を行ったが、確認できなかった。残っていなかった」

 記者「首相の記憶としても面会していないと確認しているのか」

 「それは確認している」

 本人の「記憶」についての証言は疑惑当事者の言うことで、証言足り得ない。証言足り得ないないから、存在しないはずの「入邸記録」まで持ち出して、面会していないことを信じ込ませる傍証にしようとしているはずだ。

 記事は菅義偉が〈面会記録やスケジュール表も「ない」とした。〉と補足している。

 安倍晋三自身も「入邸記録」の廃棄の決まりを国会答弁している。

 2017年7月24日衆議院予算委員会

 玉木雄一郎「2015年の4月2日、今治市の担当課長さん、課長補佐さん、官邸に来て話をした、会った。会っていますよね。先程お願いしたので、記録、その彼らの入館記録とともに御説明いただけますか」

 柳瀬唯夫「秘書官時代に自分の面談記録とか誰に会ったとかという記録は特にとってございませんでした。手帳も含めて、そういう、どなたにお会いしたとかというのは、一切、全く書いたことはございません。

 官邸の入館記録は私分かりませんので、今の内閣の方に聞いて頂かないと、私がお答えするのはちょっと場所が違うのかなと思います」

 安倍晋三「最初の、基本方針についても……(玉木委員「それはいいです、官邸の記録を」と呼ぶ)それはよろしいですか。

 今治市職員の方が誰と面会したかについては、既に萩生田副長官が国会で答弁しているとおり、記録が保存されておらず確認できなかったと承知をしております」

 2018年4月25日参院予算委員会

 片山大介(日本維新の会)「審議の中で総理は、(愛媛県や今治市の職員、加計関係者が)官邸に来たのかどうかもう一度調べてみるというふうにおっしゃっていた。その結果どうなったのか、どのような調査をしたのかも含めて教えていただきたいんですが」

 安倍晋三「官邸の入邸記録については、使用目的終了後、遅滞なく廃棄する取扱いとされており、昨年6月、当時の萩生田副長官が答弁したとおり、2015年4月2日の今治市の官邸訪問については確認できなかったところであります」

 安倍晋三が「昨年6月、当時の萩生田副長官が答弁したとおり」と言っていることは、ネットで調べたところ、2017年6月13日参院農林水産委員会と判明した。

 森ゆうこ(自由党)「萩生田官房副長官、平成27年4月2日、今治市課長、そして課長補佐、官邸を訪れたということが事実だということは既に分かっております。なぜ、その事実、官邸では確認できないんでしょうか」

 萩生田光「前回もお答えしましたが、総理大臣官邸の入邸につきましては、通行証を貸与し、厳格に管理を行っております。通行証の貸与に当たり、訪問予定者に対し、訪問先への訪問予約届の事前提出を求め、入邸時にこれに記載されている内容と訪問予定者の身分証を照合し、本人確認を行っています。

 このため、訪問者の入邸確認後、訪問予約届はその使用目的を終えることから、公文書管理法や関係規則等に基づき遅滞なく破棄する扱いとしているところであり、適切に取り扱っているものと承知をしております」

 森ゆうこ「別途記録あると思いますけれど、ないんですか」

 萩生田光「ございません」

 訪問予約届の廃棄は、勿論、「入邸記録」の廃棄までを意味するか、「入邸記録」の廃棄に繋がらなければならない。

 安倍晋三とその一派は2015年4月2日の愛媛県や今治市の職員、加計学園関係者の首相官邸訪問を「入邸記録」の廃棄、あるいは訪問予約届の廃棄を訪問の事実関係を曖昧にする根拠として散々に利用してきた。

 あるいは訪問を確認できないことを以って訪問の事実関係はないと見せかけるすり替えに散々利用してきた。

 森友問題でも、同じ手を利用している。ところが、加計問題ではここに来てその利用が藪蛇となりかねない状況を安倍晋三自らが招き寄せた。

 安倍晋三が首相官邸の職員に使用目的終了後速やかに廃棄すると言い立ててきた3年前になる2015年2月25日の「入邸記録」を調べさせて、加計学園理事長加計孝太郎の官邸来訪の有無を確認させたとしたら、一遍のコメディーである。

 安倍晋三は野党からこの点を突かれたら、どう言い繕うのだろうか。見ものではあるが、どう言い繕うと、廃棄したとしてきた「入邸記録」を持ち出して確認すること自体が既に誰もが気づくウソそのものであって、ウソにウソを重ねるウソの上塗りとなるのは目に見えている。

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