奨学金滞納者を日本の官僚に採用しよう

2009-10-27 03:29:16 | Weblog

 2009年10月24日の「asahi.com」記事――《転居先不明で奨学金132億円未回収 検査院「努力を」》

 会計検査院の調査で明らかになった実態だが、箇条書きに要約すると――

1.独立行政法人の日本学生支援機構(旧日本育英会)が扱う奨学金の滞納増加はこれまで不況
  による低所得や失業などが背景にあるとされてきたが、約132億円分の未回収は滞納者の
  転居先を把握していない機構の「努力不足」が一因。

2.奨学生は、「返還誓約書」に住所や電話番号などを書いて機構に提出し、最後に奨学金を受
  けた月の7カ月後から口座振替の形で返済する取り決めとなっているが、卒業後、就職を機
  に転居する奨学生が多く、その後も転勤に伴う転居に備えて機構は転居届の提出を求めてい
  るが、出されないケースに機構は機敏に対応していない。

3.機構が貸し倒れの危険がある「リスク管理債権」とする3カ月以上の滞納約21万4千件、
  約2253億円分(07年度末現在)のうち件数・金額ともに6%前後の約1万3千件、約
  132億8千万円分が転居先が不明で、口座振替の案内書などが「あて先不明」として返送
  されている。

4.1年以上の滞納について機構が07年度末段階で債権回収会社に委託した8231件の6割に
  当たる5121件が電話で連絡が取れていない状況にある。

5.07年3月に卒業した奨学生だけを見ても、機構が5カ月後に送った「返済開始のお知ら
  せ」の1464件があて先不明として返送されている。

6.これらの事情から滞納額が約2253億円に上った要因は機構が連絡先を確実に把握できてい
  ないことにある。

7.検査の過程で、失業や病気療養などで返済猶予の対象となる卒業生が多数判明。連絡を取
  って返済猶予の手続きをするように指導すれば滞納残高の減少につながるが、住所を把握し
  ていなかったことで、こうした手続きも取られていなかった。

 会計検査院の調査に対する機構の言い訳。

 「検査院の指摘は真摯(しんし)に受け止める。自治体に照会するなど転居先把握に努めているが、費用や時間がかかるのも実情だ」――

 「費用や時間がかかるのも実情だ」からと言って、滞納額の約2253億円を放置していい理由にはならない。「時間」をカネ換算して「費用」に足して2253億円を上回ることになったとしても、せっせと貸して約2253億をドブに捨てることをしていることになる。
 
 記事から窺うことができるのは第一に機構の怠慢である。債権回収会社任せ、自治体任せで、自分たちはノホホンとしている横着な姿しか見えない。

 第二に、奨学生は機構と「返還誓約書」を交わしているはずである。例え就職を機に転居することはあっても、あるいは転勤や再就職によって転居を繰返すことがあっても、転居のたびに転居先の住所を自己申告する義務を負うはずだが、3カ月以上の滞納約21万4千件のうち1万3千件の奨学生と、1年以上の滞納8231件のうち5121件の奨学生がその義務が果たしていない。

 借りた奨学金は返済する性格のものだと分かっていて利用しているのだから、義務の未履行は意図的な返済逃れであろう。いわば踏み倒しに当たる。例え生活苦から返したくても返せない状況に追い込まれていたとしても、返済猶予の手続きをして、少しずつでも返済していくのが最低限の履行すべき義務のはずだが、それさえも果たしていない。

 だが、転居先不明の未返済者以外の残る3カ月以上の滞納約20万件、1年以上滞納の未連絡以外の残る約3千件はどんな理由で返済に応じていないのだろうか。すべて返済猶予の手続きを取っている“残り”に当たるのだろうか。

 それとも口座は設けているものの、入金ゼロとなっていて、あるいは意図的に入金ゼロにして、引き落とせない状態に放置しているということなのだろうか。

 いずれにしても転居の自己申告という最低限の義務を果たすことができない元学生、あるいはこういった元学生と重なるに違いない意図的返済逃れの元学生の金銭感覚のルーズな点は日本の官僚の国民の税金を原資とした国家予算を裏ガネづくりや随意契約、あるいは天下りを活用して一身上の利益に用立てる金銭感覚のルーズさと相互に近親関係にある資質のように思える。

 奨学金返済に関わる最低限の義務さえもを果たさない元学生を日本の官僚に採用したなら、両者は必ずや協力し合って各種ムダ遣いに才能を発揮してますます国家予算を増やし、赤字国債の着膨れで日本を暖かく包み込むことに役立つのではないだろうか。

 その実現のためにはムダ遣い根絶を掲げた民主党政権では期待不可能で、ムダ遣いを垂れ流してきた自民党に政権復帰を願うしかない。谷垣禎一総裁の自民党に一刻も早い党再生を!?!?!?!?――

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