いよいよあと一週間で、衆議院選挙の結末を迎えることになったが、連日の党首出演で、各党の主張が繰り返されている。
決まって出る質問がマニフェストはともかく、この国をどんな国にしたいのかと言う長期ビジョンの問いかけである。
一般市民にも同じようなインタビューがされていたが、もし私に聞かれたら何と答えようかと考えてみた。
以前ならともかく、今の状況でこの質問にきちんと答える自信が私にはないし、皆同じような気持ちではないかと思う。
国のことよりまず自分がこの先どう生きるか、それが果たして出来る事なのかどうかさえはっきりしない中での、長期ビジョンはむなしく感じる気がして仕方がない。
ところで最近、又まちづくりの話を幾つか伺う機会があった。
以前は情熱を燃やして取り組んだテーマであったが、この所色々考える事があって遠ざかっていた。
国づくりと同じようにまちづくりのテーマも産業振興、雇用促進、地域活性化を基本とするのだが、このところ若干の変化があるように感じている。
今脚光を浴びる地方分権であるが、分権化されてもなお自らの産業振興の努力を通じてまちづくりを行う姿勢を今から持たなければならないと思う。
それはこれからの地域のブランドを、どう造り育てるかではないだろうか。
ここで言うブランドとは必ずしも経済的な財だけでなく、文化的な財でもあるところがこれからのポイントではないかと思う。
単に造ったものを売る、また食べさせるという直接的なサービス以外に、地域遺産の発掘、地域の人材や組織の発掘などの努力や交流を通じて、より多くの他の地域の人を呼び寄せる事。
そんな間接的な努力がこれからの地域ブランドを作り上げ、多くの人が訪れて活性化する町になるような気がして仕方がない。
過去の私のまちづくり参加を反省して思うのは、経済振興を目指すときの文化との協同について若干認識不足だったと思う。
写真はアメリカペブルビーチで行われた”コンクールデレガンス”でグランプリを獲得した”デューセンバーグSJスペシャル”である。
現在低迷するアメリカ自動車業界であるが、こんな文化遺産をもつ国の自動車産業は遠からず回復するに違いないと思う。
これからまちづくりにおいて、幾つかの新しい試みを通じ、文化的行為が経済振興に力があることを実証できれば、こんなに心強いことはないが少し時間をかけて取り組むテーマではないかと思っている。