連休もアッという間に過ぎて、今日は終わりの日となった。
昨晩は競馬の凱旋門賞が日本でも実況中継され、日本の三冠馬オルフェーブルが勝つかもしれないとのことで、期待して見ることになった。
6年前、やはり日本の三冠馬ディープインパクトがこれに挑戦したが、3着と敗れ乗り越える壁の高さを痛感させられたものだが、今回もまた最後のラストスパートで、地元フランスの牝馬ソレミアに敗れ悲願の達成とはならなかった。
私は、6年前のディープインパクトも実況中継を見て、ぶっつけ本番で勝てるほど国際試合は簡単なものではないことをこのブログにも記したが、今回オルフェーブルは前走のレースを使いそして外国の騎手を起用して臨んだが優勝は難しかった。
結局何かが足りないのだと思う。
馬に聞いてもわからないだろうが、物理的なこと以外にやはり歴史の襞というか,ヨーロッパの持つ襞に人馬とも慣れることが必要ではないかと思う。
入賞ではなく優勝を目指すなら最低でもレース前半年、欲を言えば1年をヨーロッパで過ごすことではないかと思う。
この連休に経済評論家、長谷川慶太郎氏の”2013年大局を読む”を通読。
その中で氏はこのところ世界を震撼させたユーロ危機についての所感を簡潔に述べている。
ギリシャのEU脱退やその解体について、多くの識者がその危機を声高に吹聴するのを一蹴し、EUやユーロの成立した歴史的経緯から、しばらく不安定さはあるものの、解体はありえず、ドイツの果たす役割の力強さについて最新状況を踏まえて述べている。
経済的なつながりのユーロで偶々不協和音は発しても、EUの絆自体は決して壊れないと主張するところにヨーロッパの持つ長い歴史の襞を知った人間の主張の強さを実感する思いである。
氏が国際経済について特殊な情報ルートを持っているかどうか知らない。しかし様々な事実から一つの推論を導いていく筋立ては見事なものだと思う。
この連休に日系ドイツ人のピアニスト アリス=紗良オット(写真左)の演奏CDを聞いて、久しぶりにドイツを意識した。
彼女はミュンヘンで育ち、3歳でピアノを始め数々のコンクールで優勝をして、今スターダムにあるが、演奏や雰囲気に私の中のヨーロッパを刺激してくれた思いがある。
特にショパンのピアノ小品について独特の感性を伝えてくれる。
日頃は忙しく仕事をしていると、全く意識しない事どもを、この連休は思い出させてくれた。
しばらく遠ざかっているヨーロッパのことなど、古い感傷も含めて脳裏をかすめ、しばし心地良い思い出に浸ってみた。