ガソリン価格の高騰で中々話題にしにくくなったスポーツカーの世界で、最近従来のリアル・スポーツに対して、マイルド・スポーツと言う言葉が使われている。
日常的な道路環境で、そこそこのスポーツ感を味わう意味での車と言う事らしいが、今まではライト・ウエイト・スポーツと言ってきた。
フェルディナンド・ポルシェ博士は、小型の高性能車を造りたくてダイムラー社を退職し、自分の設計事務所を作ったそうだが、1948年最初に世に問うた名車ポルシェ356は1300ccの今で言うライト・ウエイト・スポーツカーであった。
この356は今でも健在で、先週久し振りに西麻布方面へ出かけた時日赤通りで、特徴のあるエンジン音を響かせ走っているのを見かけた。
日本のライト・ウエイト・スポーツの代表は今は製造中止されたトヨタMR2だと思う。日本最初のツー・シーター ミッドシップ・エンジンは、本格的な大衆スポーツカー時代が来るかと思われたが少し先取りしすぎたか2代目で姿を消してしまった。
しかし運転してみると、軽くてハンドルの切れが抜群のミッドシップ・カーは日本の高速道路を走るには最適であった。
ロータスセブン ロータス・エラン ロータス・エリーゼ
ライト・ウエイト・スポーツの本場はやはり英国で一時期のロータス社が出していた、スーパーセブン、エラン、ヨーロッパなどは、そのキットも簡単でしかも軽く若者でも気軽に購入でき、モーター・スポーツの普及に一役買ったと思う。エランは日本のグランプリ・レースで一時期のヒーローであった浮谷東次郎の愛車でもあった。
紀宮さまと結婚された黒田さんも、このロータスのエリーゼを所有していると聞いた。
日本のスポーツカーの雄、ホンダが7月22日に待望のライト・ウエイト・ニューモデルのホンダOSMを発表した。
時代を反映してハイブリッド・エンジンでツーシーター・オープンモデルである。
1300ccであるが、ゆうに2000ccクラスの走りが可能と言う。S800、CR-X、ビートと技術を積み重ねたホンダらしい楽しい車になりそうだ。
団塊の世代も退職時代を迎え、様々なライフスタイルの変化が見える中で、いよいよ日本でもツーシーターのライト・ウエイト・スポーツの時代が来るような気がして仕方がない。