ごんぎつねの独り言 ~技術士試験(建設部門:道路、総合技術監理部門)の受験記録・ブログ~

不器用で、愚直で、貧乏くじを引くのが大得意な "ごんぎつね" が本音で綴るブログ。 恐縮です(^^ゞ

建設部門の受験記録

2010年03月01日 | 技術士(二次)
H20年度の技術士(建設部門)の受験記録を過去のエントリーをダイジェストで綴る。
前年度、口頭試験不合格を経験し、リベンジに向け、原因分析、仮説立案、検証を行った本音の記録である。

● 今日からスタート (2008年02月11日)
・今日から、技術士資格の取得を目指した記録を綴っていく。
 内容は基本的に試験勉強の日記。
・長丁場の取り組みになるので、モチベーション(やる気の源泉) を維持することが目的。
・技術士資格の取得に向けて初めて取り組む方に、私の失敗例や非効率な面が反面教師として少しでも役に立てれば幸いだ。
・二次試験を準備不足のまま初めて受験し、奇跡的に口頭試験まで進むことができた。
・今は、合否通知を待つだけである。

● H19年度口頭試験の反省 (2008年03月05日)
・合格発表で示される結果を全て受け入れる。
 不合格の場合、リベンジに向けて進む。
・口頭試験で反省すべきことは、準備不足、努力不足。
 (1) 「聞かれたことに答えるだけ。試験官に素の自分を見てもらえばいいんだ」 と考え、普段力で挑んだ。
  絶対評価ではなく相対評価で合否を判定されると厳しい。
 (2) 技術的体験論文を、筆記合格を知ってからの週末の一部だけを使って作成し、生煮えのまま提出。
  加えて、業務の守秘義務があるため、口頭試験対策研修は一切受講しなかった。
 (3) 業務が超多忙のため、口頭試験のプレゼンの準備は、口頭試験の前日の土曜日の朝から開始した。
  結局、直前の詰め込みで頭が活性化したため寝ることができず、徹夜で口頭試験に挑むことになった。
・口頭試験本番では、試験官からプレゼンの制約を 異常に厳格に適用された。
 これは、掲示板等をみても他には見当たらない とても珍妙なケース。
 また、最後には、私の経歴、経験に関わる興味本位としか思えない質問を受けた。
 そういったものを含め、試験官からの全ての質問に対して、真摯かつ丁寧に問題なく回答したと思う。

● H19年度口頭試験の結果 (2008年03月07日)
・口頭試験の結果は「不合格」。
・建設部門のH18年度、H19年度の合格率の推移等の統計情報を分析。
・準備不足のままでは、筆記試験はパスできるかもしれないが、口頭試験で露呈する。
※この時点までは、自分自身の努力不足を真摯に反省し、自分自身が努力をすればなんとかなると甘く考えていた。

● H19年度口頭試験の成績通知書 (2008年03月08日)
・成績通知を受け、「不合格」の要因を分析。
・成績通知書に示された結果は以下のとおり。
 =================================
 成績:
  (1) 経歴及び応用能力 ・・・・・・・・・・ *
  (2) 体系的専門知識 ・・・・・・・・・・・・ ○
  (3) 技術に対する見識 ・・・・・・・・・・ ○
  (4) 技術者倫理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ○
  (5) 技術士制度の認識その他 ・・・ ○

 結果: 不合格

 注) ○: 合格基準(60%)に達している
     *: 合格基準に達していない
 =================================

・合格基準に達していない評価項目は「経歴及び応用能力」だった。
 技術士として必要な能力の根幹と考えている 「体系的専門知識」、「技術に対する見識」 は合格基準に達していた。
・口頭試験の状況(ブログには書いていないことを含む)も踏まえて総合判断すると、本質的な原因は、業務経験が受験部門において保守本流でないことであると思われる。
 試験官(審判)が、ふさわしいと判断する業務範囲(ストライクゾーン)を狭く設定した時点でアウト。
 試験官の経験、資質等により、そのストライクゾーンの範囲が異なると思われるので、運に左右される要素を内在したまま受験しなければならない。
 業務経験なので、(選択科目を変更しない限り) 努力しても微妙な修正しかできないと気づき、愕然とする。
 不条理な部分もあるが仕方ないと、自分に言い聞かせる。
・その他の原因は以下と分析し、これらは本質的な課題ではないので排除可能と認識。
 (1) 技術士になった場合の抱負を具体的に、現実性を持たせて伝えるべきだった。
 (2) 技術士になりたいという意欲も弱かった。
・H20年度試験までには本質的な課題は解消できないが、もう一回チャレンジしてみることを誓う。

● 口頭試験の成績の傾向 (2008年03月12日)
・APECさんが「技術士受験を応援するページ」の掲示板に掲載された口頭試験不合格の傾向を転載。
・加えて、建設部門の道路、鋼コン、河川砂防の口頭試験合格率の推移(H18→H19)を分析。
 特徴的な結果となっていることを知り、更なる分析をすることにした。

● 建設部門における合格率の分析 (2008年03月15日)
・建設部門の道路、鋼コン、河川砂防のフェーズ別の合格率の推移を分析。
・掲示板等で、最終合格率のバランスをとるために口頭試験合格率を調整しているのではないかという指摘がされていた。
 信じたくはなかったのだが、あながち間違っていないことを知り、愕然とする。
※分析結果を踏まえると、そう考えるのが自然ということ。組織的な操作といった類ではなく、自律的なものであろう。
・これ以上の分析をしても時間の浪費になると判断。
・ボーダー近辺では、運に左右され続けることになることになるため、運の要素を排除するためには、圧倒的な成績をたたき出すしかない。
 しかし、そのためには限りある時間を費やす必要があるが、優先順位はそこまでは高くはない。
※分析結果を踏まえ、自分自身が努力をしてもどうしようもない部分があると認識し、それを前提に取り組むことに変更した。

● H20年度試験の取り組みスタンス (2008年03月19日)
・H20年度試験の取り組みスタンスを宣言。
 ⇒ 限りある人生を楽しみながら、人間力・普段力を養いつつ、可能な範囲で試験を意識した対策を行う。 あとは、いい意味で運次第。

● 二次試験受験申込み(1) (2008年04月23日)
・技術士第二次試験のインターネット申請を完了した。
・業務経歴の項目は同じ。ただ、職務内容の記述を選択科目をよりフォーカスしたものとした。

● 二次試験受験申込み(2) (2008年05月01日)
・人事異動で、受験する建設部門の直接の業務から少し遠ざかることになった。
 新しい業務では情報工学系と総合技術監理系の高度なスキルを求められる。
 情報工学系は技術の進展が速いので、かなりの勉強が必要不可欠。
・建設部門の勉強時間の確保は更に困難になったので、今年度の合格は遥か遠い彼方になったと認識。

● 事情が変わった。 (2008年07月25日)
・上長が社外に転出することになった。
・非公式ながら事前に察知しており、言い訳ではないが、この事前対応のため、筆記試験の対策は進んでいなかった。
 概況としては、必須科目(一般)が中途半端な状態で、選択科目(専門)が手付かずと言った状態。
・上長は業務に関するドキュメントを残しておらず、不在になった途端、業務の連続性が担保できない状態となる。
※上長にドキュメント作成を何度も頼んだが無理だった。
・そのため、筆記試験の準備は中止して、業務・ノウハウの引継ぎに注力することにした。
 時間的な制約があるなかでの、あるべき優先順位をベースとした判断。
・ただ、業務上のトラブルが発生していない限り、這いつくばってでも、筆記試験の会場には足を運ぶつもり。

● 二次試験(筆記)を一応受験 (2008年08月03日)
・筆記試験前日に試験勉強を再開した。
・直前の詰め込みで頭が活性化したため寝ることができず、またも、ほぼ徹夜の状態で試験会場に向かった。
・幸い、額に貼った「熱さまシート」の効果もあったのか、試験の途中で寝てしまうことはなく、回答用紙の枡目だけは埋めてきた。
・準備不足を踏まえると、厳しい結果になるかもしれないと予測。

● 二次試験(筆記)の 合格発表 (2008年10月27日)
・筆記の合格発表があり、合格させていただいた。感謝。
・口頭試験を突破できるのは70~80%程度とみておくのが妥当であろう。
・昨年度と同様、選択科目における保守本流ではないことに変わりがないので、かなり険しい道になると覚悟。

● 二次試験(口頭)の通知 (2008年11月01日)
・通知が届き、試験日がは12月某日と判明。
・既に技術的体験論文が受理されはじめていることを知り、またも、準備不足を痛感。
・私も技術的体験論文を仕上げないと。。。

● 技術的体験論文の作成
昨年度は、守秘義務と時間的な制約があったため、自分ひとりでバタバタと作成して、生煮えのまま提出した。
今回は、守秘義務があることに変わりはないが、勤務先の完全な了解のもと、プロの熟練講師にアドバイスをいただいた。
まず、講師には昨年度の口頭試験で不合格だったことを説明しないまま、昨年度の論文をチェックしていただいた。
二人の講師にチェックしていただいたのだが、一人は「合否のボーダーラインあたり」、もう一人は「合格レベルにある」との評価だった。

それを聞いて「マズイ」と思った。
何故ならば、論文の出来が悪いのならば、不合格の原因がハッキリするし、それを修正すればいいと考えていたからだ。
講師に、不合格になった際の論文であることを正直に伝えて、具体的なアドバイスをいただけるようお願いした。
講師から「口頭試験の本番で、どんなドジをしたのか?」と からかわれつつも、以下のアドバイスをいただいた。
・試験官によっては表現が難解に思える部分があるかも知れないので、改善したほうがよい。
・技術士にふさわしい点を、更に明確に示したほうがよい。
納得できるアドバイスだったので、それを意識して論文を修正した。

悲しいことに、実際の口頭試験ではドジはしていない。
従来型の建設を主体とした公共土木工事にかかわる建設コンサルタントを保守本流とすると、私はそうではないことが不合格の要因だったのだと確信した。
建設コンサルタントの方は資格の有無が生き残りに大きく影響する。
そのため、一部の試験官はそういった受験生の合格を優先するため、相対評価だと不利になる。
その一部の試験官に当たった時点でアウト。

合格を勝ち取るためにはどうすればよいのかを考えた。
試験官は私の「専門とする事項」についての知識がなく、重要性が理解できていないという前提に立って、以下の修正を加えた。
・高度だが理解しづらい部分を、バッサリと切った。
・替わりに、課題・問題点を図表を用いてわかりやすくして、問題解決に至る 論理的思考とプロセスを丁寧に示した。

つまり、技術的難易度のレベルを下げ、わかりやすさに重点を置いたわけだ。
講師からは、バッサリと切った部分が、技術的に高度な部分なので、大変もったいないと言われた。
文字数の制約があるなかでの、昨年度の結果分析を踏まえた自己責任での判断であった。

そのうえで、口頭試験本番で、試験官に以下を説明することにした。
・何故、合格枠が限られている技術士の資格を、保守本流ではない私に与えていただくことが必要なのか。
・そして、私が技術士になった場合に具体的にどのように貢献できるのか。

● 技術的体験論文の作成 (2008年11月09日)
・題材は前年度と同じ。
 前年度の不合格原因と判断したことについて、仮説検証をしたかったので、敢えて同じ題材を選択した。
・技術的体験論文の提出期限がきたので、出来上がりということにした。
・作成方針に従って述べ20時間近く、格闘した。 半分程度はWordの図表の挿入に手こずっていただけ。 (^^ゞ
・当初案は、一部、読みづらい表現があったので、シンプルで わかりやすく手直しした。
 加えて、選択科目の事業に寄与しているんだということを滲ませた。

● 技術的体験論文の提出~受理 (2008年11月10日)
・今朝、技術的体験論文を技術士試験センターに直接持ち込んだ。
・提出すると、形式審査を実施して受理された。 その間、数秒。
・受理完了したことを確認して、ひと安心。

● 口頭試験に向けて (1) (2008年11月13日)
・「技術士受験を応援するページ」の掲示板での道路の口頭試験についてのトピックがあったので、その一部を要約して転載。
・私がおかれた環境に比べると、なんとも羨ましい限りの悩みなのだが、技術的体験論文の作成において苦心したり、口頭試験に向けて漠然と考えていたものと被った。

● 口頭試験に向けて (2) (2008年11月23日)
・口頭試験の対策は、なかなか進まない。
・時間がとれないという制約条件のなかで、どうやって効率的に口頭試験対策を進めるかが課題。
・この一週間で実施した対策は、専門論文の再現(論理展開レベル)とブログの閲覧程度。

● 口頭試験に向けて (3) (2008年11月24日)
・昨年は口頭試験の1週間前のスタートだったので、それよりはずいぶんマシなのだが、周りをを見渡すと、かなりのスロー・スターターになってしまったことを理解。
 初めて受験した昨年とは違って、周りの状況を見渡す余裕ができたと、自分を慰める。
・基本スタンスは、「普段力」 かつ 「自然体」。ありのままの自分をどうぞ見てくださいといった感じ。
・しかし、口頭試験では "プラスα" が必要。それは、保守本流ではないことに対しての対策。
・異質なので、ギリギリのところで、どうにか滑り込まさせていただく感じ。残念ながら、運にも左右されやすい。
・悔いを残さないようにするためには、45分の時間制約があるなかで、試験官に私自身をより正しくご理解いただけるよう努めることが重要。
 何故、合格枠が限られている技術士の資格を、保守本流ではない私に与えていただくことが必要なのか。
 技術士になりたいという意欲、そして、技術士になった場合の具体的な貢献。
 以上を試験官にわかりやすくご説明して、ご納得いただく必要がある。
・「技術士受験を応援するページ」 の二次試験体験記・事例のなかの 「anbenさん(建設、建設環境)」 の体験記 が いたく身にしみた。
 立場・環境は違うものの、その時点においては少数派という点では同じ。
 変革の際には少数派の力も必要ではないかと思うが、所詮、ごまめの歯軋り。
 考え抜いたうえ、目には見えないハードルを突破されたのだろう。
・冷静で客観的な自分がいる。
・超えるべきハードルとして、ここ半年間以上、認識してきたこと。
・戦況は厳しいが、迷うことなく進んでいきたい。
※ 「anbenさん(建設、建設環境)」 の体験記を読んで、口頭試験に向けて、腹が決まった。

● 口頭試験の「合否決定基準」 (2008年11月26日)
・口頭試験(総監を除く)の「合否決定基準」とその配点を常に意識できるように、転載。
※配点の意味が公表されていないが、「試験における重み・時間配分」と勝手に理解。

● 口頭試験前の取り組み
11月27日から口頭試験前日の12月13日までの16日間はブログへの投稿をしなかった。
当時、仕事が半端なく忙しく、最低限の睡眠時間をどうにか確保している状態であり、気力だけで持ちこたえていた。
ブログを書き込むとなんだかホッとしてしまい、倒れてしまいそうな気がしたためである。

体調不良による口頭試験の不戦敗だけは何としても避けたかった。
体と気力が十分ならば、素のままで勝負すればいいと、割り切った。

口頭試験の対策は試験前日の土曜日を除いて殆どできなかった。
なんとか実施したのは、「技術士受験を応援するページ」の SUKIYAKI塾口頭試験セミナー資料と講義ビデオの閲覧。
超絶品。目から鱗。オマケに無料ときた。
もっと早く、この情報を知ることができていれば、、、

昨年度の口頭試験では、大きなハンデを背負っていたんだと理解した。
今になって振り返ると、昨年度の口頭試験本番が模擬面接のようなものだった。
技術士の口頭試験は独特だと思う。
正しい評価を受けるには、それなりの "お作法" を理解しておく必要がある。

● 口頭試験を受験 (2008年12月14日)
・口頭試験(建設部門)を受けてきた。
・プレゼンはぶっつけ本番。
 まぁ、いつものことなので、細かいことはどうでもいいと自分自身に言い聞かせる。
・試験官は昨年とは違う方々。
 非常に気を使っていただき、終始、穏やかで和やかな雰囲気で進み、会話を楽しむことができた。
・昨年度とは全く違う。
 この違いは、何なんだろうか? 運?
 結果も違うものとなるといいのだが、、、
・後は、天命を待つのみ。
 しばらくの間は、私にとっての優先順位1位の「家族・自分の健康や人生の充実」にもう少し時間をあてていく。

● 合否通知の直前の率直な思い
「人事を尽くして天命を待つ」といった状態には程遠い。
いやはや、お粗末な限りだ。
しかし、優先順位を踏まえると、環境が変わらない限り、人事を尽くしたと言える状態にするのは難しいようにも思える。

昨年度、合格基準に達しなかった「経歴・応用能力」については、私なりの仮説に従って取り組んできた。
それが検証できるので、どうなるのか興味がある。
ただ、これについては、選択科目を変えない限り、運次第の部分が残っている。

一方、合格基準に達していた「体系的専門知識」については、準備不足により、パフォーマンスは昨年度を下回った。
合格基準(60%)の設定次第といえるが、クリアできないかも知れない。
ただ、その場合は、原因は単なる準備不足と断定できるので、改善は容易だ。
残りの、「技術に対する見識」 「技術者倫理」 「技術士制度」 は、昨年度と同等のパフォーマンスができたように思う。

示される "結果" は、「運命」として全てを受け入れよう。

● H20年度 口頭試験の結果 (2009年03月06日)
H20年度 口頭試験の結果は、『合格』。
前年度の不合格原因に本音で迫り、仮説を検証するという公開でのリベンジだった。
精神的に相当きつかった。
応援していただいた方々に感謝。


お詫び:
なお、口頭試験での不合格を経験されていない方や保守本流の方は、何故 そんなに苦悩したのか理解できないかも知れません。
それどころか、共感できないだけでなく、不快にすら感じるのかも知れませんが、ご容赦いただけると幸いです。

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