えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

最終公判を前に

2010-11-26 | 日記
ドキュメンタリー映画を回を重ねてみたせいだろうか・・・?
夫たちの映像とともに、私自身の12年をどうしても重ねて考えてしまう。

仮意釈放で社会に戻ってきたばかりの夫たちの姿を、私は映像で初めて知った。
そこには、私の知らない夫の姿があり、少なからず私も他の観客と同様の衝撃を受けている。
でも、それは逆に夫のことをもっと深く理解できたということでプラスに考えたいと思う。
 

私が夫と出会ったのは、夫が
「2度目の正月を迎えました!」と挨拶する1998年の救援会の新年会の席上。
社会に帰って1年4ヶ月目の夫だった。


「もっとこの人のことを知りたい」と思った。
えん罪と言うとてつもなく重い荷を背負っているにも拘らず、
「生きている喜び」に満ち溢れて見えたのだ。


・・・・・・

生きる姿勢も、物事の考え方も私には新鮮だった。

やがて、この人のように
「輝いて生きて行きたい」
「もう少し、この人の近くで生きて行きたい」と思うようになった。


だから

  この人に必要とされる人間になりたい・・・   そう、思った。


そして歩んできた12年・・・。
私の存在は、少しは役に立てたかな・・・
映像が進むにつれて、夫の表情がどんどん変わっていく。
自信と確信が満ち溢れ、そして、長い闘いが報われてきた安堵感の穏やかな表情・・・。
私も、夫の43年という闘いのほんの一時ではあるけれど、でも、一緒に歩んで来れて本当によかったとおもっている。

まだまだ再審の真っ只中なのになぜこんな気持ちになったのだろう・・・
いよいよ12月10日、結審の日を迎える。
最終陳述のためにパソコンに向かっている夫の姿に、
「思いのまま語っていいよ」と心の中で語りかけた・・・。