えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

「ムキキュウケイ」?

2010-11-15 | 日記
「どういうこと?
  わかんな~い!」

公判が終わって、弁護団と夫たちの記者会見が行われている会場にいた私に、友人からそんなメールが入った。

 おそらくNHKのニュースを見たんだろうな・・・
 きっと心配してくれているんだな…

メールの返信だけでは、説明しきれないと思って、自宅に戻ってから友人に電話した。
予想通り、
「間違いなく無罪判決だよと聞いていたのに「ムキキュウケイ」ってどういうこと?」
と、娘が聞いてきて、自分はニュースを見ていなかったのでよく分からなくて説明できなかったとのこと。

「無期限で裁判が休みになっちゃうのかって・・・」


はいっ???
えっ?!!!

そうだよねー。
裁判の流れがわからないと、「論告求刑」というのも解りずらいよね。

 友人一家は家族全員で署名に取り組んでくれ、地域、職場、サークル、同級生などに働きかけ、家族だけで1500筆以上署名を集めてくれた。
夫たちが無実であることを信じて、「無罪判決」を勝ち取ることをみんなで願い続けているのだ。

論告は想定内のこと。
心配いらない。
来月、弁護団と当事者の最終弁論でしっかりと反証する。
裁判長が公正に判断してくれるなら、検察官か弁護団、当事者、必ずどちらが道理にかなっているか解ってくれるはず。

友人にそう説明した。

それにしても、
新聞報道でも、1面トップで「再び無期求刑」なんて大見出しで書かれてしまうと、
本当に心配をかけてしまうよね。

「ムキキュウケイ」・・・

音声だけ聞いたら、そんな考えになった娘さんの心配も止むを得ないけど、でも・・・

  わらえる! ね。



有罪論告をした検察官へ

2010-11-14 | 日記
お聞きします

 あなた方は
 本当に
 夫とSさんが
 有罪だと
 確信を持って言えますか?!

 夫とSさんの無実の叫びは
 あなた方に届きませんでしたか?
 「真実は必ず人の心に響くもの」とは
 あなた方の先輩が言った言葉
 夫たちの叫びが伝わらなかったとしたら
 それは
 あなた方に
 「人のこころ」が無いということではありませんか?

 「無実の証拠」を隠し続けてきた
 あなた方の先輩のしたことが
 本当に正しかったと思っているのですか?

 あなた方の考える正義とは
 何ですか?

 無実の者に対し
 43年も
 「強盗殺人犯」として人生を強いてきたこと
 これは
 犯罪ではありませんか?
 それを
 あなた方が
 今回もまたその罪を重ねたのです

 罪を犯した者が罪を償うように
 あなた方にも罪を償う責任を強く感じます
  
 
 

  
 

布川事件の論告求刑

2010-11-13 | 日記
「・・・犯行の態様が、残忍非道を極め、悪質極まりないものであること、被害者には何の落ち度も認められず、本件が惹起した結果は極めて重大であること、本件の社会的影響も極めて大きなものであったこと、加えて、被告人両名には全く改悛の情が認められないことなどからすれば・・・・」


「以上の情状を考慮し、相当法条を摘要の上、被告人両名をいずれも

 無期懲役

 に処するのが相当であると思料する」

法廷内に検察官の声が響いた。

 


70ページに及ぶ検察の論告は、午後1時半の開廷から3時過ぎまで延々と朗読された。
「今更何を言うのだろう」という思いで法廷に入った私は、必死にメモを取りながら聴いた。しかし、次第に読み上げられる検察官のことばが遠のいていく感じを味わっていた。内容なんて何もない。ただ、夫やSさんが真実を述べ、弁護団が全精力を傾けて提出して下さった新証拠を、ひとつひとつ『みとめられない』と読み上げているだけにしか聞こえなかったのだ。たくさんの矛盾点も「可能性がないとはいえない」といいきってしまう。まったく、何の反証もなく・・・。

 これほどまでに見事なストーリーを作り上げ、そこに夫とSさんの名前を組み入れて殺害行為に及ばせる・・・。そのことの恐ろしさが私の脳裏を走った。

 一見、成り立ってしまうかのような内容。しかし、そのストーリー通りに実際やってみたら本当にできるかどうか、

「ご自分でやってみてください?!」

と、大きな声で何度も声に出して言いたくなった。

 もともと「犯人先にありき」で作られたえん罪・布川事件。
夫たちの無実の証拠を隠したまま、43年間も無期懲役刑を背負わせている重大な誤判の責任を反省するどころか、
真実に背を向けたまま、なおも強行突破をしようとしている検察の姿勢が哀れにも見えて来て仕方がなかった。

目の前で行われているのは、現実の裁判。そして、夫とSさんに再度

 無期懲役

言い渡されたのだ。


想定内のことではあったけれど、あまりのひどさに言葉が見つからなかった。
怒りと、悔しさと、虚しさと失望と・・・

夫が長い朗読の終わった検察官に
ゆっくりと大きな拍手を送り、それが廷内に響いた。

皮肉と
怒りを込めた
夫の
精いっぱいの感情表現だった・・・。



でも、
でも、
検察官が何と言おうと、
夫と杉山さんの無実は明らかなこと。
地裁も、高裁も、最高裁までもが
「自白は誘導されたもの」と認定し、再審を決定したのだ。
そして、
たくさんの無実の証拠が
「第1審から提出されていたら、有罪判決に至ったろうか・・・」とも。


裁判官の皆さんに心からお願いしたい。

 真実はどこにあるか
 公正な判断をお願いします、と。

霧の朝

2010-11-12 | 日記
朝から暖かかった。
家を出るときに、普通と変わらないいつもの朝と思って出たのに、
勤務先に近くなるほど霧が濃くなり、ハンドルを握る手に力が入った。
10メートル先が見えない!
そんな不安感があった。

私の通勤距離は9kmぐらいだろうか。
水戸市内のメインストリートを走りぬけ、途中、田んぼの中、林の中?を抜けていく。
その途中がこの写真のようだった。

スピードダウンして、慎重に走ったが、それにしても久々に味わう霧の朝の運転だった。

友の忠告

2010-11-09 | 日記
「心が伝わって来ない」

友より、そんな忠告の手紙が届いた。

 私や夫のことを真剣に考えてくれているからこその忠告であることは、文面からしっかり伝わって来たのだが、正直私の心境は穏やかではなかった。
でも、投函する前に、私自身
「こんなやり方でいいのかな?」とちらっと頭をかすめたが、その心配を自分で深く考えず強行した結果だった。
まさに不安が的中。それも、友を傷つける形で・・・。

 指摘をしてくれたのは、まだ私を信頼してくれているから。
そう思い、返事を書く前に、何度も友の手紙を読み返した。
そして、書き始めたら・・・
素直に
「ごめんなさい。仰る通りです」と書くことができた。

そしたら・・・
自分の傲慢さや、友への無責任な甘えがあったことなどに気付くことができた。

言い訳はよそう、と思った。
ただ、私の今の思いを書き綴った。
便せん5枚にもなって、そして、また投函した。

友に、私の正直な思いは伝わっただろうか・・・?





 




流鏑馬

2010-11-07 | 日記
11月3日、笠間に行った。
目的は、夫と菊祭りと骨董市に行くことだったが、
笠間に入ったとたん、笠間稲荷神社の流鏑馬の行事のある日であることに気付いた。
そういえば、昨年は、流鏑馬が終わって戻る武者行列に出会ったことを思い出した。

馬上から的を射るという流鏑馬なる行事がどういうものか、私は知らなかった。
それは、想像以上に緊迫感があり、スピード感があり、迫力があり、十分楽しませてくれるものだった。
「平和安泰、五穀豊穣」を願い・・・と説明があったが、
古式に則り受け継がれてきたものに、観る者がこんなにも心を逸らせられるのはなぜなんだろう・・・。

 文化の日・・・
 満足できる一日となった。