えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

普通なんだろうけど…

2011-08-23 | 日記
嬉しいことがあった。

夫が、お仏壇にお茶を入れてくれたのだ!

体調を崩していた私は、1日遅れでそれを知り、じゅわ~っとしてしまった。
やっぱり『夫に生まれた心の余裕』なのだろうか?

両親のお位牌は、長い間、夫の姉妹が守ってくれていて、昨年、やっと利根町の夫の家に、そして今回の再審判決前に水戸に迎えることができた。

私は、お茶をあげながら「私の実家では、いつも父(夫)の役割だったんだけどな…」と、それとなく言ってみた。

「それは無理だわ。俺にそんな習慣無いし、あんたに任せるわ」と、即答され、以来、私がやってきた。時々忘れて、二人で苦笑するときもあったりして。

先日、夜半から熱があって朝も起きられずにいたら、先に起きた夫が、
「お茶、飲む?」と、枕元に持ってきてくれた。
「ありがとう」と答え、私は、寝ながら出かける夫を見送った。

あのときのお茶!
そうだった。
夫は、「起きなくていい」と言って、一人で食事を済ませて出掛けていったのだ…。めったに、自分からお茶など煎れることのない人だったのに、自分ばかりではなく、私にも、ちゃんと両親にも…。
と、言うよりお仏壇にあげるお茶が、優先されたように思えるのは何故だろうか…?

普通の人達には、なかなか解って頂けないかもしれないが、夫は
「言われてやる」のが大嫌い。(『指示』への過剰反応)、「関心がない」、「習慣がない」ことは、即答で拒否。
ところが、納得出来れば、コロッと態度も行動も変わって、
そのたびに私は、、一喜一憂を繰り返してきたのだ。
同じように嬉しく思う夫の変化がもうひとつある。

ベランダの、鉢植えの水遣りをやってくれるようになったことだ。

「少し元気になったろう?暑さで大分マイってたんだ」と、帰宅と同時にジョーロを手にする私に、夫が声をかけてくるのだ。

「家にいて、暑い、暑いって自分が水が欲しいと思ったら、ベランダの植物は大丈夫かな?って、思わない?」

「あー、無理!俺には無理!花はまったくわかんないから」

そんなやり取りがあって諦めていただけに、やっぱり嬉しくてならない。
夫の好物のミニトマトが色付きはしめたせいかも知れないが…。

たたかいだけだった生活が、やっと少しずつ「普通」を積み重ねていく幸せを感じ始めている…。