えん罪・布川事件 国賠を求めてたたかう夫の傍で

えん罪を晴らし、普通の一市民に戻った夫。二度と冤罪が繰り返されないようにと、新たな闘いに挑む夫との日々を綴ります・・・。

父の気持ち・・・

2011-08-06 | 日記
「お母さん、おじいちゃんがね、ネコ、飼いたいんだって。貰って来てって」
と、娘が言った。

母が手術目的で入院し、家で一人になってしまった父の元に、今日、泊りがけで娘に行ってもらったのだが、
夫にその話をしたら、

「kaoriが勧めたんじゃないか?」と・・・。

ネコ好きの娘のこと、あり得ることではあるが、父の言うのには

「ばあちゃんがいなくて、寂しくって駄目なんだ。ネコでもいれば、気が紛れるかなって思ったんだ」

 確かに・・・。
父自身、ストーマを着けての生活。それも丸1年、担当看護師が誉めてくれるくらい、自己管理で母の手を煩わすことなくきちんとやれて来た。
でも、手術で取れずに残した腫瘍が、このところ思わしくないと訴える日々が続き、先日鎮痛剤の処方が「必要時」から「毎日」服用となったばかりだった。
母の病気が分かった5月からは、一時、思いつめ、涙もろくなり、不眠を訴えていた。
なるべく「ひとりにしないように」と、夫の助言もあり、気をつけてきたつもりだったが、
母の入院により、また難しい状況になってきたのだ。

 もともと実家には、いつの時期も犬かネコがいた。でも、交通事故でネコを亡くしてからは、
「可愛そうだから、もう飼わない」と言ってやめたのだった。
ネコが癒しになって、少しでも生きる目的が前向きになれるのだったら・・・と、一瞬考えたが、口から出てきた私の言葉は、

「おばあちゃんに怒られるよ。それに退院してからも、しばらくは自分のことだけで精一杯だからね。おじいちゃんとネコの世話まではかわいそうだよ」

なんと冷たいことを言ってしまったのか・・・。


 何だか、今夜はちょっと落ち込んでいます・・・。
私ももちろんネコ好き。
でも、夫は絶対反対。「死ぬのをみるのは絶対イヤ。それに、家を留守に出来なくなるから」と。

gonがいた一昨年までは、留守にするたび、近くに住んでいた子どもたちに必ず応援を頼んでの生活だった。
もちろん夫もgonのことは可愛がってくれたし、gonが夫の癒しになってくれたのは事実・・・。
そうして、夫と一緒に10年、その前も合わせて21年のgonの生涯を看取った。

 もし、父の希望をかなえてあげたら、そのネコの生涯を見届けるのはやっぱり私になるのかもしれない
、それが現実可能かどうか・・・。

夫は、今夜の話に、なかばあきれて、寝てしまった。
毎年一緒に行っていた水戸「黄門祭り」に行けなかったことを詫びるより、いきなり「ネコ」の話では、止むを得ないけれど・・・


 来週、誕生日が来て87歳になる父。
父の誕生日に、『迷いネコ』が向こうからやって来てくれないかな・・・
そしたら、誰も何も言えないんだけどな・・・。