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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

心が荒んでいた週末

2010年07月05日 19時04分29秒 | バス運転士

金曜日の朝、バスレーンくねくね路線を走っていた。バス専用時間帯にもかかわらず、バスレーンに入って来る車はある。ただ入って行ってしまうならばともかく、そのままバス停ゾーンで止まられてしまうと、バスは乗降客扱いが出来ずに時間の無駄になってしまうのである。

それが今回は二度も三度もやられてしまい、私の頭の中で何かが弾けた。「バスが来たよぉ~ん」とクラクション、「(柵の切れ目と扉の位置が合うまで)もう少し前へ詰めてくれよ」とクラクション、「おい、早く前へ詰めろよ! 空いてるじゃないか!」とクラクション、「アンタが自分の仕事を邪魔されたらどう思うんだよ!!」とクラクション… そんな感じで何度も鳴らした。

それが癖になってしまったのか… 土曜日も日曜日も、バスレーンくねくね路線を走っている時には、他車がすべて“敵”に見えてしまい… その分、運転がいつもより雑になってしまっていた。実際に、ある男性が降りる時に「変なとこでブレーキ踏むな!」と吐き捨てて行ったこともあったくらいで…

そんな中、車椅子の青年と付き添いのお父さんが乗車した。当然のことながら、運転はいつも以上に慎重になり… その時、私は「ひょっとして… 私を落ち着かせるために現れたのか!?」と思い、彼らのお陰で荒んでいた心が“快方”に向かっていたのだが…

あるバス停で彼らの降車を手伝って、「さぁ、発車だ」と運転席に戻った時、後方からマイカーのクラクションが聞こえた。周囲を見回したところ、クラクションが鳴るような状況はなさそうだった。つまり… 「バス、何やってんだ! 早く行け!!」ということらしい。しかも、自分で勝手にバスレーンへ入っておきながら…

私は「バスがバス停に止まっていて悪いのか? やっぱりバスレーンへ入る奴らはその程度か…」と思い、今後も“バス停ゾーンを占拠された場合”に限り、遠慮なくクラクションを鳴らそうと決意した。もしも、そこで鳴らさなければ「これでいい」と思われてしまうので…

日曜日の夕方、某駅へ向かう一般路線を走っていた。すると、あるバス停から車椅子の女性が乗車した。私は「ひょっとして… まだ心が荒んでいるからなのか!?」と思った。そして、あるバス停で彼女が降りる時… 私がスロープを出し終えたところへ、彼女の電動車椅子が“前進”してきたのである。私が思わず「前進で!?」と言ったので、彼女は不思議そうな顔をした。私がすぐに「あ、いや… 前進で降りるのは、見ている方が怖いので…」と言ったところ、彼女は笑ってくれた。この週末、終わり良ければすべて良し! 今後は私の心掛け次第ということで…