バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

安全運転と接客サービス

2013年01月31日 11時50分36秒 | バス運転士

運転士全員に「安全運転に関するものと、接客サービスに関するものについて、それぞれキャッチフレーズを考えて提出せよ」ということで、記入用紙が配られた。キャッチフレーズと言えば… 以前、ある先輩運転士から「車内事故に関するものを何か考えて!」と言われて、真面目に考えて提出したことがある。

それは、え~っと… “立ってフラフラ 座らずウロウロ 動いて倒せば自分のせい!”というようなものだったと思う。言うまでもなく“立てばシャクヤク、座れば牡丹~”をもじったもので、我ながら良くできたと思っていたのだが… その時は「私はいいと思うんだけど、上司がウンと言わないから…」と言われてボツになってしまった。

で、今回は簡単に考えて… 安全運転に関するものは“無駄なことはしない!”という… 否、“無理なことはしない!”というフレーズを書き、接客サービスに関するものは“いつも遅れる路線を見直そう!”というフレーズを書いて提出した。

何年前からか… 会社が「お客様満足」と言い始めたのだが、未だに“いつも遅れる路線”は存在する。お客様の一番の望みは「時間通りにバスが来て、時間通りに目的地に着く」ことだと、ず~~~~~っと思っているのだが… 運転士にあ~だこ~だ言う前に「運行時間の見直しを先にやれ!」ということである。

上司らは「事故が~」「苦情が~」と言い、「慌てるな~」「急ぐな~」と言うけれど… バスが遅れているから、ついついそうなってしまうのである。実際、一部の路線は運行時間に余裕があり、そこを走っている時には「信号よ、早く赤になれ~」「後続車よ、どんどん抜いてくれ~」と思っているのである。

中には、バス停で時間調整停車をやっていると後続車の迷惑になるような場所もあり、「すべてのバス停をキッチリ定時で!」とはいかないだろうが… まだまだ改善の余地はあるのだ。いつになったら「本気でお客様満足」と言うのだろうか…


車内の怒鳴り声は…

2013年01月30日 22時48分46秒 | バス運転士

午後4時頃、通勤客はまだまだ仕事中… 帰宅する学生とお年寄りが混在する時間帯である。バス停で止まるたびに乗客が増え、いつの間にか車内は満席になり、チラホラと立っている人も出始めていた。

そして、大半の乗客が降りる某駅停直前の交差点で、長い信号待ちをしていた時… 降車扉(中扉)付近から男性の声が聞こえてきた。私は「知り合い同士の会話が始まったか」と思っていたのだが… 話し相手は女性、しかも若そうな声だった。

一瞬「私も会話に入りたぁ~い!」などと思ってしまったのだが、すぐに考え直した。というのも、男性の声が荒々しく、女性の声は弱々しく… どうやら男性が怒っていて、女性が謝っている雰囲気だったからである。

気になって車内ミラーをチラッと見たところ、白髪のお爺さんが、3~4人の高校生に向かって何か説教をしているようだったが… お爺さんがマスクをしていたので、何を言っているのか私にはハッキリと聞こえなかった。

お爺さんと彼女たちは中扉の内側に立っていて、その近くの優先席が空いていた(彼女たちが座っていた?)ので… きっと「堂々と優先席に座っているとは… けしからん!」というようなことを、お爺さんが言っていたに違いない。

信号が青に変わり、私は「発車します」と言い… 間もなく某駅停に到着した。すると、その高校生たちを含めた大半の乗客が降り、お爺さんは優先席にドッカと座った。う~む… 「お爺さんが悪い」とは言わないし、「高校生は悪くない」とも言わないけれど… お爺さんは、人前で怒鳴ることができるほど“内向的ではない性格”なのだから、普通に小声で「席を譲ってくれない?」と言えば良かったのでは… 車内に怒鳴り声が響くのは、ちょっとねぇ…(おいおい! かつて「携帯やめろ!」と怒鳴っていたのは、どこのどいつだ!?)


焦って絡まってブッ飛んで…

2013年01月29日 23時37分19秒 | バス運転士

夕方、ほぼ順調に… 1~2分遅れで終点の某所に到着した。が、もともと次の発車まで5分しかなかったので、私は「転回場で忘れ物チェックをしたら、すぐに乗車停へ着けなければ!」と思っていた。

2台分しか待機スペースがない狭い転回場へ行くと、後発のバスが止まっていた。初めて来た時には「ひぇ~っ」と思ったものだが、今は慣れたもので、ハンドルを左に切りながら「ノープロブレム!」と思っていた。

転回場横の生活道路にバスの頭を出して止まり、そこから今度はハンドルを右に切りながら、バックで待機スペースへ… と、その時! 私の制帽がブッ飛んだのである。一瞬ビックリしたけれど、すぐに“帽子に付けているマイクのコードがハンドルに絡まった”と分かった。

が、「時間がない!」&「車が来た!」という焦りと「ここでハンドルをくるくる回したらコードが切れたりして!?」という不安が交錯して、いつものようにハンドルを切れなかった私のバスは、待機スペースから大きく外れて行った… そして二度三度と切り返して、何とか待機スペースへ…

素早く忘れ物チェックをしたものの、マイクのコードが簡単に外れず… どうやらハンドルの回転軸に食い込んでしまったようだった。「こんなことは初めてだなぁ~。コードが一回転してるのか?」と思ってやってみたが、そうでもなく… 時間がなかったので、とりあえず帽子だけ被り、“マイクなし”で走ることにした。

途中の長い信号待ちで何度かコードを外そうとチャレンジしてみたのだが… ハンドルの回転軸から“生えたようになっている”コードは、上下にスライドこそすれ外れることなかった。そうこうしているうちに、ハンドルの回転軸の油がコードに付着していたようで… 手袋が汚れてしまった。

終点までバス停4つになった時、「こうなったらコードをハサミで切って外し、再び繋げるしかないなぁ~!」と思いながらコードと格闘していたら、なぜか「スッ」と外れたのである。たまには強気な態度(脅し?)も必要なのか…

そこから急に喋り始めた(正確には、喋り続けてはいた)ボケ運転士… 乗っていた数名の乗客はどう思っただろうか? 多分、何とも思っていないだろうけど… 一人くらいは「信号待ちの度にアタフタと… 挙動不審な運転士だなぁ~」と思ったかもしれない。が、まぁ~元々そういう運転士だから、どう思われても気にしんけどね。ハハハ…


決まったバスに乗る人との別れ

2013年01月28日 17時25分22秒 | バス運転士

「来月2日から担当コースを変わってもらう」と言われた。コースというのは… 例えば、1番コースは“朝6時にA駅からB駅へ行って、6時半にB駅からA駅へ行って、7時にA駅からC住宅地へ行って…”というもので、2番コースは“朝6時15分にD所からE駅へ行って、6時50分にE駅からF駅へ行って、7時10分にF駅からG住宅地へ行って…”というように、その日の出勤から退勤までに走らなければならない路線と時間が書かれているものである。もちろん、その時その時のすべてのバス停の発車時刻も書かれている。

また、コースの数と運転士の人数およびその組み合わせ方は、営業所の規模や方針によって異なるけれど… 今の営業所では、細かい話は抜きにして3つのブロックに分けられている。例えば、1番コースから30番コースまであるとして… 1番から10番まで走るグループと、11番から20番まで走るグループと、21番から30番まで走るグループという感じである。で、今までの私は11番から20番までを走っていたけれど、来月からは1番から10番までを走ることになる。

つまり、これまで“○時○分発△△行きのバスに必ず乗る乗客(あの女性とか、あの男性とか…)”と定期的に顔を合わせていたけれど、来月からは顔を合わせる機会がない… とは言い切れないけれど、それに近い状態になるということである。逆に言えば、これまで一度も会ったことがない通勤通学客と会う機会が与えられたということで、ひょっとして運命の… なぁ~んて甘い話があるわけもなく… それどころか、これまで以上の“苦情客”と遭遇してしまうに違いない。ま、それはそれで… ここに書ける話が増えるので歓迎ですけどね。ハハハ…

通勤通学客と違って、“神出鬼没のお年寄りフリーパス軍団”は、路線が変わろうが、時間帯が変わろうが… 同じ人たちと会う機会は、まだまだありそうだ。その“お年寄り”で思い出したのだが… 先日、あるバス停から乗ってきたお婆さんと「目が合った瞬間にビビッと来た!」なぁ~んてことはないけれど、「あ、私の知ってる人だ!」と思った。が、どこの誰だかすぐに思い出せず… そのお婆さんも同じ感覚だったのか、両目を見開いて私を見ただけで、すぐに座席まで歩いて行ってしまった。

そのバス停を出てから2~3分後… 私は「あ、テニススクールで一緒になることがあるお婆さんだ!」と思い出した。が、すでに乗客が多くなっていて、とても話し掛けられる状況にはなく… 結局、そのまま大半の乗客が降りる某駅に到着して、そのお婆さんも降りてしまったようだった。実は、その日はお婆さんがテニススクールへ行く日だったのである。決して、私がお婆さんの個人情報を調べているわけではなく、私の休日がその日と同じ曜日だった時にテニススクールで一緒になるので…

果たして、そのお婆さんは私に気付いていたのだろうか? 制服&制帽では分かりづらかったかもしれないが、名札が掲示されているからなぁ… ま、次回… 私の休日がその曜日になった時に、テニススクールで確認してみよう。そうしたら「アンタの運転は~」「車内アナウンスが~」「なんだかんだ~」と言われたりして!? まぁ、冗談で言われることはありそうだけど… もっとも、マジで言われても笑って誤魔化しますけどね。ハハハ…


酒臭い

2013年01月27日 13時32分24秒 | バス運転士

あるバス停から父と子供2人が乗ってきて、大きな子が運転士の背後席に座り、お父さんは小さな子を抱っこしたまま、その横に立っていたのだが… とても酒臭かった。それは、お酒に弱い運転士だったら、酔っ払い運転になりそうなくらい強烈だった。

が、それは… よく言う「酒臭い=酔っ払いの臭い」ではなく、本当に“お酒の香り”が漂っていて… 「お酒の入った瓶を床に落として割ったんじゃないか!?」と思ってしまうくらいだった。だから、私も不愉快になることはなかった。(自分が酔っぱらっている時は、その不愉快な臭いを発しているけど…)

が、そこで… ふと「酒臭いというのは、お酒に対して失礼ではないか?」と思ったのである。私も発してしまう“様々なモノが混ざった酔っ払いの臭い”と、手塩に掛けて作られた“お酒の香り”を混同したような言い方は… 私は特に酒好きではないけれど、「いい香りだなぁ~」と思わせるお酒が多いから…

で、何か代わりの言葉があるのかと問われると… 「酔っ払い臭い」では長過ぎて言いにくいし… 「酔いどれ臭い」でもまだ長いし… 酒(さけ)と同じく二音で済ませられる言葉がいいのだが… 大虎の「虎臭い」では、これまた虎に失礼だし… いくら“臭いの元”だからと言って「××臭い」ではストレート過ぎるからなぁ~ ハハハ…