新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 南イタリア編⑬ 訪れる夜 地中海の島は静寂の中で眠りに就く

2024-06-11 | 心ふるえる風景 南イタリア編

 プロチダ島のホテルは コリチェッラ港に面した場所

 海と海岸が見下ろせる 高台のロケーションだ

 夜ホテルに戻って 小さなベランダに出ると

 海岸の様子が 一望できる

 

 日中はあれほど キラキラ輝いていた海は

 もうすっかりブルーの水面に 漆黒の墨を

 飲み込んだかのような 闇を抱えて沈み込み

 そのあちこちに 停泊した小舟は

 浜の灯かりを受け止めて ぽっかりと浮かび上がる

 

 一方街の家々は 柔らかな灯かりに照らされて

 華やかとさえ言えるほどの明度を誇って輝く

 その中には さっき絶品のパスタを提供してくれた

 トラットリアからの香りも かすかに混じる

 

 さっきまで響いていた ボートのエンジン音

 カモメの鳴き声 

      子供たちの歓声

            潮騒のざわめき

 そんなすべての音が 夜の訪れとともに鳴りを潜め

 地中海に浮かぶ 小さな島は今

 ひとときの眠りに 就こうとしている 

 

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unkown (油屋種吉)
2024-06-11 15:13:09
漆黒の墨を飲みこんだような、から後の文に惹きつけられました。描写がお上手ですね。あたりの雰囲気が伝わってきます。
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プロチダ (gloriosa)
2024-06-11 21:14:28
種吉様

文章を褒めていただき、有難うございます。
以前、書く仕事をしていたので、誤字脱字のないようにとの注意はしていますが、最近内容については気の向くままに文を作っていく感じです。

なので、後に読んでいると同じような形容の仕方をしているなあ、などと反省することも良くあります。
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Unkown (油屋種吉)
2024-06-13 04:18:18
おはようございます。朝早く失礼します。
わたしなどできれば小説を、とじぶんの文才のなさを棚に上げ、しゃにむに書いています。ちょっと気を利かせば栃木の文学仲間に出会えるのでしょうが、最近はなにかといい加減に暮らしています。ただ、同じ言い回しを使うのは恥。そう思い知恵をしぼっています。
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プロチダ (gloriosa)
2024-06-14 10:22:20
種吉様

創作は難しいですね。読書は好きで、小説もよく読みますが、純文学よりも推理小説などの方が気楽に読めて最近はもっぱらそちら中心になっています。
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