新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

上野歴史散歩⑲ 我が国のクラシックの殿堂「東京文化会館」にはスカーレットのらせん階段が。

2022-10-18 | 上野歴史散歩

 JR上野駅公園前口の正面には東京文化会館がドンと構える。1961年、前川国男の設計によって完成した。

 「東洋一の音楽の殿堂を」との掛け声の下に建設されたもので、国内有数の伝統を誇るコンサート会場だ。2303席の大ホールと649席の小ホールを持ち、現在でもその名に恥じないクラシックの各種コンサートがここで 開催されている。

 同館の斜め前にはル・コルビジェ設計の国立西洋美術館が建っているが、前川はコルジェの弟子にあたる。同じ場所で双方の建築を楽しむ贅沢も味わえる。

 ロビーはゆったりとした空間になっており、天井の照明はまるで星空のようで楽しい。

 入口右側には、当時の東京都知事安井誠一郎の胸像。長崎の平和記念像の作者である北村西望の作品だ。この像には気づくものの、その後方のくぼ地に隠れるようにして建っているもう1つの像がある。

 「ダイアナ像」。ニューヨーク市から贈られたものだという。空に向けて弓を射る姿で、足元には射落とされた獲物を運ぶ犬まで配置されている。

 どこかで見たテーマだと思ったら、「人と猟犬」の構図はまさに西郷さんの銅像と同じだった。

 個人的には、内部のレストランに繋がる階段がイチオシだ。

 スカーレットに彩られた螺旋階段。

 狭い階段だが、ほれぼれする美しさを保っている。

 帰りがけ、会館の前を通ったら、ダイアナ像が見事なシルエットになって舞っていた。

 

 

 

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