リュウ庵

尼崎市住む猫大好き人間。
駄文を書くのも好きです。

歌謡番組はフルコーラスで唄え

2019-02-26 14:49:09 | 日記
テレビの歌謡番組を楽しんでいる。
NHKの火曜「うたコン」、BSNHK日曜の「新・BS日本のうた」、Bs朝日の水曜
「人生歌がある」などなど。
今年の大河ドラマは面白くないので、日曜の夜はBSNHKの歌番組を楽しむこと
にしている。

その歌番組で気になるのは、どうしてフルコーラスで歌わないのか、というこ
と。
たいていは1番と3番だけの歌詞で 2番とか4番、5番(あれば)が飛ばさ
れている。
限られた放送時間内で、たくさんの歌を聴いて(観て)ほしいという局側の言
い分は分からないではないが、何とも中途半端で消化不良を起こす。

昨今の意味不明の多い歌詞は別として、良い歌の歌詞にはちゃんとしたストー
リーがある。
例えば太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」。
田舎から都会に就職する若者と、彼を送る恋人の物語。
<1番>
 男 はなやいだ街で君への贈りものを探すつもり
 女 都会の絵の具に染まらないで帰って

<2番>
 男 半年が過ぎて逢えないが泣かないでくれ 今流行の指輪を送る
 女 いいえ星のダイヤも海に眠る真珠もきらめくはずはない

<3番>
 男 恋人よ 見間違うようなスーツ姿の僕を見てくれ
 女 いいえ草に寝転んだあなたが好きだったの

<4番>
 男 君を忘れて変わっていくぼくを許してくれ もう帰れない
 女 最後のわがまま贈り物ねだるわ 涙ふく木綿のハンカチーフ下さい
 
都会の絵の具に染まっていく若者と田舎で待っている恋人と二人の関係は対話
形式の歌詞で進められ、やがて破局を迎える。
振られた恋人は、別れの涙をふくハンカチーフをねだる…
きれいなメロディに乗ったストーリー仕立て、フルコーラスでないと流れが分
からない。

かつて、さだまさしさんが紅白歌合戦出場で歌う「関白宣言」に、フルコーラ
スを条件づけたという。
5分50秒の長編だったが、NHK側は認めた。

せっかくの名作もつまみ食いされた歌い方ばかりでは、作詞者は喜べないでし
ょう。
聞く方もフルコーラスで、よく練られた日本語と歌詞の持つ「ストーリー」性
も楽しみたい人が多いはずだ。
歌謡番組は、フルコーラスでじっくり味わいたい。

余談:
bs朝日の「人生歌がある」は見ごたえある楽しい歌番だが、なんで森進一さん
が出ないんだろ。
私の知る限り、森さんは一度も姿を見せていない。
MC役の五木ひろしさんとは仲が悪いのか。
どうでもよいけど、ちょっと気になるなあ。