感染症内科への道標

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加齢男性性腺機能低下症候群 診療の手引き 

2009-08-26 | その他専門診療科
対象:泌尿器科医、内分泌内科医

泌尿器科学会より2007年1月出版。2415円。ホルモン減少に伴う性腺機能低下症のアプローチについて記している。現時点でのエビデンスに基づいて作成されており今後一層の蓄積が期待される。ホルモン検査で診断については他の内科医も関連するが、治療やアプローチについては専門領域となる。

1)加齢男性性腺機能低下症候群の定義 
加齢によるアンドロゲンの低下に伴う症状を呈する状態

2)LOH(加齢男性性腺機能低下症候群)の徴候
性欲と勃起能の低下。知的活動、認知力、見当識の低下、精神不安定状態,睡眠障害,筋肉量と筋力低下,内臓脂肪の増加,体毛と皮膚の変化, 骨減少症と骨ソショウ症に伴う骨塩量の低下と骨折リスクの増加

3)テストステロン
95%以上が精巣で産生. 血中テストステロンの約98%はSHBGとSHBG-T1, Al-Tであり1-2%が遊離型テストステロンとして存在。加齢のよって減少する。

4)診断
ホルモン学的検査:ゴナドトロピン、他の下垂体ホルモン、テストステロン、副腎ステロイド

テストステロン基準値:日本8.5pg/ml(11.8pg/mlまでのの症例はアンドロゲン補充療法の適応となる→遊離テルトステロン測定)

泌尿器科的臨床検査
精巣の触診、精巣容積測定、体毛の観察、性機能の評価、前立腺の評価
うつ病の診断

5)アンドロゲン補充療法
適応:LOH症状、徴候を有する40歳以上の男性。血中遊離テストステロンが低下している場合。低下がない場合で性機能症状が強い場合はPDE5阻害薬を投与する。
ART:エナント酸テストステロン、hCG, 男性ホルモン軟膏
副作用:心血管系障害、脂質代謝、多血症、肝毒性、睡眠時無呼吸症候群
前立腺癌では絶対的禁忌、前立腺肥大で相対的禁忌

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