感染症内科への道標

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日本人の食事摂取基準2010年版 

2011-04-28 | その他専門診療科
厚生労働省(日本人の食事摂取基準)策定検討委員会報告書

第一出版より出版2800円(厚労省より無料公開)
2005年に作成された基準を改訂
各項目についてビタミンに至るまで詳細に記載されている。 

ポイント
推定平均必要量:50%に人が必要量を満たす。
推奨量:母集団に属する殆どの人が充足している量
目安量:推奨量が算定できない場合に限って算定

・過小申告・過大申告
→畜尿でみると日本人でも男性11%程度、女性15%程度の過小申告がある。 

・推定エネルギー必要量
→基礎代謝量×身体活動レベル(小児ではこれにエネルギー蓄積量を考慮する)

・タンパク質
推定必要量:窒素平衡維持量割/消化率(90%程度) 
耐容上限量はない、過剰摂取の副作用の報告あり 2.0g/kg体重/日未満に留める

・脂質
n-6系脂肪酸、n-3脂肪酸は体内で合成できず、欠乏すると皮膚炎などが発症するので経口摂取が必要である。 
コレステロールは体内で合成できる脂質であり、摂取されたコレステロールの40-60%が吸収されるが体内合成量の1/3-1/7に過ぎない。

・アルコール
有効エネルギー量は物理的燃焼熱である1g あたり7.1kcalが用いられてきた。エネルギー利用率については30g程度までは体重維持の観点から7.1kcal程度であるが、他の研究からエネルギー利用率は60-70%程度であると推定される。

・ナトリウム
推定平均必要量:1.5g/日 
食塩摂取量は12.2g(50-69歳 男性) 
目標量としては男性9.0g/日未満 女性 7.5g/日未満

・カリウム 
目安量 2500mg(男性)、2000mg(女性)(米国では3500gmが推奨されている)
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