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アルテミシン・ルメファントリン感受性低下のあるPlasmodium falciparum (熱帯熱マラリア)の治療失敗:英国におけるウガンダからの帰国例

2024-05-16 | ワクチン・Travel Medicine
Treatment Failure in a UK Malaria Patient Harboring Genetically Variant Plasmodium falciparum From Uganda With Reduced In Vitro Susceptibility to Artemisinin and Lumefantrine
CID 2024 

アルテミシン・ルメファントリン2004年の治療導入以降、高い奏効率。東南アジアで同剤の耐性が問題となっているが、サハラ以南アフリカでは問題となっていなかった。

症例:ウガンダからの熱帯熱マラリア患者が英国で点滴アルテミシン→アルテミシン・ルメファントリン治療後19日で再燃。遺伝子変異、感受性及び他の失敗例を解析

*19歳男性、ウガンダに渡航し、熱帯熱マラリアを罹患、寄生率1%。(変異解析:L145V 、 A675Vに変異あり→19日で再燃→再度アルテミシン系で治療→51日目で2回目の再燃、アトバコンプログアニル(マラロン)で治療 

英国では2015年以降32例の治療失敗例:(ウガンダからが増えている)
*研究施設での培養成功例のウガンダ株7例中3例で耐性が確認された。
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