感染症・リウマチ内科のメモ

聖隷三方原病院(静岡県浜松市)勤務医ブログ

シェーグレン症候群と神経系障害

2018-01-18 16:32:22 | 免疫
 今回はシェーグレン症候群における神経障害についてです。当科でもこの疾患にて通院例は増えておりますが、手足の疼痛の訴えも多く、関節炎症状でない場合、神経の症状ではないかと考える必要があり、その特徴を捉えておくことは大変重要です。末梢神経障害および中枢神経障害それぞれについては次回以降にまとめます。   まとめ   ・原発性シェーグレン症候群(以下SjS)は、抗核抗体、特にRo/SSAおよび . . . 本文を読む
コメント

HLA-B27陰性脊椎関節炎

2018-01-10 15:41:11 | 免疫
前回の続きで脊椎関節炎につきまして。過去の当科診断例をみていきますと、典型的なHLA-B27陽性例も見受けられますが、そうでない例も多々あります。特にHLA-B39はよくみられているようです。脊椎関節炎(SpA)とHLA検査との関係につきいくつか文献がありましたのでまとめています。特に日本人ではB27陽性率自体が低く、B39は診断の一助になるのかもしれません。 過去ブログ「HLA検査と免疫疾患」 . . . 本文を読む
コメント

遅発性の脊椎関節炎

2018-01-04 17:04:11 | 免疫
明けましておめでとうございます。今年も本ブログをよろしくお願いします。 もともと当院の診療圏から都市部の病院とくらべると比較的高齢の方が多い印象です。関節を含めあちこちが痛いと受診や紹介される方が多い当科ですが、皮膚科や眼科からの症例から比較的高齢の方の脊椎関節炎(強直性脊椎炎など多疾患の総称)の診断例が増えてきているようです。それら症例をまとめて発表する機会があり文献をいろいろあたっていました . . . 本文を読む
コメント

感謝!!訪者数100万人!

2017-10-10 13:07:48 | 日記
当ブログの訪問者数が 「100万人」 を超えました。 日々閲覧してくださる皆様のおかげです。 ブログ開設は2012年9月で、約5年、です。 ブログ開設当初は、科の立ち上げ後まもなくでもあり、診療の合間の時間もある程度あって、日々疑問に思うことをとことん調べてまとめることもできましたが、徐々に日常診療にも追われるようになりました。当初は論文を一つ読んで記事にしていましたが、最近は複数を読んでま . . . 本文を読む
コメント

薬剤誘発好酸球性肺炎

2017-05-25 18:05:26 | 内科
マダニ刺症後、自力でとったら傷口あたりの腫れと痛みあり皮膚科受診、ミノサイクリン投与続けられていた方が、咳と発熱、筋肉痛がでて受診、ダニ関連感染も否定できないとのことで当科受診入院されました。胸部CTにて両側に斑状にすりガラス影あり一部浸潤影を伴っていました。マダニ関連の感染症はいくつか知られていますが、肺に所見でるのはQ熱くらいでしょうか。Q熱肺炎でも多発肺野斑状影が多いとされるが、ずっとMIN . . . 本文を読む
コメント

心内膜炎の髄膜合併症はそれほど注目されていない

2017-04-13 15:10:45 | 感染症
意識障害や発熱、髄液検査所見から初期診断は細菌性髄膜炎にて経験的治療が始まり、髄液培養は陰性で血液培養にてStreptococcus salivariusが検出され、血液培養陽性例としてICT介入となった例です。結局全顎的な歯周病が見つかり、また経食道心臓超音波検査では僧帽弁に疣贅がみつかり、抗菌薬の大量および長期投与となりました。肺炎球菌以外のStreptococcusと髄膜炎、そして髄膜炎と心 . . . 本文を読む
コメント

侵襲性 Streptococcus anginosus群感染症

2017-03-16 19:00:04 | 感染症
前回の続きで脾膿瘍の症例では血液培養からStreptococcus intermediusが検出されました。臨床診断ありその後培養結果が出た場合はその菌の特徴と臨床状況が合うのかを振り返ると共に、他に予想される合併感染症を検討し検索しないといけません。anginosus群(SAG)の感染症についてまとめました。   まとめ     & . . . 本文を読む
コメント

脾膿瘍について

2017-03-09 18:15:27 | 感染症
左胸水、胸膜炎疑いにて当院呼吸器科に紹介され、CT検査にて脾膿瘍が疑われた例。外科に入院となり当科に診療相談ありました。背景基礎疾患の検索をどうするか、起炎菌はどんなものがあるか、治療方針は?   まとめ ・脾臓は微生物および粒子状物質の有効なフィルターであり、脾膿瘍の発生率が非常に低いことから分かるように、感染に対しては非常に強い。 ・脾膿瘍はまれな存在であり、報告頻度は0.0 . . . 本文を読む
コメント

両側性急性非閉塞性腎盂腎炎について

2017-03-04 08:29:29 | 感染症
背景にHCV感染とHCCのある方の、発熱、白血球増多、画像で両側腎の腫大あり両側性腎盂腎炎疑いとのことで当科に相談がありました。血液培養ではグラム陰性菌が生えつつあるとのこと。たいていは腎盂腎炎は片側なので両側性ということがあるのか文献で調べました。気腫性腎盂腎炎emphysematous pyelonephritis (EPN)でとりわけ糖尿病背景で発生し、両側性となる率もでてくるようですが、本 . . . 本文を読む
コメント

関節リウマチ薬と授乳

2017-03-02 17:47:50 | リウマチ
以前このブログで「関節リウマチと妊娠」として主に関節リウマチの薬と妊娠についてまとめました。 若い女性もかかる疾患ですので、リウマチ治療を続けながら無事出産され育児をされることもあります。たいていはすぐに断乳され人工ミルクで育てながらMTX内服等を再開することも多いのですが、最近、授乳を続けながらRA治療も続けたいとの希望がありました。現在はステロイドのみですが、どのようにしていけばいいのでしょ . . . 本文を読む
コメント

当院総合診療内科(+感染症リウマチ内科)医師/研修医 募集

2017-02-09 15:44:08 | 行事
私どもと一緒に、当院で総合診療をやりませんか!   当院総合診療内科は1980年代から続く伝統のある科です。時代とともに多くの専門内科もできてきておりますが、複合的なまたはなかなか診断にいたらず臓器が特定できない症例も多く病院においては貴重な存在です。 また感染症リウマチ内科はもともと総合診療内科からのれん分けした科でもあり、感染症内科(感染管理も含む)、リウマチ内科領域の業務をや . . . 本文を読む
コメント

直接クームスで抗IgG陰性の温式自己免疫性溶血性貧血

2017-01-26 14:13:57 | 免疫
前回の続きです。寒冷凝集素の検査結果は4倍(正常256倍未満)と増加なく寒冷凝集素症はなさそうで、Donath-Landsteinerテストも院内で行いましたが結果は陰性で発作性寒冷血色素尿症も考えにくいようです。症例は直接クームステスト(DAT)では抗C3およびポリ特異的試薬で陽性、抗IgGで陰性でしたが、温式AIHAといえるのでしょうか。 自己免疫性溶血性貧血 診療の参照ガイド(H26年度改 . . . 本文を読む
コメント

寒冷凝集素症について

2017-01-24 17:20:27 | 免疫
前回の続きです。症例では過去に報告されたような溶血性貧血をきたしうる薬剤使用歴はなく、また直接クームステスト(DAT)が陽性の結果であり自己免疫性溶血性貧血が疑われました。さらに、抗C3およびポリ特異的試薬を用いたDAT陽性で、抗IgGを用いた試験では陰性で温式よりは冷式AIHAが疑われました。これには、CAS (寒冷赤血球凝集素症)と発作性寒冷血色素尿症(PCH)があります。PCHはほとんど小児 . . . 本文を読む
コメント

薬物誘発性溶血性貧血

2017-01-17 16:59:28 | 免疫
発熱や血尿などをきたし近医で感染症として治療されていた方が重度の貧血をきたし当院救急に紹介されました。消化管出血はなさそうであり、ビリルビン、LDH、ハプトグロビン値などから溶血性貧血が疑われました。原因の鑑別は、感染症、自己免疫疾患、血液疾患、薬剤と多岐にわたるため当科に相談されました。近医から胃腸薬や抗菌薬の処方歴もあり、溶血性貧血の鑑別診断を始めるにあたり諸文献から薬剤性の溶血性貧血について . . . 本文を読む
コメント

薬剤誘発性高血圧症

2016-11-10 15:45:10 | 内科
TAFRO症候群に対してステロイド単独療法では効果不十分で免疫抑制剤のシクロスポリンを併用開始したところ病態は改善しました。その後徐々に血圧が高くなり、これまでは高血圧の指摘もなかったことから、薬剤性を疑いました。ステロイドによる血圧上昇もよく知られていますが、そのタイミングからはシクロスポリンからの可能性が高そうです。これら薬剤による高血圧症の特徴はどうなのでしょうか。各文献からまとめました。 . . . 本文を読む
コメント