厚生労働省(難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究)編集
文光堂より2010年10月出版1800円
劇症肝炎とは、肝炎のうち初発症状出現後8週以内に高度の肝機能異常に基づいて昏睡II度以上の肝性脳症をきたし、プロトロンビン時間が40%以下を示すものとする。そのうちには症状出現後10日以内に脳症が出現する急性型、と11日以降に発現する亜急性型がある。
・先行する慢性肝疾患が存在する場合は劇症肝炎か . . . 本文を読む
厚生労働省(難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究)班編集
文光堂より2010年10月出版1800円
1. PBCの概念
・代表的な自己免疫性肝疾患であり、中高年の女性に好発する。
・皮膚ソウ痒感で初発することが多い。
・黄疸は出現後、消退することなく漸増することが多く、門脈圧亢進症状が高頻度に出現する。PBCは臨床上、症候性PBCと無症候性PBCに分類され、皮膚ソウ痒感、黄疸、食道胃静脈瘤、 . . . 本文を読む
CQ3-01 門脈圧亢進症の診断に腹部CT(MDCT)は有用か?
MDCT angiographyは門脈圧亢進症における側副血行路や胃静脈瘤の診断に有用である。3D-CTは非侵襲的検査であり腹部血管造影検査にとって代われる。A 海外IIb 日本Ib 保険可
CQ3-02 門脈圧亢進症の診断に腹部MRI,MRAは有用か?
Gadolinium造影におけるdynamic MRIは門脈圧亢進症の診 . . . 本文を読む
日本消化器病学会
2010年4月に出版、3150円。
CQ1-01 身体所見から肝硬変の診断は可能か?
触診や打診で特徴的な所見を得た場合には肝硬変と診断できるが、肝硬変の初期では明らかな身体所見が無く、肝も触れないことが多いので、身体所見のみでは肝硬変の診断はできない。海外Ib 日本無し
CQ1-02 血清生化学的検査所見から肝硬変の診断は可能か?
血液生化学的検査をいくつか組み合わせて肝 . . . 本文を読む
CQ1-1 膵癌の危険因子は何か?
1. 危険因子を複数有する場合は、膵癌検出のための検査を行うよう勧められる。グレードB
2. 膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN)は癌へ進展することや膵癌を合併することがあるので、的確な診断と慎重な経過観察が勧められる。グレードB
膵癌患者の4-8%は家族歴に膵癌ある。(対照群に比べ13倍と高率)
遺伝性膵炎、家族性家族腺腫ポリポーシス、Peutz-Jeg . . . 本文を読む
日本消化器病学会より2009年11月25日出版。3000円
CQ1-01 日本の胆石保有率は増加しているか?
胆石全体の保有率の年次的推移は不明である。肝内結石の保有率は年次的に減少している。海外 N/A 日本 IV a
CQ1-02 1胆嚢結石形成に関連する因子とは? 1)Helicobacter pylori感染
ヘリコパクター属菌が胆嚢結石形成に関与している可能性は低い。
海外I . . . 本文を読む
日本消化器病学会より2009年11月25日発行。
CQ1-01 日本人のGERDの有病率はどれくらいか?
CQ1-02 日本人のGERDの有病率は増加しているか?
① 日本における逆流性食道炎(びらん性GERD)の有病率は、報告により4.0%から19.9%と差があり、増加しているかどうかの判断は困難である。対象者の年齢、性別、外来または人間ドック、などの違いが有病率の差の大きな要因となってい . . . 本文を読む
NPO法人 日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編
平成19年10月出版、3000円
1. 潰瘍性大腸炎の診断
・ 診断基準
定義は主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異的炎症である。
・ 診断基準は1998年に最終改定
次のa)のほか、b)のうち1項目、およびc)を満たし、下記の疾患を除外できれば確診となる。
a) 臨床症状:持続性または反復性 . . . 本文を読む
日本消化器病学会関連研究会 肝機能研究班 1200円
2007年12月出版
肝炎ウイルスマーカーの選択基準
A型肝炎ウイルス(HAV)マーカー
HA抗体(主体はIgGクラス)
IgM-HA抗体(比較的早期に数ヶ月間一過性に陽性化する)
HAV RNA(保険適応外)
B型肝炎ウイルス(HBV)マーカー
HBs抗体:HBs抗原に対する抗体。HBs抗体陽性者には原則として再感染は起 . . . 本文を読む
外科治療
原則
GIST 外科治療の原則
1. 切除可能GISTの治療の第一選択は外科的完全切除。
2. 偽被膜を損傷することなく外科的に安全なマージンを確保,肉眼的断端陰性とする。
3. 原則として臓器機能温存を考慮した部分切除が推奨される。
4. 予防的或いは系統的リンパ節郭清術は不要である。
5. 肉眼的断端が陽性の場合,追加切除を考慮すべきである。
6. イマチニブの術前使用に当たって . . . 本文を読む
2008年9月改訂 (第2版)
日本癌治療学会/日本胃癌学会/GIST研究会/編
日本癌治療学会 ホームページにて全文無料公開されている。
1初回画像診断の方針
・検診やスクリーニングのX線造影検査や内視鏡検査で粘膜下腫瘍が疑われたときには,腫瘍の大きさや形状,占拠部位,随伴する潰瘍や陥凹の有無をみる。GISTを含む間葉系腫瘍が疑われる場合は,特に大きさがその後の治療方針の目安となるので, . . . 本文を読む
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
難治性膵疾患に関する研究班
膵嚢胞線維症:cystic fibrosis
・cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)遺伝子変異を原因として発症する常染色体劣性遺伝疾患。
・現在千を超えるCFTR遺伝子変異・多型が報告。最も変異は、エクソン10内の3塩基の欠失のため50 . . . 本文を読む
胆道癌診療ガイドライン作成出版委員会(日本肝胆膵外科学会、日本癌治療学会)
平成19年出版、3500円。Mindsにて無料公開されている。
CQ1 胆道癌のリスクファクターにはどのようなものがあるか?
胆道拡張型の膵・胆管合流異常や原発性硬化性胆管炎(PSC)は胆管癌のリスクファクターである。
膵・胆管合流異常のうち、特に胆管拡張を伴わない膵・胆管合流異常は胆嚢癌のリスクファクターである。
. . . 本文を読む
2009年10月25日発行
ダイジェスト
出血性胃潰瘍・出血性十二指腸潰瘍
CQ1-01 消化性潰瘍に対する内視鏡的治療は有用か?
出血性消化性潰瘍に対し内視鏡的治療を行うことは持続・再出血・緊急手術への移行を回避するうえで明らかに有用である。A-I(海外) N/A(日本)
CQ1-02 出血性潰瘍に対する内視鏡的止血法はどのような潰瘍を対象とするか?
出血性消化性潰瘍のうえ活動性出血例と非出 . . . 本文を読む
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業
難治性膵疾患に関する調査研究班
平成19年出版、1905円
・疾患概念
びまん性の膵腫大や膵管狭細像を示す症例が中心であり、高γグロブリン血症、高IgG血症や自己抗体の存在、ステロイド治療が有効等、自己免疫機序を示唆する所見を伴う膵炎である。硬化性胆管炎、硬化し得唾液腺炎、後腹膜線維症などを合併する症例もあり、本症は全身的疾患である可能性もあ . . . 本文を読む