感染症内科への道標

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小児の尿路感染症再発予防におけるクランベリージュース

2012-03-01 | 臓器別感染症:泌尿器・産婦人科系・STD
Cranberry Juice for the Prevention of Recurrences of Urinary Tract Infections in
Children: A Randomized Placebo-Controlled Trial

CID 2012:54 (1 February) d Salo et al

尿路感染症は小児で最も一般的な感染症のひとつである。初回の尿路感染症の19-30%で再発を認め、小児期のUTIは慢性腎不全、高血圧症のリスクとなるためVURがある場合などは長期予防的抗菌薬の内服を行う。一方で長期抗菌薬内服は耐性の危険性がある。クランベリージュースは成人女性の尿路感染症を予防するとされているが小児におけるエビデンスにかけている。今回、予防効果をみるために調査。

1-16歳で4大学、3つの中核病院に最近2ヶ月以内にUTIと診断された263名。
UTIの症状は両親に日記。初回尿路感染症後は超音波検査→以上があればcytography。GradeIII-IVのVURがある小児は除外。
インフォームドコンセントは両親から取得、クランベリージュース又はジュースを6ヶ月間1-2daily doses服用。医師にはblind。
両親がbackground dataや栄養状態、既往歴、vaccinium (cranberry, blueberry, lingonberry)を聴取。1年間聴取しUTIの有無を調査
尿路感染症症状が起こったら受診し標準的な抗菌薬治療。3回以上繰り返す場合には6ヶ月間の抗菌薬内服。
クランベリージュースは市販(cranberry classic)を使用

サンプルサイズは50%のreductionを予想
12ヶ月以内に通常30%の小児が発症
→15%のreductionを有意にひろえるように80%powerで、10%がdrop outすることを想定し130名に設定。

263名がincludeされ、8名がプロトコールを破り除外、その後27名が脱落。
(最も多い理由は子供が飲まない)
クランベリージュースグループで22名(16%)が12ヶ月以内に発症、一方でplacebo郡は28(22%)であり有意差なし。一方でtotalの発症数は、クランベリージュース群で有意に少なかった。(95% CI, -.31 to -.01; P = .035).又抗菌薬内服期間もクランベリージュース群で少なかった。P=0.32  病原菌としてE.coliが最も多かった。


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