感染症内科への道標

研究学園都市つくばより感染症診療・微生物検査・感染制御の最新情報を発信しております。

精巣腫瘍診療ガイドライン 2009年度版 

2011-05-18 | その他専門診療科
日本泌尿器科学会編 

一部要約

・10万人あたり1-2人。最大のピークは20-30歳代 
・精巣腫瘍の約50%は転移を認めないstage Iのセミノーマ 
・30%程度で転移を有するが、たとえ転移を認めても抗ガン剤による化学療法が著効し、転移のある症例の約80%を治癒に導くことができるようになった。 

1. 精巣腫瘍にはどのような危険因子があるか?
精巣腫瘍の家族歴(4-10倍)、停留精巣(2-8倍)、反対側の精巣腫瘍は精巣腫瘍の危険因子である。不妊症・精液検査以上(2-4倍)も危険因子になる。低体重児・未熟児・牛乳・チーズの摂取・高身長なども危険因子の可能性がある。 

2.精巣腫瘍の原発巣の診断において、どのような画像検査法が推奨されるか? 
B.超音波検査は原発巣の診断に極めて有用である。精巣の悪性腫瘍と良性腫瘍の鑑別には、局所の血流が評価可能なカラードップラー超音波検査やMRIが有用である。 

3.対側精巣のITMG診断のための生検は推奨されるか?
C対側精巣に対して、ITMGC診断を目的として制憲を行うことの有用性を積極的に支持する明確な根拠に乏しい。 

4. 精巣腫瘍の病期診断において、どのような画像検査法が推奨されるか?
A初期の病期診断において、胸腹部CTは必須である。 
B脳MRI、骨新地は、その転移が疑われる場合に行う。 

5.精巣腫瘍の腫瘍マーカーとして、何が推奨されるか? 
A. AFP及びh CGは、胚細胞腫瘍の診断及び治療の効果判定に必須である。 
B. AFP分画は、時にAFPのSurrogate markerになりうる。 
A. LDHは、精巣腫瘍に特異的ではないが、陽性率がたっ買う、特にセミノーマでは有用である。 

6. IGCCCは予後予測に有用か? 
A. IGCCCは、進行性精巣腫瘍の予後及び治療法を決定するために、必要不可欠である。 
ただし、最近の検討ではpoor prognosis であっても、予後良好の傾向があり、再検討が必要である。 

7.Stage Iセミノーマに対して、術後補助放射線治療法は推奨されるか? 
B. Stage Iセミノーマでは高位精巣摘除術単独の場合、再発率は15-20%である。しかし再発した場合でもほぼ100%治癒可能であるため、術後補助療法による不必要な副作用を避けられる経過観察は推奨できる。 
B. 術後補助放射線療法の再発率を約5%に低下されるが、二次癌発生などの長期的な問題がある。 
B. カルボプラチン単独による補助化学療法の再発予防効果は放射線療法と同等であるとされているが、長期の成績は得られていない。 

8. Stage Iセミノーマに対して、長期のフォローアップは推奨されるか?
B. 高位精巣摘除術後の再発の大部分は2年以内に起こる。しかし、無視できない確率で5年以内にも再発してくるため、少なくとも年1かいのフォローアップは必要である。 

9. Stage I非セミノーマ精巣腫瘍はどのような予後因子があるか.
B. 脈管侵襲の有無が、潜在的な転移の存在は経過観察中における再発を予測する、最も重要な予後因子である。 

以下治療10-32


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 医学的研究のデザイン | トップ | weekly summary 5/8-5/21  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

その他専門診療科」カテゴリの最新記事