福島のあと、フェッセンハイム原子力発電所の閉鎖を要求する声が高くなっている。フェッセンハイム原発は、フランスでいちばん古く、福島第一と同じ1970年に建てられた。フランスの東のはずれ、アルザス地域圏オ・ラン県にあって、ドイツ国境まで1・5キロ。欧州議会もある古都ストラスブール(人口28万人弱)まで80キロほどで、20から30キロ圏にコルマール(7万人弱)、ミュルーズ(11万人強)があり、スイスのバーゼルも40キロほどのところにある。
フランスは地震が少ないが、アルザスは例外的に地震帯とされていて、しかもフェッセンハイム原発はライン川運河のほとりにあって、万一堤防が決壊すれば浸水は免れない。
まず3月27日、南西隣のフランシュ・コンテ地域圏議会が、フェッセンハイム閉鎖要請緊急決議を可決。地域圏によるこうした決議はフランス初とのこと。ヨーロッパエコロジー/緑の党(EELV)が提案し、賛成9対反対4。投票総数がずいぶん少ないが、それは左派にも右派・極右にも大量の棄権者が出たため。「福島のあとで、UMP(政府与党)も社会党も決議に反対票を投じるわけにはいかなかったのだろう」とEELV議員は言っている。
次いで4月11日、アルザス地域圏の圏都ストラスブールの市議会が、党派を問わずほぼ満場一致で閉鎖要請緊急決議を可決した(棄権1)。提案したのはやはりヨーロッパエコロジー/緑の党(EELV)。市議会では左派が多数派だが、EELVは「社会党が賛成票を投じるのは予想していたが、右派UMPが同調するとは思わなかった」とうれしい驚き。「アルザス地方圏最大の自治体であり、ヨーロッパの首都であるストラスブールによる原発閉鎖要求は画期的」と言う。UMPのほうは、「老朽化した原発の閉鎖を求めたからと言って、脱原発と言うわけではない」うんぬんとと抜け道を作りつつ弁解。
一方、オ・ラン県議会は、稼動延長許可のために全原発について行うと表明された審査の結果を待つことを原子力安全局(ASN)に要請したという。閉鎖要求に踏み切っていないところを見ると、推進スタンスかもしれない。
残念ながら、アルザス地域圏議会では4月10日に閉鎖要求決議が否決されている。この議会は、2010年の地方選挙でサルコジ政府与党のUMPが各地で大敗した時にも、フランス本土では唯一与党が多数派をしめた超保守的な議会。
フェッセンハイム原発の即時永久閉鎖を求める市民団体「ストップ・フェッセンハイムStophessenheim」は4月18日から、「福島の被害者との連帯とフェッセンハイム原発の停止」をめざして「断食」を開始した。昼間はコルマール市庁舎の前にテントを張っているらしい。これはいわば輪番「断食」で、参加者が「断食」した日がカレンダーに記されている。目標は延べ366日だそうで、ダンボールで作った記録版に、現在の延べ日数がはめ込まれている。
5月10日には、ヨーロッパエコロジー/緑の党(EELV)の欧州議会議員5人がコルマールに「ストップ・フェッセンハイム」を激励に行った。そのひとりが、2012年の大統領選挙にEELVから出馬する予定のエヴァ・ジョリ。(エヴァ・ジョリはかつて、フランス国営石油企業エルフ・アキテーヌと政界の絡んだ大汚職事件の予審判事だった。) エヴァ・ジョリは、「原発が安全だと言うなら、審査は内輪の”原子力組”でやるのではなく、独立機関が行うべき。たとえばフランスの原発の審査はドイツが、ドイツのはフランスが、というように第三国がすればよい」と言っている。
世界に名だたる原子力大国のフランスでも脱原発は広がっている。特に近隣自治体の「閉鎖要求決議」が相次ぐ。いずれも福島の過酷事故を受け止めてのことだ。ストラスブールの閉鎖要求は、日本で言ったら、京都が全会一致で福井の原発停止を求めるようなものだ。福岡が玄海の停止を求めるようなものだ。まして、仙台が女川の停止を求めるのも当然ではないか。
日本の自治体も黙っているな!
フランスは地震が少ないが、アルザスは例外的に地震帯とされていて、しかもフェッセンハイム原発はライン川運河のほとりにあって、万一堤防が決壊すれば浸水は免れない。
まず3月27日、南西隣のフランシュ・コンテ地域圏議会が、フェッセンハイム閉鎖要請緊急決議を可決。地域圏によるこうした決議はフランス初とのこと。ヨーロッパエコロジー/緑の党(EELV)が提案し、賛成9対反対4。投票総数がずいぶん少ないが、それは左派にも右派・極右にも大量の棄権者が出たため。「福島のあとで、UMP(政府与党)も社会党も決議に反対票を投じるわけにはいかなかったのだろう」とEELV議員は言っている。
次いで4月11日、アルザス地域圏の圏都ストラスブールの市議会が、党派を問わずほぼ満場一致で閉鎖要請緊急決議を可決した(棄権1)。提案したのはやはりヨーロッパエコロジー/緑の党(EELV)。市議会では左派が多数派だが、EELVは「社会党が賛成票を投じるのは予想していたが、右派UMPが同調するとは思わなかった」とうれしい驚き。「アルザス地方圏最大の自治体であり、ヨーロッパの首都であるストラスブールによる原発閉鎖要求は画期的」と言う。UMPのほうは、「老朽化した原発の閉鎖を求めたからと言って、脱原発と言うわけではない」うんぬんとと抜け道を作りつつ弁解。
一方、オ・ラン県議会は、稼動延長許可のために全原発について行うと表明された審査の結果を待つことを原子力安全局(ASN)に要請したという。閉鎖要求に踏み切っていないところを見ると、推進スタンスかもしれない。
残念ながら、アルザス地域圏議会では4月10日に閉鎖要求決議が否決されている。この議会は、2010年の地方選挙でサルコジ政府与党のUMPが各地で大敗した時にも、フランス本土では唯一与党が多数派をしめた超保守的な議会。
フェッセンハイム原発の即時永久閉鎖を求める市民団体「ストップ・フェッセンハイムStophessenheim」は4月18日から、「福島の被害者との連帯とフェッセンハイム原発の停止」をめざして「断食」を開始した。昼間はコルマール市庁舎の前にテントを張っているらしい。これはいわば輪番「断食」で、参加者が「断食」した日がカレンダーに記されている。目標は延べ366日だそうで、ダンボールで作った記録版に、現在の延べ日数がはめ込まれている。
5月10日には、ヨーロッパエコロジー/緑の党(EELV)の欧州議会議員5人がコルマールに「ストップ・フェッセンハイム」を激励に行った。そのひとりが、2012年の大統領選挙にEELVから出馬する予定のエヴァ・ジョリ。(エヴァ・ジョリはかつて、フランス国営石油企業エルフ・アキテーヌと政界の絡んだ大汚職事件の予審判事だった。) エヴァ・ジョリは、「原発が安全だと言うなら、審査は内輪の”原子力組”でやるのではなく、独立機関が行うべき。たとえばフランスの原発の審査はドイツが、ドイツのはフランスが、というように第三国がすればよい」と言っている。
世界に名だたる原子力大国のフランスでも脱原発は広がっている。特に近隣自治体の「閉鎖要求決議」が相次ぐ。いずれも福島の過酷事故を受け止めてのことだ。ストラスブールの閉鎖要求は、日本で言ったら、京都が全会一致で福井の原発停止を求めるようなものだ。福岡が玄海の停止を求めるようなものだ。まして、仙台が女川の停止を求めるのも当然ではないか。
日本の自治体も黙っているな!