「二日前の夜中、自宅で、多分2,3時頃だったかな~まあ、毎度の深酒でぐっすり寝ていたんだけど、何故か部屋の気温が低く感じて、夏だけど寒いな~とか薄っすら思っていたら、ベツトの足元側の部屋の隅に人の気配と何か泣き声らしい声が聞こえ、あれっと思い、メガネを掛けてそっちの方に寝ぼけ眼の焦点を合わせると、黒髪の女が両膝を抱えて俯いた姿勢ですすり泣いている。
俯いているし、長髪なので顔は見えないがその女は唯、泣き続けるだけ。声は弱弱しいし、その姿はハッキリとした輪郭ではなく、時々消えかかったりして、ああこれはこの世のものではないねと確信し、どうしようかと思ったが、声を掛けてみた。ねえ、何か言いたいことが有ったら聞いてあげるから、話しなさいよって。でも、女は唯泣き続けるだけだったので、鬱陶しく思い、話さないなら、帰れって枕を女に投げつけたが、消えないので無視して眠ったら朝になった」
「もしかして、それって恨みを買った女の生霊じゃあないですか?」
「うん、思い当たる節はあるネ」
「けけけ」
1980年代のJAZZ BOXにて Gマスターの話。
よんでくれてありがとうね~。