another Beatle

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vol.1/2 シュールリアリズムの詩集/処女懐胎/アンドレ・ブルトン&ポール・エリュアール 

2009-02-11 00:40:47 | Weblog

 

       アンドレ・ブルトン/ポール・エリュアール共著 /詩集/1929年      

            ---シュール・リアリズムの詩集-------     

 

                                 

                     

 

 

この詩集はシュールリアリズムの「自動記述」という手法で書かれたものです。

すべてが実験的で、

中にはこれらの詩を読んで眉をしかめる方も、

存在すると思います。

この「自動記述」はアンドレ・ブルトンによって、

具体的に説明されているので、

書きだしておきます。

「できるだけあなたの精神を、

集中できるのに都合のいい場所に座り、

書くものを持ってきておいてください。

出きる限り受身の状態に身をおきなさい--。

前もって何も考えずに、

何を書いているかわからないくらい早く、

読み返そうとはかんがえずに早く書くこと。

ひとりでに最初の文句がでてくるでしょう。

それは次々にでてくるが、

それは客観的であろうとするわれわれの意識とは、

まるっきり無縁のものでしょう。」

 

(アンドレ・ブルトン「第一宣言」より)

 

 

 参考・シュールリアリズム

 http://www.02.246.ne.jp/~ruohto/html/what_surrealisme.html

 

これが詩集「処女懐胎」の舞台裏です。

自動記述により、深層意識までも引っ張りだした詩の形態といえると思います。

***********************************

 

 こんな感じの出だしの詩集です。(散文詩集です。)

 

                   受胎

二つの日のあいだのある一日、そしていつものように、星のない夜という夜はなく、

女の長い腹が、それは小石だ、ただ眼にうつるもの、ただ真実なものが、瀑布のな

かをのぼってくる。いままでに何べんともなくこわされたものが、なおもまたいまこわ

されている。     ( 「受胎」より部分引用/服部伸六・訳)

 

                 生活

日本の花から電気をかけられた蛙にいたるまで、変化を自認するためにはぐっすり

睡らねばならないであろう。窓と一騎打ちをとり組んでいる一個の体をなす扉につい

ていえば、床は一ぴきのインコであり、天井は臆病な鴉である。

 

                       (「生活」より部分引用/訳者同じ)

 

ほんの数行しか、引用していませんが、すべてがこんな感じで、

かなりの散文詩が続きます。

言葉の偶然の産物とも言えるかもしれません。

考え考え言葉を選択しているわけではないので、

常識から逸脱している部分もあるとは思いますが、

それを承知した上での

あくまでも、手法重視(自動筆記)の作品です。

この詩集の中には、

「神経衰弱擬似症の実験」

「表現錯乱擬似症の実験」という題の

散文詩もあり、まさしくこれは実験的な意味合いの

詩集と言えると思います。

 前述のようなタッチの詩(散文)が、

原稿用紙5枚から10枚ほどの量で目の前にあると、

余程読む気があるか、

心の余裕がないと、読めないと思います。(ただヘビーなだけで。)

けれども

歴史的な流れの中で、

この詩作に関しての方法論は意味があったのかなと思います。

 

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2 コメント

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Unknown (mikoto♪)
2009-02-12 09:46:47
フロイトの精神分析の流れ~なのですよね
太陽であり男であり女である。神話の世界、深いですね~
なにも考えずにやってきましたが、詩と心理はやっぱりつながっているのですね。気づきます~
返信する
no-title (アナザービートル)
2009-02-12 22:16:25
訳の分からない詩もたくさんありますが、シュールリアリズムの詩の中には、いい詩情を出している詩も沢山あります。
意識下との関連が深いということは、通説になっていますが--。
返信する

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