昨日は同業者の勉強会の二次会で、会話がはずんで楽しい時間を満喫してきました。同郷の人や、同じ大学出身者に囲まれ、焼酎も進みました。そんななか、私の前で飲んでいた方が研修で、「社会人になってから受けた言葉で印象に残っているものをふたつ書けというような作文があった」と語っていました。
そこで、自分だったらなにを書いただろうかとふと考えてみました。、、がっ、、、、改めてそういわれてみると意外とでてこないものです。地質調査は一人で行くことも多いし、公共事業に携わっていると結局「検査」や「基準」が幅を利かせることになりますので、いわゆる”言の葉”が自分の心に落ちていないのです。
ここでは、ブログやメールでのやりとりも含めてふたつ紹介してみます。
○スケッチは高度です
スケッチは高度な技術を持ったものにしかできません。
現場から読み取れる無数で多様な情報源から、経験と直観力によってノイズ(調査目的に対して無用なデータ)を削ぎ落とし、抽出したシグナルのみを、非専門の人々にも「見える化」する。その作業が現場の技術者の脳内で瞬時になされる。
それこそがスケッチです。
(2009年2月2日:今岡さんのブログから)
○銀座地すべり
「銀座地すべりというのは泥臭さを忘れて、ただ格好だけ良い地すべりの研究や、対策のことである。まずその代表的なものは模型実験と、コンピューターを使ったやり方であろう。ただし、模型実験やコンピューターを駆使することを揶揄しているわけではない。模型実験を行うからには、その実体が正確に解明されていなければならないことであり、コンピューターにかけるためにはその資料が信頼されるものでなければならない。そういう基礎的なものを軽んじてただ実験や計算を精密に行ったとしても得られる結果は何の役にも立たないばかりでなく害をまくばかりであろう。」
http://www.ohta-geo.com/ginza.html
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私の場合を考えてみたんですが、ひとつはすぐに浮かびまして、それはテルツァーギの言葉ですね。
「複雑な地質構造を持つ現実の現場が,
単純な仮定による力学理論を容易にうけつけない。」というものです。
さて、私も、太田ジオさんの「銀座地すべり」のくだりは強く印象に残ってますね。新卒で入社した会社でやっていたことの多くが、まさに「銀座地すべり」だったので、衝撃を受けたのを憶えています。それまでは何の疑問も持たずに仕事に携わっていた私にパラダイムシフトの起こった言葉ですね。