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F氏的リフォーム術・古民家との出会い(購入まで・その5)

2010-03-15 07:53:03 | F氏的リフォーム術

じーちゃんにお墨付きをもらった私達は、心も軽く、あとは進むしかない!と思ってました。

じーさんの義弟がしている不動産屋に行き(なぜかじーさんも一緒に)、不動産屋さんと顔合わせ。ヤ○ザのような風貌と、この辺でいう「ガイな口調(強引な口調)」、ガハガハと笑うおっさんで、話はトントンと進み、手付金を払うことに。私達の目の前で、売主さんに電話してくれ、日時を決めました。

 

…するとなんということでしょう…。

100坪ほどある隣の畑も買ってほしい、とのこと。私達には広すぎるので必要ないと思ってましたが、なんと激安。結局畑も買うことに。もともと自分で食べるくらいの小さい畑が欲しかったのですが、家の敷地内でも十分家庭菜園ができるので、特に欲しいわけでもなく…。あれば理想でしたが…。まさかもれなく付いてくるとは…。

う~ん。完全にノリに乗ってる…。

 

手付金を払う日も2日後に決まり、ワクワクしながら家に帰りました。

次の日には、ナケナシの貯金を下ろし、準備万端。

支払い当日。10時が約束の時間。9時すぎには不動産屋のおっさんから確認の電話。「もう手元にお金あるけんね。ドキドキするわ。10時に行くけんよろしくお願いします」と伝えました。「待ちよるけに~」と言われた

 

5分後。

 

…不動産屋のおっさんから電話。

「売り手さんの親戚が揉め始めた。ちょっと待ってくれ。」

 

…は??

 

とりあえず、頭が真っ白に。聞けば、売ることを伝えた遠くに住む親戚が「あの家は育った家なので、人の手に渡したくない」と言い始めたらしい。

その親戚は90歳近い人。売主さんはこの方にお世話になったので、反対を押し切って売ることはしたくない、とのこと。

 

不動産屋から電話が入ったすぐ後に、売主さんからも電話。詳しい事情を話してくれ、ただただ謝ってました。まあ、私もその気持ち分からなくもないし、とにかく誠実な対応をしてくれる売主さんなので、文句も言えず、揉めたくもないし…。

まあ、縁が無かったと受け入れるしかないのかなーとモンモンと過ごした数時間後…。

またしても不動産屋から電話。

「あんたらは間違ってないけに。ワシがガツーンと言うちゃった。売りたい言うて3年も世話さしといて、いざ買い手が見つかったらイヤやなんて、若い人らをバカにしとんか!って。もう売りたい言うても2度と世話しちゃらん!って。ガハハハハ…」

 

すごい。客に対してそこまで言えるおっさんがすごい。でも、私達のこと理解してくれてて、「この人達はこの家を壊す、言いよるんじゃない、藪になったあの家を生き返らせる、言いよんじゃ!こんな人はめったにおらんぞ!」とまで言ってくれたらしく、それ聞いただけで涙が出ました。

たった一回しか会った事ない不動産屋のおっさん。なのに、ここまで言ってくれて、それだけで十分です。

F氏とも「この器のでかいおっさんと出会うための家やったんかもしれんねー。家を手に入れるよりもええ出会いをしたんかもしれんねー。」と話しました。

 

不動産屋のおっさんがそこまで言ってくれたんやし、私達に今できることは何だろうと考え、その夜、売主さんに手紙を書きました。

あの家にどんな風に住みたいのか、どんな風にリフォームするのか、今現在藪になってあとは傷んで朽ちるだけの状況であることを手紙に書き、もし私達に譲ってくれるのなら大切にしますという誓いの言葉を添え、送りました。

 

手紙が到着した日、売主さんから電話があり、「感動しました。この手紙を見せて親戚を説得します。ただし遠方なので次の連休を利用して直接会って説得します。1カ月だけ待って下さい。」と言われました。本当に誠実な人。穏やかで、とても優しい口調なんです。

 

やることはやった。後は家との縁があるか、ないか、だけ。気持ちもすっきり。

 

山のじーちゃんいも報告しに行きました。

じーちゃんは黙ってこの話を聞き、

「人はの、大事なもんこそ人に譲らないかんのぞ。人に譲れて初めて、大事なもんと言えるんぞい。欲っちゅーのは、人は誰でもあるけんどーの、それができるかできんかで人間が決まってくるんぞい。ワシじゃったらそう考える。まあ黙って待ちよらんかい」

という言葉をかけてくれました。また涙…。

 

この家の騒動があったおかげで、わたしゃ十分得るもんがあった。おっさんにしても、山のじーちゃんにしても、なんちゅーでかい人なんじゃ!わかった!そういうことなんじゃ!家よりも人なんじゃ!と暖かい気持ちでいっぱいに。そしたら、あの家にも、売主さんにも、反対している親戚さんにも感謝できるようになりました。

 

9月のシルバーウィークで説得しに行くと言ってたので、連絡は連休明けだな~と思って待ってたら…

 

つづく

 

※写真は二つある納屋の調理関係のほう。母屋なので、たくさんの数の食器や調理器具が!これも処分を任されました。中には明治時代の箱も…。ちなみに私は家よりもこの納屋に引かれました。私達にとってお宝の山です!!

 

 

 

 


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