みなさんこんにちは。
近年の夏の暑さからエアコンの設置が新築時標準になりつつあります。
私のほぼ外気温の部屋にもりっぱなエアコンが付いていますが、動かすのは年に数日、合計10時間ほど
出費を抑える為に我慢に我慢を重ねます。
暖房はファンヒーターよりランニングコストがやすいのは理解しているのですが、なんせ寒冷地長野県。
暖房特化でないエアコンではちょっと物足りず灯油を室内でがんがん燃やします。
結果結露でびちょびちょに
さて、私の築50年のアパートは参考になりませんが、最近の住宅って性能高いんですよね。
そこでエアコン何畳用のものを設置すればいいの?との質問を多くいただくので今回はそのお話
エアコンのカタログを見ると、詳細な付加機能や畳数表示などが所狭しと書かれています。
ただし、畳数表示は木造と鉄筋コンクリート造くらいの分類で、しかも「暖房:6~7畳」のような表記となっています。
これらは、どのメーカーのカタログを見ても共通しています。
実際には、木造あるいは鉄筋コンクリート造といっても、戸建て住宅か集合住宅かで状況は異なります。
仮に集合住宅なら、必要な冷房能力は、窓がどの方位にどれだけあるのか、庇(ひさし)がついているのかいないのか、西日が隣家などで遮られているのか――などによって大きく異なります。
一方、必要な暖房能力は、上下左右の部屋が何部屋に囲まれているのか、断熱性能はどのくらいか、気密性能はどのくらいか、主たる窓の方位はどちらを向いているのか――などによって、同じ畳数でも5倍程度も異なってきます。
冷房、暖房ともにこれだけ不確定要素が多い中で、畳数表示が一般例として通用していることは、実は驚くべきことなのです。
畳数表示は1964年に制定されてから一度も変わっていません。しかも、当時の「無断熱住宅」に合わせて表示されているのです。
エアコンの燃費は大幅に向上しましたが、定格の冷房能力や暖房能力に関しては50年前も今も同じ能力です(気流制御などの細かな機能の差、最大能力の差は除きます)。
この50年間で住宅の断熱性能や気密性能は大幅に向上したのに、畳数表示と必要能力の関係は見直されていないようです。
これは、年間800万台ものエアコンが適切な負荷計算をしなくても売れているが故の「触れてはならないタブー」であったように思います。
では現在の住宅ならどう選べばいいでしょう。
冷房は日射条件によって大きく変化するので、単純計算がほぼ不可能です。よって今回は暖房に絞って検証してみます。
必要暖房能力に関しては、断熱性、気密性、日射取得の3項目が大きく効いてきます。ただ、冷房と同様に日射取得は建物によって大きく状況が異なるので省略して考えます。
とはいえ、冷房とは違い、暖房で日射を無視することは不利側で容量計算することになるので、むしろ安全率は高くなります。
必要暖房能力=(Q値+C値/10)×面積×(設定室温-その地域の年間最低温度)
最近の住宅(当社物件)で計算しますと…
40坪(80畳)の住宅で6畳用エアコンで足りてしまいます
そうはいってもエアコンはフル運転しているときは効率が半分くらいに落ちますので少し余裕のある規格を選びましょう。
その一方で、ほとんどの人は比較的新しい住宅にも関わらず、実際の畳数どおりか、一回り上の機種を選んでいると思います。
しかし、これは非常にもったいないと同時に、過大機種を弱運転しすぎることにもつながり、燃費まで悪くなっていると考えられます。
エアコン販売に携わるプロは、断熱性能や気密性能などの知識を持っていないだけでなく、実際の住宅を見て断熱性能や気密性能を尋ねることもないと思います。
極めて当たり前の話なのですが、仮に知識を持っていたとしても、容量の小さな機種を売ることで売り上げが下がり、冷暖房の効果が得られなかった時はリスクを犯すことになります。
そのような理由から、定格能力が小さな機種を選定することはほぼないはずです。
計算ができる優秀な設計者にエアコンを選択してもらうか、自己責任において顧客自身が計算するしか方法がなさそうです。
近年の夏の暑さからエアコンの設置が新築時標準になりつつあります。
私のほぼ外気温の部屋にもりっぱなエアコンが付いていますが、動かすのは年に数日、合計10時間ほど

出費を抑える為に我慢に我慢を重ねます。
暖房はファンヒーターよりランニングコストがやすいのは理解しているのですが、なんせ寒冷地長野県。
暖房特化でないエアコンではちょっと物足りず灯油を室内でがんがん燃やします。
結果結露でびちょびちょに

さて、私の築50年のアパートは参考になりませんが、最近の住宅って性能高いんですよね。
そこでエアコン何畳用のものを設置すればいいの?との質問を多くいただくので今回はそのお話
エアコンのカタログを見ると、詳細な付加機能や畳数表示などが所狭しと書かれています。
ただし、畳数表示は木造と鉄筋コンクリート造くらいの分類で、しかも「暖房:6~7畳」のような表記となっています。
これらは、どのメーカーのカタログを見ても共通しています。
実際には、木造あるいは鉄筋コンクリート造といっても、戸建て住宅か集合住宅かで状況は異なります。
仮に集合住宅なら、必要な冷房能力は、窓がどの方位にどれだけあるのか、庇(ひさし)がついているのかいないのか、西日が隣家などで遮られているのか――などによって大きく異なります。
一方、必要な暖房能力は、上下左右の部屋が何部屋に囲まれているのか、断熱性能はどのくらいか、気密性能はどのくらいか、主たる窓の方位はどちらを向いているのか――などによって、同じ畳数でも5倍程度も異なってきます。
冷房、暖房ともにこれだけ不確定要素が多い中で、畳数表示が一般例として通用していることは、実は驚くべきことなのです。
畳数表示は1964年に制定されてから一度も変わっていません。しかも、当時の「無断熱住宅」に合わせて表示されているのです。
エアコンの燃費は大幅に向上しましたが、定格の冷房能力や暖房能力に関しては50年前も今も同じ能力です(気流制御などの細かな機能の差、最大能力の差は除きます)。
この50年間で住宅の断熱性能や気密性能は大幅に向上したのに、畳数表示と必要能力の関係は見直されていないようです。
これは、年間800万台ものエアコンが適切な負荷計算をしなくても売れているが故の「触れてはならないタブー」であったように思います。
では現在の住宅ならどう選べばいいでしょう。
冷房は日射条件によって大きく変化するので、単純計算がほぼ不可能です。よって今回は暖房に絞って検証してみます。
必要暖房能力に関しては、断熱性、気密性、日射取得の3項目が大きく効いてきます。ただ、冷房と同様に日射取得は建物によって大きく状況が異なるので省略して考えます。
とはいえ、冷房とは違い、暖房で日射を無視することは不利側で容量計算することになるので、むしろ安全率は高くなります。
必要暖房能力=(Q値+C値/10)×面積×(設定室温-その地域の年間最低温度)
最近の住宅(当社物件)で計算しますと…
40坪(80畳)の住宅で6畳用エアコンで足りてしまいます

そうはいってもエアコンはフル運転しているときは効率が半分くらいに落ちますので少し余裕のある規格を選びましょう。
その一方で、ほとんどの人は比較的新しい住宅にも関わらず、実際の畳数どおりか、一回り上の機種を選んでいると思います。
しかし、これは非常にもったいないと同時に、過大機種を弱運転しすぎることにもつながり、燃費まで悪くなっていると考えられます。
エアコン販売に携わるプロは、断熱性能や気密性能などの知識を持っていないだけでなく、実際の住宅を見て断熱性能や気密性能を尋ねることもないと思います。
極めて当たり前の話なのですが、仮に知識を持っていたとしても、容量の小さな機種を売ることで売り上げが下がり、冷暖房の効果が得られなかった時はリスクを犯すことになります。
そのような理由から、定格能力が小さな機種を選定することはほぼないはずです。
計算ができる優秀な設計者にエアコンを選択してもらうか、自己責任において顧客自身が計算するしか方法がなさそうです。