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選手村の自動運転バスがパラ柔道視覚障害選手をはねる事故が発生・無念の負傷欠場/東京五輪の危うさR8-10

2021年08月31日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.118
ROUND8 コロナ禍・猛暑下の東京五輪開催の過ち検証編 10
選手村の自動運転バスがパラ柔道視覚障害選手をはねる事故が発生・無念の負傷欠場

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選手村で人身事故を起こしたトヨタのeパレット

■北薗選手は全治2週間の軽傷を負い多年の努力も水の泡に、卓球選手もリフトから落下
毎日新聞記事より/東京パラリンピックの選手村(東京都中央区)で8月26日、柔道(視覚障害)の男子81キロ級に出場する北薗新光(あらみつ)選手(30)が、自動運転中の巡回バスに接触し、頭と両足に全治2週間の軽傷を負ったことが警視庁月島署への取材で判明した。バスには大会関係者数人が乗っていたが、けがはなかった。選手村では大会関係者らが村内を移動する際の巡回バスとして、トヨタ自動車が開発した大型の電気自動車「eパレット」が使われている。同署によると、事故は26日午後2時ごろに発生。選手村内の横断歩道を渡っていた北薗選手が、右折してきたバスと接触した。選手村内に信号はないという。バスは村内を自動運転で24時間運行し、ドアの開閉などのためにオペレーター2人が乗っていた。事故直前、バスは横断歩道の手前で交通誘導する警備員を感知し、一旦止まったが、オペレーターが発進ボタンを押してバスが走り出した直後に北薗選手と接触したという。オペレーターは「(北薗選手が)道路に出てくると思わなかった」と話しているという。北薗選手は28日の試合を欠場した。

北薗選手が自動運転中の巡回バスに接触して軽傷を負った事故を受け、バスを提供したトヨタ自動車の豊田章男社長は27日夕、オンラインで緊急に記者会見し「こういう接触事故により多くの方々にご心配をおかけし、大変申し訳ない」と謝罪した。豊田氏は、今回のバスが採用している自動運転技術について「パラリンピックの会場で目が見えない方への想像力が欠けていた。接触部は死角で、事故は避けられなかった」との認識を示した。事故を受け、車両の接近を知らせる電子音の音量を2倍にするなどの対策も明らかにしたが、捜査などとの関係で大会期間中の自動運転の再開は見通しが立っていない(投稿者補足:原因解明されぬまま再開された)。一方、同じ26日に卓球会場の東京体育館のバス乗降場で車いすの選手がリフト付きバスから降車する際、リフトのワイヤが切れて落下する事故があった。選手は会場の医務室で診断を受け、痛み止めの薬を処方されて練習に参加し大きな事故には至らなかった。27日に輸送の責任者が選手らに謝罪した。事故後は当該のバスを使用しておらず「全てのバスのリフトについては現在使用前の点検で動作確認を行っている。入念な点検を徹底したい」と述べた。

投稿タイトル付けは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が行ったものです。

■そもそも”開発途上中”のシステムを障害者用に使うことが間違っている(障害者を運用実験に)
多年に渡り厳しい練習に耐え頑張ったのに、こんなことで欠場とは本人はもちろん私達もやり切れない。選手村での交通事故、障害者が被害を受けることは絶対あってはならぬ、見過ごすことはできない。報道発表は「接触」になっているが、頭と両足に全治2週間の軽傷、試合に出られないほどなので、普通は「撥(は)ねた」「轢(ひ)いた」と言うべきであろう。月島警察署も、組織委とメインスポンサー・トヨタへの配慮(忖度)が見られるのではないか。あるいは逆に、両者が警察に”穏便に”と圧力を掛けたか? 別の報道では、国際パラリンピック委員会(IPC)のクレイグ・スペンス広報部長は、「選手が道路上でつまずいて転倒した可能性もあるかもしれない」とコメント。しかしバス側から事故発生時の映像を確認したという組織委の山下聡・大会運営局長は「私が見た映像では、歩行者がつまずいたのは確認していない」と否定した。いずれにしても組織委員会の報告・謝罪が遅い。選手を守るべき組織が、逆にコトを小さく見せようとしているのは否めない。ここにもオリパラ組織委の傲慢さが出ている。

組織委とトヨタどちらが選手村に自動運転バスの運用を仕掛けたか不明だが、パラリンピック・障害者を舐めている。自動運転車両はかなり精度が上がったとは言えまだ完璧ではなく、言わば”開発途上中”だ。それをこともあろうに、障害者用に使うことはそもそも間違っている。トヨタ・豊田社長自ら「目が見えない方への想像力が欠けていた」コメントは、無責任過ぎる。失礼ながら障害者は、ややもすれば不規則な行動を取る。自動システムがあっても、障害者のことを考えればやめるのが「普通」の考え方だ。そもそもパラ選手村で使うこと自体が誤りだ。これでは障害者を”ダシ”にして、運用実験したと言われても仕方ない。組織委もトヨタも、パラリンピック・障害者を理解していなかったことだ。オリパラに限らず一般論として、完全自動運転車の場合、事故を起こした責任が明確になっていない。開発した自動車会社か(補助としてオペレーターが乗っていればその人か)、全体のコンピュータ制御・運行を構築したシステム会社か、採用し実際に運転をしている地方自治体や民間企業か、どこの責任なのか? 日本の技術を世界に見せたかったんだろうけど、軽率・早計だった。

Sankoub
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