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リオ五輪・日本勢のメダルラッシュは東京大会を控え選手強化費を増加したため/東京五輪の危うさR6-2

2021年04月28日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.63
ROUND6 オリンピック精神を忘れた2020東京オリンピック編 2
リオ五輪・日本勢のメダルラッシュは東京大会を控え選手強化費を増加したため

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ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2016年9月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

■世界各国もメダル獲得数は選手強化費の多さと相関がある
2016年リオデジャネイロオリンピックでは、日本勢は金メダル12、銀2、銅21、計41個のメダルラッシュに沸きました。あの感動に水を注すことになってしまいますが、日本選手が活躍できたのは、次回・東京オリンピックを迎えるために選手の強化費を増強したからです。東京招致が決まった2013年には32億円だったものが、2016年には約3倍の87億円に拡大しました。スポーツ関連予算全体では、324億円にも達します。来年以降は、直接の選手強化費だけでも100億円を突破、東京オリンピックが近づくに連れ200億円以上に膨れ上がるとも言われています。スポーツ評論家の玉木正之氏・為末大氏・当のJOC幹部も、選手強化費(国民の税金)とメダル獲得数はかなり相関関係が強いと指摘します。

誤解して欲しくないことは、体操・柔道・レスリングなどメダルを獲得した選手は、個人の技術能力が高いことは言うまでもありません。ただそれだけでは、長い間、厳しい国際試合には勝てません。能力の高さを前提に、選手強化費、コーチの指導など国家予算の補助が必須です。若い選手でも、早い時期から強化費によって伸ばす意味も含まれます。強化費の効果は、今も昔も・世界各国でも強烈に表われます。1964年の前回東京大会では、国威発揚もあり16個の金メダルを獲得しました。しかしその後、国は強化を怠ったため、1996年のアトランタ大会のメダル数はどん底に落ち込みました。その惨敗から選手だけの努力では限界があると判断され、税金による選手強化費や600億円以上を掛けた数か所の選手専用トレーニングセンターを設立、21世紀に入るとメダル数も伸びてきています。

■開催国の課題は大会後の選手強化の程度がその後のメダル数に影響する
中国・イギリス、そして日本のメダル獲得数の変遷を上図で表すと、共通した傾向が見出せます。2008年・北京大会、2012年・ロンドン大会を例に取ると、いずれも招致決定は大会開催の7年前です。赤字は招致決定直後の大会(4年前)、太字は地元開催時の数です。招致後の大会ではメダル数が伸び、そして地元開催大会になると“爆発的”に獲得数が増大します。地元の有利さ・応援の多さもさることながら、やはり開催国の面子から強化費が「爆発的」に増えたからです。この傾向は3か国に限ったことではなく、過去、オリンピックを開催したいずれの国の流れです。選手のたゆまぬ努力と苦労の結果が、メダルを勝ち取ったとオリンピックを純真に見る方も多いことでしょう。しかし現実を見れば、オリンピックは選手の才能や努力だけでは勝てなくなってきているのです。

地元開催後の選手強化の顕著な例は、良い例としてイギリス・悪い見本は中国です。リオ大会では、中国は惨敗に終わりました。北京大会から8年が経過し、強化された当時の選手が世代交替、また“国威発揚”のために開く国は大会成功だけが目的のため、その後は選手強化を疎かにしてしまうのです。一方、イギリスは、ロンドン大会を機会に自国民のスポーツ参加を強く促しました。また選手強化も、しっかりしています。図表のように中国は次のロンドン大会の時点で、既にメダル数が大幅減少に至っています。しかしイギリスは、ロンドン⇒リオ大会との比較では、金メダルは2つ減らしたものの全体のメダル数は増やしています。金メダルだけを見るなら、あの中国より1つ多いのです。イギリス全体が本当にスポーツ強化されたかどうかの結果は、2020年の東京大会に表われます。日本は「国策型」なので、東京大会では大きくメダル数を増やすでしょう。しかし肝心なことは、その後の大会です。

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■オリンピックの価値はメダル獲得数ではなく選手の素晴らしいプレーや感動
ここからは、余談です。選手は今までの努力や大勢の応援に対して、メダルが重いと言います。しかし実際の重量も、本当に重いのです。リオ大会のメダルは、直径8.5cm・厚さの最大部は11mm、500gもあるのです。ペットボトル500mm入りに相当し、3個獲得した選手が首に吊るせば1.5kgです。肩凝りや首筋を悪くしそうです。金メダルは全て金が使われていると思っている方がいますが、銀の地金に金メッキしたものなので、値段は約6万円弱です。規定では直径60mmだそうですが、アテネ大会から現在の寸法に大型化されました。また勝利の女神ニケは、以前はメダルの左側に鎮座していましたが、現在は中央に翼を広げたデザインに変わっています。ずっとメダルを語ってきましたが、オリンピックを「メダル獲得数」で片付けてしまうのは相応しくありません。言うまでもなく、オリンピックやスポーツの本質は選手の素晴らしいプレーや感動です。

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