食品のカラクリと暮らしの裏側

食品の安全・安心が総崩れ、また政治・社会の矛盾や理不尽さも増大
暮らしの裏側の酷さやまやかし、危険性・不健全さに迫る!

五輪カヌー競技の会場計画で野鳥の楽園・葛西臨海公園の1/3が潰され掛かった/東京五輪の危うさR2-3

2021年04月10日 | 東京五輪の危うさ
Oiympictp2 少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.12
ROUND2 迷走する会場選定・巨額の建設費編 3
五輪カヌー競技の会場計画で野鳥の楽園・葛西臨海公園の1/3が潰され掛かった

Wjpn19640623_01オリンピック募金切手のご案内・第6次(カヌー) 1964年発行

ブログを移転したため、投稿日と記事の日時・状況と整合性がありません。記事は2015年2月、旧ブログに投稿したものです。アスリートファーストの尊重は微塵もなく、政治家・経済界・五輪関係者などは己の思惑・利益・保身のために、東京オリンピックの悪用が目に余ります。年月が経過しても、ブログにてその検証や事実を残しておく必要があると考えます。

8km圏内に無理やり東京オリンピック会場を設置することから、当初の計画では自然の宝庫・野鳥の楽園である葛西臨海公園の1/3が無惨に潰され、カヌー(スラローム)競技会場にする予定でした。しかし生態系を崩し美観も相応しくないため、日本野鳥の会や多くの方の建設反対活動が実を結び、何とか葛西臨海公園・西隣の都下水処理施設の一部に設置することに軌道修正したようです。そもそも野鳥の楽園・葛西臨海公園の多くを潰して、人工的なカヌー競技を行うなど狂気の沙汰でした。

葛西臨海公園は東京ドーム17個分の敷地に、200種以上の野鳥を確認、スズガモが6万羽も飛来します。樹木も11万本も生い茂る、海と林・湿地が連続する多様な生態系が知られ、年間300万人が訪れる場所です。“自然”と申し上げましたが、元々は1970年代に東京都が900億円以上を掛けて海岸を埋め立てたものです。当時は高度成長期で沿岸は汚染が広がり、東京の海を蘇らせる目的で40年を掛けた結果、多くの野鳥や昆虫、樹木が共存するようになったのです。

スラローム種目は、本来、激流の川の中で旗門を通過する競技です。しかし人工的な300mのスラロームを作り、毎秒13トンもの水流を流すのです。簡単に言えば、豊島園の流れるプールの“超・激流版”です。それだけではなく、循環施設や巨大な貯水池が必要な異様コンクリート施設で、15,000人収容の観客席も作る計画です。そのため、使用電力の異常さも問題です。当初計画が変更されたとはいえ、自然溢れる公園のすぐ隣に建設することは、全く自然の大切さを分かっていません。

都はオリンピック後も常設し、ラフティングなどXゲームのような施設を考えています。一方、以前から野鳥の会や自然を保存しようとする人達によって、葛西臨海公園を国際的に重要な湿地を守るための「ラムサール条約」に登録する動きが強まっていました(人工の湿地でもOK)。にも関わらず、隣に作るのだから問題ないとする都は、極めてセンスがありません。実に、自然・美的感覚に乏しいことでしょう。こんな所にオリンピック会場・レジャー施設を作れば、世界から笑い者にされるだけです。

葛西臨海公園の隣の案も、白紙にすべきです。次号で説明しますが、ボート競技会場、東京湾の「海の森水上競技場」でも莫大な建設予算が見込まれ、高波・強風などの競技条件が悪く頓挫しています。そこで、埼玉・戸田市の「彩湖」の会場案が浮上しています。近辺は広い敷地の総合運動公園があり、ここでボート・カヌー(スプリント)競技を行い、スラローム施設も隣接すれば極めて相乗効果や今後の利用価値が高まります。オリンピック後を考えた、会場選定・施設作りが求められます。

▽最終決定会場 追記
カヌー(スラローム)競技  葛西臨海公園・近隣 (新設)

Tpjw06b3020228079

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東京オリンピック競技場の建... | トップ | ボート・カヌー会場はレース... »
最新の画像もっと見る

東京五輪の危うさ」カテゴリの最新記事