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共同親権①松尾貴史氏コラム◇離婚後、母子への悪影響多大!政府自民党の想像力の欠如に驚く/少数派

2024年05月08日 | 社会の弱者・人権
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/社会の弱者・人権
共同親権①松尾貴史氏コラム◇離婚後、母子への悪影響多大!政府自民党の想像力の欠如に驚く 

Matsuoiwakan
毎日新聞の日曜版、「松尾貴史のちょっと違和感」というコラムからの記事をご紹介します。
松尾貴史氏はコラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*投稿タイトルは、新聞の原題・原文に基づいて投稿者が行ったものです。


 ↓ ↓ ▽松尾貴史氏のコラム

■これでは結婚に踏み切れない人たちが続出・自民党は「日本人を減らす」方向に突っ走る
「政治に必要なのは、言葉と想像力と、ほんの少しのお金」という書籍を出したのは、政治ジャーナリストの岩見隆夫さん(故人)だった。自分の周辺と、記号的な人間関係しか見えない人間が政治家になると、多くの国民が迷惑する。離婚後共同親権を導入しようと、自民党が躍起だ。衆議院法務委員会で、谷川とむ議員が「ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待がない限り、離婚しづらい社会になるほうが健全だ」という珍奇な意見を述べて物議を醸した。誰だって結婚するときは、一緒に幸せになろうと考えて夫婦になる。しかし、未来のことなど誰にもわからない。やむにやまれぬ事情や、全く想定していなかった事態が起きて関係が修復できなくなるなど、いくらでもある。ドメスティックバイオレンスや虐待だけが決定的な破局理由とは限らないし、我慢できない状態というのはその種類も程度も人によってさまざま。離婚しにくい制度などを政治家に設計されるのは国民にとって迷惑千万な話だ。彼は、X(ツイッター)で「愛する子どもを連れ去られない限り、連れ去られた人の気持ちはわからない。虚偽DVの汚名を着させられなければ、その辛(つら)さはわからない」などと投稿、正当化しようとしている。

虚偽DVというものがどれほど社会問題化しているのかは知らねど、よほどつらい状況がなければ、子どもを連れて逃げようと思うはずがない。「連れ去られ」などという被害者風の表現にも気色の悪さを感じるが、生活や収入を捨て、人間関係を絶ってまで身を隠そうとする母子の状況が本当にわかっているのだろうか。そんな状態を長引かせることが、子どもの情操にどれほどの不利益を生むかに、わずかな想像力も使えないことに驚くばかりだ。「連れ去られたほうがつらい」という主張からは、「連れ去り」呼ばわりされた側、つまりその人から逃げ出さざるを得なかった者や子どものつらさには、全く思いが至っていないと伝わってくる。対立の長期化が子どもに悪影響を与えるのは目に見えている。共同親権の場合、親同士の価値観の相違が原因で対立が生まれ、例えば教育方針や生活環境についての相違が深刻化すれば、それは誰かが間に入って解決できるような単純なものではない。そもそも、夫婦間でコミュニケーションが取れたり協力できたりするのであれば、離婚に至る可能性は低い。しかし、やむを得ず離婚した、あるいは別居状態になったとき、これまでたまった感情が爆発したり、過去の問題が蒸し返されたりして、2人が協力的になれるケースは極めて少ないだろう。

共同親権になった場合、片方の親が他方に比べ不利益を被る場合がある。子どもの世話や教育に片方の親が積極的に関わると、もう一方はその機会を奪われる可能性がある。子どもは物理的に、二つの学校や二つの塾に通うわけにはいかないだろう。さらに共同親権だと、「高校無償化」などの所得制限に引っかかってしまう可能性もある。元夫婦の収入を合算して受給資格の認定をするというのだ。だから、シングルマザーなどは所得が低いため受給資格があったのに、共同親権ならば元夫婦の収入が合算されてしまい、逆に「高所得だ」と認定されてしまうケースがありうる。しかしその実情は、高所得の夫が養育費をろくに払わず、経済状態の厳しいシングルマザーのまま、にもかかわらずだ。そもそも、現在の日本では、母子家庭に対する養育費の未払いは7割にも上る。養育費を全く払わない元配偶者と合算するなど、天下の愚策ではないか。養育費を強制的に徴収する案もない。「離婚しにくい社会」になれば、離婚を恐れるがあまり、結婚に踏み切れない人たちが続出するのは明白だ。ここまで現実を見ない政治をされると、自民党はあえて「日本人を減らす」方向に、突っ走っているとしか思えない。

■投稿者の文章|感想は次号に記載しています(下記リンク)

Sankoub
共同親権②母子には虐待・DVの他に「高校授業料無償化」など公的支援から除外の懸念

Ntopkeiji

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