食品のカラクリシリーズ 野菜ジュース/飲料
あなたが飲んでる野菜ジュースの中身はフルーツジュースなのでは?
野菜より果汁が多い“野菜風ジュース”は野菜不足・糖分の摂り過ぎ
写真はトマトジュースです
■野菜が多いと思わせる商品名でも果実70%のジュースもある
あなたが飲んでいる野菜ジュースは、もしかしたらフルーツジュース(果汁)かも知れませんよ。皆様は、野菜ジュースとトマトジュースは容器のラベルが似ているけど、壜のフルーツジュースとは間違えません!そう答えるでしょうね(笑)。商品名「緑の野菜」「野菜生活」などは、野菜が100%入っているようにイメージさせます。しかし、「野菜生活100」には、「野菜汁50%+果汁50%=100%」と小さな字で書かれています。「緑の野菜」に至っては、野菜30%+果汁70%と野菜・果実比が逆転しているのです。
野菜以上にオレンジや蜜柑などの果汁が入っており、まるでミックスフルーツジュースのような商品ばかりが並んでいます。これらは、「野菜ジュース」とは呼べません。食品表示法では、野菜が50%しか含まれていないものは、「野菜・果実ミックスジュース」として区分しています。メーカーは、葉物野菜を飲みやすくするために、果汁を多く入れていると弁明します。しかし野菜がふんだんに入っているようなラベル(絵柄)になっており、お客様の“勘違い”を前提にした商品なのです。
多くの商品が紛らわしいイメージのまま販売しており、これからは騙されないように、「野菜ジュースは必ずしも野菜が100%入っていない」ものと理解し、商品選びをしましょう。もちろん、野菜100%の製品も販売されています~でもトマトの割合が多いのです。健康に良かれと、知らないまま野菜よりも果汁が多い“野菜風フルーツジュース”を飲めば、皮肉にも野菜不足・糖分の摂り過ぎになってしまいます。
■野菜ジュース1本飲めば野菜1日分摂れる錯覚表示品に注意
さらに酷いのは、「1日分の野菜△△」(商品名)や「野菜350g使用」と、これ1本を飲めば、あたかも1日の野菜摂取量350gの栄養分を賄えるかのようなネーミングや説明が付いた商品もあります。しかし裏側のラベルには、小さな字で「加工によって失われる成分もある」などと逃げの手を打っています。ふざけたことにメーカーも、かなり栄養分が減衰している事実を認めています。これも、お客様の“勘違い”を前提にした商品なのです。
国民生活センターの調査では野菜ジュースを分析した結果、大半の商品はビタミンC・食物繊維・カルシウム・ミネラル(鉄分)が低く、特に食物繊維が少ないことが判明しました。大事な食物繊維は、真っ先に取り除かれてしまいます。ジュース加工時(濃縮還元・下記参照)に加熱したり、汁を搾る際に肝心な野菜のカスを取り除いてしまうためです。野菜を食べることと野菜ジュースを飲むことは、全く別次元なのです。本当なら野菜ジュースに頼らず、野菜そのものを多く食べましょう。
野菜ジュースだけで1日350gの野菜は摂れず、専門家も飽くまでも野菜や食生活を補助する程度のものと言っています。野菜ジュースを過信したり、同様に商品の表示をよく見ないと、却って野菜不足に陥ります。意図的に紛らわしくしている表示は、メーカーの悪意を感じます。買う際は、こういうことを理解した上でラベルを確認しましょう。野菜ジュースの実態が、お分かり頂けたかと存じます。
■使われる野菜は中国など世界から集めた濃縮還元
野菜ジュースだけでなく、フルーツジュースでも「濃縮還元」の文字を見ます。濃縮還元とは、世界の野菜生産国では予め出荷前に水分を飛ばし、体積を1/6に濃縮します。それを日本に到着してから、水で薄める(還元する)製法です。そのため、かなりの栄養素や香りが失われます。そのままでは不味く飲めないため、香料や酸味料、工業的なアミノ酸などの食品添加物を加えます。このようにフルーツジュースや野菜ジュースは、搾り立てのジュースがそのまま入っているのではないのです。
濃縮還元の製造方法によって、中国・台湾・インドネシア・南アフリカなど世界20か国から野菜汁を集めてきます。使われる野菜成分量の90%以上が、外国産です。特に中国で生産された野菜は、農薬・抗生物質など何が入っているか分からない怖さがあります。問題は日本で還元されることから、「国産」と表記してもいい、おかしな法律が存在するのです。実際は製品のほとんどが、国産も原産国の表示もしていません。従って野菜ジュースを飲むなら、産地不明の外国産と覚悟すべきです。
果汁100%のオレンジジュースは多くのポストハーベスト農薬を飲むことに
果汁100%のジュースを飲むなら濃縮還元よりストレートジュースを