少数派シリーズ/二度と戦争を繰り返すな(GDP2%の大軍拡3)
防衛費GDP2%への軍事国家づくり狙う年5兆6千億円の増額、暮らしをつぶす大軍拡許すな
やくみつる氏/しんぶん赤旗掲載
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/岸田文雄首相が軍事費を今後5年以内に大きく増やし、2027年度に関連経費と合わせ国内総生産(GDP)比で2%にするよう浜田靖一防衛相と鈴木俊一財務相に指示しました。これまで軍事費はGDP比1%程度の水準が続いていましたが、2倍近い大軍拡となります。首相は、将来にわたり軍事費を維持・強化するための財源を確保する措置を年末に決定することも求めました。国民の暮らし関連予算の削減、所得税や消費税などの大増税に道を開くものです。首相は浜田、鈴木両氏に対し ▽「防衛力」の抜本的強化の中核となる「防衛費」について5年以内に緊急的に強化を進める必要がある ▽27年度に「防衛費」と補完する取り組み(関連経費)を合わせ、現在のGDPの2%に達するよう予算措置を講じる ▽「防衛力」は27年度以降も維持・強化していく必要があり、これを安定的に支えるためのしっかりとした財源措置が不可欠である ▽23年度から27年度まで5年間の「中期防衛力整備計画」の予算規模と歳出・歳入両面での財源確保の措置を年末に一体的に決定する―と伝えました。
首相が「防衛費」増額の具体的水準を示したのは初めてです。防衛省所管の「防衛費」に新たに加算する関連経費は、首相が設置した有識者会議の報告書が示した「総合的な防衛体制の強化に資する経費」が中心になるとみられます。具体的には、科学技術、公共インフラ、サイバー安全保障、国際的協力の4分野で、これまで他省庁の予算とされてきたものです。このほか、海上保安庁の予算なども加えるとされます。現在のGDPの2%はおよそ11兆円に上ります。22年度当初予算の「防衛費」は、約5兆4000億円です。関連経費を合算したとしてもGDP比2%を実現するには、約5兆6000億円の増額が必要になります。「防衛費」そのものの大幅増は避けられません。しかも、関連経費は、科学技術の分野では、軍事力強化につながる研究開発を政府と大学、民間機関が一体となって推進するためのものです。公共インフラは、沖縄県など南西地域(特に宮古、石垣など先島諸島)の空港・港湾を自衛隊などが軍事利用できるようにするための経費です。軍事優先の国家づくりが狙いです。
首相は指示の中で、財源に関し「まずは歳出改革」とした上で、歳入面で「安定財源」の必要性を強調しました。有識者会議の報告書は「幅広い税目による(国民)負担が必要」としつつ、法人税を上げることについては「企業の努力に水を差すことのないよう」にと配慮の姿勢を示しています。個人所得税や、さらには消費税の増税につながる恐れが大です。首相が指示した「防衛費」増の中心となるのは、相手国のミサイル発射拠点などをたたく「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有です。「抑止力の強化」が口実ですが、日本が他国を攻撃する能力を持てば相手国はそれを上回る攻撃力を持とうとし、無限の軍拡競争を招くだけです。「抑止」が破綻すれば被害はいっそう甚大になります。国民の暮らしを押しつぶし、日本を危険にさらす大軍拡は決して許されません。
投稿者によって一部割愛や接続文章等の修正・補足、投稿タイトルは
新聞の原題・原文に基づき、若干、付け加えております。
■投稿者の文章|軍拡反対!③無理な軍拡より、戦争を起こさない・起こさせない政治努力を求めたい
故・安倍首相の持論だった、相手国が日本への攻撃を準備している動きを見せたら、先にミサイル発射拠点などを叩く「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有は狂気の沙汰だ。戦争を知らない安倍氏のオボッチャマ的感覚を、岸田首相はそのまま引き継ぐ。米国から巡航ミサイル「トマホーク」を購入する計画で、1発1~2億円・500発を買うそうだ(関連機材を含むと3217億円)。そもそも米国は最新鋭の機種は日本には売らず、湾岸戦争時代の“払い下げ”的な機種を引き渡されそうだ。時速880kmとジェット旅客機並みで、ミサイルとしては「低速」なので敵基地到着のだいぶ手前で撃ち落とされてしまう。「敵基地」とは北朝鮮、中国、ロシアのどこを示すか分からないが、例えば中国は高性能な中距離ミサイルだけでも2000発以上もっていると言う。彼らが配備している弾道ミサイルや極超音速兵器の速度は音速の数倍から10数倍で、トマホークは”おもちゃ”に過ぎない。そもそも3か国だけでも核ミサイル100発以上が、常時、東京・大阪の都市、自衛隊基地や日本の米軍基地に、照準を合わせている。日本が一旦ミサイルを撃ち込んでも敵陣をつぶせず、反撃によって日本中が火の海・放射能の海になることは誰でも分かる。日本が他国を攻撃する能力を持てば相手国はそれを上回る攻撃力を持とうとし、早々に日本は軍拡競争に負ける。防衛省や自衛隊はその恐怖の実態を把握しているので、3か国を刺激しないようにしている。一方、その発想さえできないのが、生存中の際のお粗末な考え方だった安倍氏であり岸田氏だ。無理な軍拡より、戦争を起こさない・起こさせない政治努力を求めたい。
防衛費GDP2%への軍事国家づくり狙う年5兆6千億円の増額、暮らしをつぶす大軍拡許すな
やくみつる氏/しんぶん赤旗掲載
投稿はしんぶん赤旗を活用しております/岸田文雄首相が軍事費を今後5年以内に大きく増やし、2027年度に関連経費と合わせ国内総生産(GDP)比で2%にするよう浜田靖一防衛相と鈴木俊一財務相に指示しました。これまで軍事費はGDP比1%程度の水準が続いていましたが、2倍近い大軍拡となります。首相は、将来にわたり軍事費を維持・強化するための財源を確保する措置を年末に決定することも求めました。国民の暮らし関連予算の削減、所得税や消費税などの大増税に道を開くものです。首相は浜田、鈴木両氏に対し ▽「防衛力」の抜本的強化の中核となる「防衛費」について5年以内に緊急的に強化を進める必要がある ▽27年度に「防衛費」と補完する取り組み(関連経費)を合わせ、現在のGDPの2%に達するよう予算措置を講じる ▽「防衛力」は27年度以降も維持・強化していく必要があり、これを安定的に支えるためのしっかりとした財源措置が不可欠である ▽23年度から27年度まで5年間の「中期防衛力整備計画」の予算規模と歳出・歳入両面での財源確保の措置を年末に一体的に決定する―と伝えました。
首相が「防衛費」増額の具体的水準を示したのは初めてです。防衛省所管の「防衛費」に新たに加算する関連経費は、首相が設置した有識者会議の報告書が示した「総合的な防衛体制の強化に資する経費」が中心になるとみられます。具体的には、科学技術、公共インフラ、サイバー安全保障、国際的協力の4分野で、これまで他省庁の予算とされてきたものです。このほか、海上保安庁の予算なども加えるとされます。現在のGDPの2%はおよそ11兆円に上ります。22年度当初予算の「防衛費」は、約5兆4000億円です。関連経費を合算したとしてもGDP比2%を実現するには、約5兆6000億円の増額が必要になります。「防衛費」そのものの大幅増は避けられません。しかも、関連経費は、科学技術の分野では、軍事力強化につながる研究開発を政府と大学、民間機関が一体となって推進するためのものです。公共インフラは、沖縄県など南西地域(特に宮古、石垣など先島諸島)の空港・港湾を自衛隊などが軍事利用できるようにするための経費です。軍事優先の国家づくりが狙いです。
首相は指示の中で、財源に関し「まずは歳出改革」とした上で、歳入面で「安定財源」の必要性を強調しました。有識者会議の報告書は「幅広い税目による(国民)負担が必要」としつつ、法人税を上げることについては「企業の努力に水を差すことのないよう」にと配慮の姿勢を示しています。個人所得税や、さらには消費税の増税につながる恐れが大です。首相が指示した「防衛費」増の中心となるのは、相手国のミサイル発射拠点などをたたく「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有です。「抑止力の強化」が口実ですが、日本が他国を攻撃する能力を持てば相手国はそれを上回る攻撃力を持とうとし、無限の軍拡競争を招くだけです。「抑止」が破綻すれば被害はいっそう甚大になります。国民の暮らしを押しつぶし、日本を危険にさらす大軍拡は決して許されません。
投稿者によって一部割愛や接続文章等の修正・補足、投稿タイトルは
新聞の原題・原文に基づき、若干、付け加えております。
■投稿者の文章|軍拡反対!③無理な軍拡より、戦争を起こさない・起こさせない政治努力を求めたい
故・安倍首相の持論だった、相手国が日本への攻撃を準備している動きを見せたら、先にミサイル発射拠点などを叩く「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有は狂気の沙汰だ。戦争を知らない安倍氏のオボッチャマ的感覚を、岸田首相はそのまま引き継ぐ。米国から巡航ミサイル「トマホーク」を購入する計画で、1発1~2億円・500発を買うそうだ(関連機材を含むと3217億円)。そもそも米国は最新鋭の機種は日本には売らず、湾岸戦争時代の“払い下げ”的な機種を引き渡されそうだ。時速880kmとジェット旅客機並みで、ミサイルとしては「低速」なので敵基地到着のだいぶ手前で撃ち落とされてしまう。「敵基地」とは北朝鮮、中国、ロシアのどこを示すか分からないが、例えば中国は高性能な中距離ミサイルだけでも2000発以上もっていると言う。彼らが配備している弾道ミサイルや極超音速兵器の速度は音速の数倍から10数倍で、トマホークは”おもちゃ”に過ぎない。そもそも3か国だけでも核ミサイル100発以上が、常時、東京・大阪の都市、自衛隊基地や日本の米軍基地に、照準を合わせている。日本が一旦ミサイルを撃ち込んでも敵陣をつぶせず、反撃によって日本中が火の海・放射能の海になることは誰でも分かる。日本が他国を攻撃する能力を持てば相手国はそれを上回る攻撃力を持とうとし、早々に日本は軍拡競争に負ける。防衛省や自衛隊はその恐怖の実態を把握しているので、3か国を刺激しないようにしている。一方、その発想さえできないのが、生存中の際のお粗末な考え方だった安倍氏であり岸田氏だ。無理な軍拡より、戦争を起こさない・起こさせない政治努力を求めたい。