有機化学にっき

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JACS ASAP

2005-07-02 10:35:35 | 新着論文
Stable Planar six-π-electron six-membered N-Heterocyclic Carbenes with Tunable Electronc Properties

新規安定カルベンの合成。ボラジンのホウ素原子一つを炭素に変え、isoelectronic構造に着目して新規なNHCカルベンを報告。
Arduengoカルベンに比べて、Rh錯体のカルボニル伸縮電子供与能が高いことがわかります。ホウ素原子上の置換基、窒素原子上の置換基により、立体的な影響のコントロールは応用が期待できます。
Nolanの触媒配位子への応用によって様々な類縁体、合成が報告されてるNHCですが、isoelectronicなボラジンに着目したのが面白い。合成はArduengoカルベンに比べると煩雑そうですので類縁体合成はどのくらいできるのでしょうか。カルベン発生の塩基としてLTMPを用いていますがLDAに比べて沸点が高いため、抽出できない系では抜くのがめんどくさいイメージがあるのですが、なぜLTMPを選んだのかも少し気になりました。

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