"BASQUIAT"（1996）

　バスキア

cast >>  Jeffrey Wright, Claire Forlani, Michael Wincott, David Bowie, Dennis Hopper, Gary Oldman, Benicio Del Toro, Courtney Love, Parker Posey, Tatum O'Neal, Willem Dafoe, Christopher Walken, Jean-Claude La Marre, Vincent Laresca ...
writer / director >>Julian Schnabel（107min）
soundtrack>>


1988年ドラッグ摂取過多のため、27歳でこの世を去ったニューヨークのポップアート・アーティスト、ジャン = ミッシェル・バスキアの生涯を、彼の友人ジュリアン・シュナーベル監督（ "Before Night Falls" ）が映画化 ーーー。“天才” と呼ばれたバスキアの知られざる「光」と「影」を描く。

Basquiat - trailer

1980年代、ニューヨークで有名になることを夢見ていた若きストリート・アーティスト、ジャン＝ミッシェル・バスキア（ジェフリー・ライト  filmography ）。ある日、美術評論家ルネ（マイケル・ウィンコット "Before Night Falls" "Along Came A Spider" ）に注目されたことから、アンディ・ウォーホール（デヴィッド・ボウイ "Merry Christmas, Mr. Lawrence" "Ziggy Stardust And The Spiders From Mars" ）をはじめとする様々なアーティストに認められ、N.Y. のアートシーンで一躍有名になる。しかし、それと引き換えに親友・恋人、そしてルネの心は次第に彼から離れていく・・・・・。

バスキアの恋人ジーナをクレア・フォーラニ（ "The Rock" "Meet Joe Black" ）、親友をベニチオ・デル・トロ（ filmography ）、敏腕画商のブルーノをデニス・ホッパー（ "COLORS" "SPEED" "Easy Rider" ）、アーティストのアルバートをゲイリー・オールドマン（ "LEON" "Hannibal" ）。チョイ役で、もとアーティスト志望だった電気技師をウィレム・デフォー（ filmography ）、バスキアにインタビューするジャーナリストをクリストファー・ウォーケン（ "HAIRSPRAY" "Pulp Fiction" "Man On Fire" "Catch Me If You Can" ）と、豪華な顔ぶれ。

バスキアは17歳頃から、地下鉄やスラム街の壁などにスプレー・ペインティングを始め、高校中退後、Ｔシャツやポストカードを売りながら生計を立てていた。そのスプレー・ペインティングが徐々に評価され、N.Y. で個展を開催するようになる。作品に描かれる「王冠」は彼のトレード・マーク。'83年にウォーホールと知り合い、作品を共同制作するようになり、'87年にウォーホールが他界するまで互いに刺激しあう関係は続いた。しかし、バスキアはヘロインなどの薬物依存症に陥り妄想癖がみられるようになり、結局翌 '88年に他界 ーーー。

いかなる理由で、どんな状況にあったとしても、薬物依存に関しては自業自得でまったく同情の余地ナシですが、夢が叶って有名になれたとしても、その後に苛まれるであろう苦悩は容易に想像できます。誰にも毒されることなく「自分流」を貫き通すことと、ビジネスとして両立させることの難しさ。「成功」と引き換えに失うもの。「自由」と本来の「自分」を失うことは、もはや “アート” としての価値も失うということですから。

劇中の "April in Paris"（ "BIRD" ）に、一瞬気持ちが和みます。ルネの「成功の階段を上るときは、受けた恩を忘れるな！」という台詞・・・その通りですね。ちなみに、バスキアもウォーホールも外見はなかなかイイ味出してます（笑）。