2025年の中国経済は早い速度で縮小し、歪が出て来ている。そこには、就職氷河期の若い世代の砕かれた夢と生き残るための闘いが隠されている。証券会社、銀行、プライベートエクイティ会社‥金融セクターも大きな影響を受けた。中国建設銀行とモルガン・スタンレーによって設立された中国国際金融股份有限公司 (CICC)は収入が3年前の3分の1に減少し、人員を半分に削減した。
最新のトレンドは、かつて憧れだった金融関係者が公務員試験を受けるために列をなしている。
中国証券監督管理委員会は2025年に公務員を採用する予定だが、内定者のうち29人は元証券会社の社員だ。上海で採用された公務員のリストでも12の証券会社から15人の実務家が採用された。彼らはもう夢を語ったり、リターンを計算したりしない。ただ安定したシステムを望んでいる。大学卒業生の55%以上が「適切な仕事が見つからない」と回答している。2024年末中国の4大一級都市の雇用マッチング率（仕事と教育のマッチング度）は41.2％に低下した。
これは10年前の72.6％よりもはるかに低い数字だ。2025年夏のダボス会議にて北京大学国家発展学院副学長の張丹丹氏は、「技術の進歩により中流階級が消滅しつつある」と述べ、多くの人々の幻想を打ち砕いた。更に、「AIはホワイトカラー労働者の価値を完全に消し去ってしまうだろう。」と語った。彼女の研究チームは、AIに置き換えられる可能性が最も高い20の職業をリストアップした。金融アナリスト、編集者、プログラマー、セールスマン…基本的に、大学生が憧れる「まともなホワイトカラーの仕事」はすべて網羅している。
一方、トラック運転手、皿洗い、清掃員などは、もともと低レベルの仕事だと考えられていた。しかしAIは侵入が難しいため「安心感があふれている」業種だ。多くはまともな中流階級の人々が転職し、オンライン配車サービスのドライバーが新規に2000万人増加した。2025年前半全国31の省市で採用された公務員の総数は約18万6000人である。同期間における申請者数は1,420万人に達した。平均入省倍率は76.1倍。最新のデータによれば2024年の全国の機関公務員の平均年収は約8万4000元、中部・東北地方では年収は6万元以下。命を犠牲にして安定を得る。中国社会科学院が2025年初頭に発表した青少年発展報告書では、25歳未満の人々46%以上が子供を持ちたくない。37%が結婚に反対。
22%は、今後10年間に仕事が見つかる見込みがないと答えた。彼らは、両親が不動産を通じて裕福になった。という神話が打ち砕かれたことを目の当たりにした。ほとんどの若者は一生を「退化・失業・低賃金・残業・突然死」の悪循環から逃れることはできない。2025年の最大の話題は「就職難」ではない。
むしろ「仕事を見つける次元を小さくする」ことが国民の総意となっている。
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