インドの「インド変異株」が1週間で500万人感染、死者累計28万人とインド国内で猛威を振るっていましたが、ここにきて
インド国内で感染か1日当たりの感染確認は約26万4千人と2日連続で30万人を下回り、今月上旬の40万人超に比べ減少傾向
です。ワクチン接種が効き始めてきたのでしょう。日本でもついにワクチン接種のスピードが1日40万と加速しだしました。
アストラゼネカ製とモデルナ製のワクチンが新たに加われば更に加速し、1日接種100万本も夢ではありません。
「インド変異株」が日本で猛威を振るう前に感染しない確率が高くなるワクチン接種を急ぐべきでしょう。
以下抜粋コピー
高齢者へのワクチン接種が開始された当初、政府は「試運転で」と慎重さを求めてきた。だが、供給の目途が立つや否や
「7月末までに終了するように」(菅義偉首相)と号令がかかる。前例のない予約受付の煩雑さに加えて、接種計画の変更
を迫られた自治体の嘆きも聞こえてくる。省庁の縦割りの調整役を担うべく登場した河野太郎行政改革相だが、彼の言動が
劇薬となって軋轢が生じ、想定外の事態を招く結果となっている。ワクチンメーカーとの電撃的な追加契約など、先を見通
したハンドリングには目を見張るものがある。だが、よく言えば突破力、悪く言えば独断専行の振る舞いは、政治家として
のスタンドプレーに映る。それに振り回される自治体や省庁の担当者はたまったものではない。
有効性と接種間隔が異なる“3つのワクチン”
現在、日本で承認されているワクチンはファイザー製のみだが、5月20日にもアストラゼネカ製とモデルナ製への承認の
可否が判断される見通しだ。ファイザー、モデルナ製は、ともにmRNAワクチンと呼ばれるものだ。温度管理が難しい反面
臨床試験段階では95%前後の有効性を示し、変異株に対しても、ある程度の効果が見込まれる。 これに対して
ウイルスベクターワクチンのアストラゼネカ製の有効性は、第Ⅲ相臨床試験でも70%台後半に留まっている。ワクチンの比較
は条件が異なるので一概には言い切れないが、この微妙な有効性の差は接種する住民にとっては気になるところだ。加えて
血栓症が生じる副反応がクローズアップされている。同社製のワクチン接種を中断した国もあり、印象としては見劣りする。
一方、アストラゼネカ製の利点は、何と言っても温度管理が楽なことと、承認されれば国内生産で安定的な供給が期待で
きることだ。 ワクチンの種類の違いは、接種間隔にも表れている。ファイザー製が3週間の間隔をあけて2回目を接種する
のに対して、アストラゼネカとモデルナは4週間の間隔を置くことが決まっている。 行政にとっては、これら温度管理や
接種間隔の違いによる混乱を防ぐための態勢づくりが大きなポイントだった。
「完全な勇み足でございます」発言
ワクチンの打ち間違いなどを防ぐために、厚生労働省が昨年12月に設けたのが、「1施設に1種のワクチン」の原則だ。
複数のワクチンが供給されれば、施設ごとに扱うワクチンを変える計画だ。そうすれば、住民は会場を選ぶことによって
接種するワクチンを選択できることになる。以降、厚労省はこの原則のもとに接種計画を練ってきた。3月末、
河野大臣の側近である小林史明内閣府大臣補佐官が、テレビ番組内でこの方針に則って「ワクチンを選ぶことができる」
と言及すると、2日後、河野大臣は完全否定した。小林補佐官の「完全な勇み足でございます」と言い放ったのだ。
河野大臣にそれなりの理由があれば、従来の方針を覆すことは当然あり得る話だ。であれば、自分を支えてくれている小林補佐官や
接種態勢の準備を進めてきた厚労省と意思疎通を図っておくべき。それが理解されていないとすれば、彼のスタンドプレーと
受け取られても仕方ない。むしろ責められるべきは、チーム内をまとめられていない河野大臣ではなかったか。
前言撤回の負担は各自治体へ
4月下旬には東京と大阪に、1日1万人規模の接種ができる大規模接種会場を作る政府の方針が決まった。1日で「100万回の接種」
(菅首相)も掲げられた。首相の意向が強く反映されたとも聞くが、大規模接種会場では、高齢者を対象にモデルナ製のワクチンを
使うという。「高齢者はファイザー製を使う」という河野大臣の前言は撤回されたことになるが、問題はそれ以外にある。
もともと厚労省は、温度管理の難しいファイザー製のワクチンについては、集団接種を想定していた。それを、日本医師会の
中川俊男会長の要望を聞き入れて、診療所における個別接種も可能と認めたのは、ほかならぬ河野大臣のはずだ。このため、大
規模接種会場での接種の担い手である医師が不足する事態に見舞われている。
菅首相が4月23日の会見で打ち上げた
「7月末までの接種完了」は、努力目標であることを差し引いても、そのために築き上げてきた計画変更を余儀なくされるの
は自治体だ。度重なる変更に対応できる自治体が、どれだけあるのだろう。もし河野大臣が、首相を「勇み足」と切って捨て
たのであれば、あっぱれなのだが。