バスケ青春の詩

平成25年12月22日をもって33年9か月ほど勤務した仕事を定年退職をしました。これを機会にまた想いを綴ります。

練習への興味…2012

2012-12-04 05:42:01 | やっぱりミニバス!
平成24年12月 4日 火曜日
 
「練習への興味…2012」


スポーツは、その競技をもってルールに従い勝敗を競うものです。

勝敗を競うという、興味、楽しみという娯楽性から生まれたもので…

人間独特の楽しみを求める欲求からスポーツができ、

楽しむために、勝敗で「勝つ」ことをねらうために、その技術を向上させる。

同じ競技をする他の者よりも優れた能力を得るために、苦しいトレーニングを行い、

自分を律して、きついコンディニショニング・トレーニングという努力をするのでしょう。

この自分を向上させるという努力が…

人としての、自立と自律という精神性を高める効果が付随的に生まれてきたのでしょう。

しかし、その能力を向上させるためには、そのための知識と技術が必要です。

プレーヤー自身が考えて行うことも可能ですが、そこには限界があるのが事実です。

だから、そこに指導者がいるのです。

指導者とプレーヤーが技能の向上を共有することで、プレーヤーは指導者が考える練習に取り組んでいくのでしょう。

この際プレーヤーは、何のための練習かを知ることで、

その練習に取り組む意欲が高まることは言わずもがなのことでしょう。

その意欲を高める指導の方法として、次の4つのことがあると思っています。

1. プレーの説明

何のためにこの練習をするのか?

試合というシチュエーションで、この練習はどういう意味があるのか?

まず、それを語り理解させることです。

そして、その練習のポイント…

例えば、スピードは求めるが、視野をワイドにとって、流れのままに行くときと、

一瞬、パワーポジションをとって、止まる!
そして、判断しタイミングを合わせて正確に行うこと。

正確に行うことと、正確に行わせること。

両者の意識がひとつになって、スピード&ノーミスのプレーが成り立つことなどをポイントとして話すことです。

2. デモンストレーション

チームオフェンス、チームディフェンスにしろ始めて行う練習は、その説明をして、実際にやらせるわけですが、

コーチのイメージと違った動きになっていることがあります。

コーチによっては、まぁ~いいか…と流してしまう人もいるかもしれませんが、

そこは、やはり正確な動作をきちんと行わせることが第一でしょう。

ひとつひとつの動作の切れ目、タイミング、合わせ、流れがしっかりと身につくように繰り返し繰り返し指導することでしょう。

最初は、歩くスピードで…

そして、徐々にゲームのスピードにしていきDFがつかない状態から、DFをつけた状態で、

試合の状況の中で、基本のピボット、ステップ、フェイクなどを使ってチームとしてやりこなせる練度まで上げていくことです。

そうすれば、そのチームスタイルが試合で使える有効な練習になっていく。

そのことをプレーヤーに意識させることが大事です。

そして、そこからプレーヤー自身が考えて、それから発展したプレーを創造していきます。

ミニバスでも6年生になれば、コーチが思いもよらないクリエイティブなプレーを発想し、仲間と話し合い、やろうとします。

それが、プレーヤーにとっての面白みにもなっていくのです。

コーチに言われたことだけではなく、自分達で創造し、チャレンジする楽しさを覚えるのです。

3. スクリメイジ

ゲーム・スピードで、ゲームと同じメンタル、精神状態で練習を繰り返す。

最初は慣れないうちは、考えながらプレーするでしょう。

それが、慣習化すればひとつの生き物のようにチーム全体が動き出していきます。

そこまで繰り返し、粘り強く行うことです。

コーチは決して叱らないことです。

子供達は、指導に対して懸命にやろうとしているのですから、

なぜできないのか?

悩んでいる子供達を叱っても逆効果です。

プレーを止めて、いわゆる、フリーズさせて、理解するように話します。

子供達も今のプレーの状況をコーチの私に話します。

それに対して、コーチは、「であれば、…の判断はあったのかな?」と子供達に問うのです。

そこからプレーの判断について、なにを、どうすればよかったのかが…見えてくるのです。

そして、『じゃあ、そこからもう一度やってみようか』となるのです。

プレーヤーに、『次に何の練習が来るのだろう!?』という新鮮な想いを継続させること…

そのためにコーチとしては、クリエイティブに練習を創造していくことです。

たとえ練習の目的が同じでも、やり方を変えていくのです。

練習に興味を持ち、練習に来るのが楽しくなるような気持ちにさせることが大事だと思います。

4. 理解しているか?

一方的にコーチから、その練習の意味や、目的を話すのではなく、

『今度は、こういう練習をするけど、この練習のねらいは何だと思う?』と問いかけることは、

練習に対して、自ら意識して取り組んでいるか…どうかを確認することができます。

練習開始前に、今日の練習全体のテーマを話しておけば、その練習の意味は考えれば、答えることはできるはずです。

ミニバスでも小6にでもなれば、期待した答えを返してくれます。

自分達から意識して、その練習に取り組む動機付けにもなることだと思います。


私は、子供達にコーチの感性を押しつけてはならないと思っています。

プレーヤーたる子供達の感性を育んでいくことで、子供達は、自分達で考えてプレーすることを心から楽しいと思えるようになるでしょう。

練習は厳しい中にも、楽しさを失うことなく、練習後はチームメイトと笑い合える仲間であって欲しいと思います。

その楽しさを見に染み込ませてくれれれば、次の年代に進んでも、バスケの楽しさを知りながら、バスケを続けていってくれると思います。

コーチは、特に、ミニバスのコーチは、子供達が、『二度とバスケなどしたくない!』というバーン・アウトシンドローム(燃え尽き症候群)にならないように指導すべきだと思います。

そういう草の根の指導のあり方が、日本の将来を担ってくれる世界のジャパン・ケージャーの育成に繋がっていくと信じています。