採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

カリビアンブラックケーキ

2013-06-04 | +お菓子(西洋)

ある晩、作成途中の甘夏ピールのシロップをちょっとだけ煮立たせていました。

ごはんを食べたりぼんやりとTVを見たりしていると、何か香ばしい匂いが。

あっ!
 

カラメル

あああああっ!
焦げたぁぁぁぁ。

ピールを入れておかず、シロップだけ煮ていたのが救いです。
それに、この黒い物体も、まだ焦げ臭くないし、カラメルとしてなら使えそうかも。
 

カラメル

という訳で、水を足してゆるめ、瓶に移しておきました。
かなり水を足したつもりが、冷めてみるとこの固さ。
(箸で押すとくぼみがつくほど)

 
さてカラメルといえば。

昨冬くらいから、ブラックケーキというものが気になっていました。
カリブ海地方(ジャマイカやガイアナやトリニダード・トバゴ)で、クリスマスなどお祝いごとの際に作られるハレの日のケーキです。
レーズンなど輸入品の貴重な材料を大量に使って作る贅沢なケーキなので、お呼ばれの席でこれが出たら丁重におもてなしされている証拠なのだそうです。

材料はヨーロッパのフルーツケーキと似ています。
変わっているのが、フルーツのラム酒漬けは、全て粗いミンチ状にするところ。
そしてブラックと名前がつくように、黒くするのです。
あちらではブラウニング・ソースというものが市販されているようですが、その正体はカラメル。
(カラメルやブラウニングを使わず、モラセス(糖蜜)を使っているレシピもあります)
ベージュ色のケーキ生地にドライフルーツがちりばめられたヨーロッパ風のフルーツケーキとは違い、断面はかなり黒く、一様にざらざらして見えます。


このケーキ、アメリカ人女性のエッセイで、見た目は食指をそそらないけれど、食べてみると絶品、と随分前に読んだことがありました。
(本の名前失念)
その本と、ネットで調べたいくつかのレシピを検討して、今回は次のように作ってみました。

■■ブラックケーキ基本レシピ
■材料(100円ショップのパウンド型5本分)
●ケーキ生地
バター 300g
ブラウンシュガー (黒糖、三温糖、生姜糖、糖蜜のミックス) 300g
卵    7個(330gくらい) 
小麦粉  300g
ベーキングパウダー 小さじ2
スパイス
 シナモン、ナツメグ、オールスパイス、クローブ  各小さじ1くらい
アーモンドエッセンス又はアンゴスチュラ・ビター  小さじ1/2 (今回はなし)
バニラビーンの種 1本分
瓢柑のすりおろし 1個分
皮むきアーモンドとマカダミアナッツ あわせて60g 刻む

●色づけ用カラメル 
今回は偶然に出来たカラメルを使ったが、レシピだと粉の同量の砂糖で作るとか。
砂糖  300g
水 80ccくらい

●フルーツ漬け  
レーズン、プルーンなど色の濃いドライフルーツ (梅酒の梅を干したものを使用)
ドライチェリー                       (色のどぎついドライチェリーは美味しくないのでナシ)
柑橘ピール                        (自家製ピールのラム酒漬け使用)
ラム酒/チェリーブランデー/シェリーなど    (今回はラム酒)
(用意するフルーツの量はバターの重さの約3倍。お酒に漬け、刻んだ後でバターの重さの約4~5倍)

●アイシング
粉砂糖
アマレット

■作り方
(1)ドライフルーツは1日以上、ひたひたのラム酒に漬けておく。
(2)漬けたフルーツを、フードプロセッサーに数秒かけ、レーズンの1/4ほどのサイズになるように粗く刻む。
漬け汁も加えてもったりした状態にする。
(この状態で、カラメルも混ぜてひとまず瓶詰めしておきました)
(3)ケーキ生地は、基本的なバターケーキと同じ作り方。
(私の場合、全卵だといつも分離させてしまうので、卵白はメレンゲにして入れました)
 バターと砂糖をよく泡だて、卵黄も加えてよく泡だてる。
 ここにライムの皮のすりおろし、バニラを加え混ぜる。
(4)バターの重さの4倍程度(バターが450gとすると1.8kg。)の刻んだフルーツを、生地に混ぜる。
 卵白は、砂糖の一部と一緒にメレンゲにしておき、ほかのものの合間に適当に混ぜ込む。
(5)ふるっておいた粉類も混ぜる。型にベーキングシートを2重に敷いた型の8分目まで流し込む。
 バターケーキは生地の中央を窪ませておくが、このケーキの場合はえぐらず、型をトントンとして表面をならすに留める。
 ほとんど膨らまない(むしろしぼむ)ため、通常のバターケーキより型に詰める量は多くしておく。
(6)150度くらいの低温で、1時間程度焼く。(型のサイズにもよるが、かなり時間がかかる)
 焼けてくると、ケーキが焼き縮んで型との間にすき間が出来る。
(7)串で刺してチェックし、焼けたらオーブンから取り出す。熱いうちにポートワイン/ラム酒を塗る(もしくは注ぐ)。
(8)完全に冷めたらぴったりラップをする/お酒で湿らせたガーゼでくるむ/アイシングを塗る。
  2~3日後以降が食べ頃。





カラメル

ここで見えているのは、ラム酒漬けのドライ梅と、ヤマブドウ酒漬けのドライイチジク。
少量ずつフードプロセッサーにかけます。 

カラメル

刻み方はこんな感じ。割と粗めにしてみました。
(丁度ピールを作ったところだったため、オレンジの表皮のペーストも投入。)
 

blackcake

バターと砂糖、卵を泡だてたものに、フルーツミックスを加えます。
フルーツミックスは、カラメルを混ぜてあったせいで黒いです。

blackcake

更に粉やメレンゲも適宜混ぜます。
この状態で材料が全部混ざったところ。
黒糖や黒いフルーツミックスが入った割には、生地はそれほど黒くなりませんでした。

blackcake

焼けました。
少し中央を窪ませて型に詰めたせいか、中央が凹んでいます。
 

blackcake

断面。
ふむ。こうして見ると結構黒いかな?
上の方は多少ふくらもうとしていますが(メレンゲの影響?)、基本的にはみっちり・ずっちりした感じ。 

blackcake

1本を3等分し、アイシング(粉砂糖+アマレット)をかけてみました。
というのも、ケーキ部分の甘さがちょっと物足りなかったため。

お皿の上にラップを敷き、そこにケーキを底面を上にして(上面が窪んだため)アイシングがけ。しばらくおいてアイシングが乾いたら垂れた余分な砂糖を取り除いて、この台紙の上に移します。

blackcake


慣れないアイシングがけ(×9個)でもうヘトヘト。
それぞれ袋に詰めたところで、もう夜中。
口をあけたまま翌日までおきました。
(アイシングをある程度乾燥させるため)

blackcake


翌日、説明書をつけて、紐で固定して、一応出来上がり。
袋とケーキのサイズを測って台紙を作ったおかげで、持ち運びやすかったのはよかったです。
 


問題は味。

3等分する際に出たケーキくずをちょびっと食べてみただけなので、どんな味かよく分かりません。
味見もしないまま、手みやげに持っていって配ってしまいました。
どうだったんだろう。

●ブラックケーキメモ
・フルーツの量が多いため、どうやってもふくらむようなケーキではない。ということはバターと卵をあわせる際も、分離してしまっていいのかも。
卵白を別に泡だてたりせず、全卵をボンボン入れてしまっていいのかな・・?
干した梅酒の梅のラム酒漬けを結構沢山使った。これまでジャムやらチャツネやらすごく苦労してきたが、これが一番楽な消費方法かもしれない。
・我が家製のドライフルーツは市販のより甘くないので、お砂糖は4同割より多く入れるべきかもしれない。

 



追記:味見しました。

blackcake


こんな感じ。
ドライ梅を沢山入れたせいか、けっこう酸っぱい。
アイシングをかけてよかった。
アイシングと一緒に食べた方がよい。
 

食感は、しっとり、を超えており、ぷりん、とした感じ。
羊羹のよう、とどこかにあったが、確かに、全体的な「濃さ」が羊羹に通じる。
時々あたるナッツが歯応えに変化を与えて嬉しい。

味は、プリンのカラメルソースのようなあからさまなカラメルの味は全然しない。
酸味がつよいせいかどうか、とても濃厚(ダンナサマの食いつき悪し!うう)。 
ごく薄い一切れで満足してしまうような感じ。
美味しくない訳ではないのだが、箸が進まないというのはこんな感じだろうか・・。
何というか、冬向きの食べ物かもしんない。

美味しかったらまた作ろうと思っていたのだが、微妙だなあ・・・。
自作フルーツケーキと比べると、フルーツケーキの方が好みだ・・・。

無理矢理味見させられた方、スミマセンでした。



あ、そうだ、小さく切って、チョコがけしたらどうだろうか? 


★次、作るとしたら
・梅を減らす
・アイシングはあるとよい。
・アイシングをかける直前にお酒を塗るのは×。湿気でとける。
・ナッツは入れた方がよい。
・もっと甘く・・?
・作るなら冬に。 


■参考情報
Google画像検索 blackcake

コメント (4)
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