Progressive Cafe

プログレ好きなギタリストのブログ
週末にはパンやお菓子を作ります

ギタリストへの道 ~第5章 プログレとの出合い2~

2004-11-09 14:36:35 | ギタリストへの道
このアルバムを初めて聴いた時、実際どのように感じたか詳細には覚えていないが、想像を交えて描写してみた。受けたインパクトやその後の行動から考えても大きくは違わないと思う。とにかくこの作品によって覚醒したのは紛れもない事実である。

・「Close To The Edge」
A面全てを使った20分近い大曲である。クラシック以外では初めての体験、いったいどんな音楽なんだ?4つの副題がついていると言うことは4パートに分かれているのだろう。レコードの溝を見ると確かに1曲の中にまとまったいくつかの展開があるのが分る。針を落とした。小鳥のさえずりと小川のせせらぎが聞えシンセの効果音がフェードインしてきたかと思った途端、鋭いギターの切り込みと共にバンドアンサンブルが怒涛のように押し寄せてきた。いきなりのインパクトに唖然とする。しばらく息を呑むような展開が続き、聴く方にも緊張感が伝わってくる。ファルセットコーラスと共にギターがテーマを奏で、漸くヴォーカルパートが始まった。確かに「So Long Ago, So Clear」で聴いたあの声だが、全く印象が違う。怒涛のアンサンブルに負けないアグレッシブなヴォーカルライン、そしてコーラスアンサンブルも楽器と同様にタイトなアレンジだ。そしてシタールの響に導かれスペーシーな中間部へ、ジャケットアートも手伝って非現実的な世界へ完全に引き込まれるのを感じた。しばらく漂っていると、シンセのバッキングに導かれ天からの声が聞えた。私をどこまで連れて行くのだ?
パイプオルガンで天空の扉を開けようとした瞬間、現実の世界に引き戻される。スピード感あふれるアンサンブルで目を覚まされ、そのまま後半のヴォーカルパートへ続く。そしてついに感動のエンディングを迎えた。再び体が持ち上げられ天上に上って行くのを感じた。
なんという音楽だ!音楽にこんなに気持を揺さぶられ、そして非現実の世界に引き込まれる感覚は初めての経験だった。

・「And You And I」
一息ついたところでB面に移った。出だしの「OK」の声が臨場感を高める。A面で高ぶった気分を癒すような牧歌的な出だしに無理なく引き込まれていく。アコースティックなヴォーカルパートから途中ベースがめまぐるしく動き、そしてスライドギターとシンセが盛り上げるクライマックスへ続く。A面ほどの派手さはないがこの立体的なアンサンブルにまたまた驚かされる。

・「Siberian Khatru」
切り裂くようなイントロのギターにハッとさせられ、そのまま怒涛のアンサンブルに乗せられる。サビの「アルプス一万尺」で少し和むが、その後もたたみ込むようなアンサンブルに引っ張られ一気にエンディングまで持っていかれる。曲はフェードアウトしていくが、頭の中では鳴り止まない...
プログレッシブロックへの誘いのように。

プログレッシブロックと言う概念、いや言葉すら知らずにいきなり体験した「Close To The Edge」、人によっては全く響かず終わることもあるのだろうが、幸いにも私にとっては未知の扉を開く大きな一撃となった。ここにプログレッシブロックと言う深遠なる世界への第一歩を踏み出したのだった。

つづく

最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お待たせしました (francofrehley)
2004-11-09 15:49:46
一部(?)の温かい読者の方々の希望もあり、久々に更新してみました。今後もあまり間延びしないように続けますので(内容はあまり期待せずに)お楽しみに!
返信する
中学の音楽の時間に (mamika)
2004-11-09 17:40:10
このアルバムは中学校の音楽の時間に初めて聞きました

当時の音楽の担任が凄いROCK好きな人で他にもEL&Pの「展覧会の絵」やYESの他のアルバム等も聞かせてもらいました(勿論授業中に!)



私はYESは大好きですがこのアルバムはYESの中ではあまり聞かないアルバムですね

何故かと言うと~あまりに素晴らしいアルバムなので、これを聞く時は「正座」をして聞かないといけない気になる所が~聞くのを躊躇ってしまう原因ですね

楽曲的には色々なモチーフをコラージュの様に組み合わせたその巧みなアレンジとコーラスワーク

そして素晴らしい音の洪水…

francofrehleyさんもエントリーで書いてる様に

確実に非現実世界へと聴く人を連れて行ってくれます

あまりにも良いアルバムなので聞く時は「正座」して聴いて下さい

でも私は「Siberian Khatru」が1番好きだったりするんだな~♪
返信する
なんと! (francofrehley)
2004-11-09 19:13:38
>中学校の音楽の時間に初めて聞きました

実は私は高校の音楽の時間にクラスの皆に聴かせました。自分の好きな音楽作品をクラスに紹介すると言う課題があって、結局エントリーしたのが私だけで、自分で書いた紹介文と合わせて一時限丸々使ってアルバム全部聴かせたんです。クラスのごく少数はとても喜びましたが、後の多数は全く理解できず「なんだこれ?」で終わったように覚えています。その時の紹介文とか残っていたら今回の投稿のネタになったなぁ...
返信する
個人的思い出 (Bible Black)
2004-11-10 15:05:11
こん**は。このアルバムをはじめて聴いたとき、絶対にライブで演奏できるわけが無いと思いました。でもライブがでました^^;。dsがアラン・ホワイトだったのでやや単調ですし、適当にスタジオでミキシングしているのだろうと思ってました。

 しかーし、時は流れてリユニオン・ツアーを目の当たりにして、このアルバムが完全に再現可能なのだという証拠を見せ付けられ言葉も出ないほど感動しました。偶然翌日名古屋駅で彼らを見かけ、思い切ってサインをねだったら快くしていただけました。今でも私の宝物です。

 ちなみに最近リマスター盤を買いましたがS&Gの「America」が入っていて凄く違和感がありますね。
返信する
ありがとうございます。 (TonyKei)
2004-11-10 17:25:19
YESの危機はほんとに多くの人に影響を与えた音楽史上の傑作ですね。言葉こそ違いますが、感じたことはまったく同感です。後、勝手なお願いですが、オランダのフォーカスについて興味あったら記事かいてください。全部ここ読んでないんですが・・・(もうあったらごめんなさい)昔よく聞いたんですがどうしても今手に入らないんです。つたないブログですが今後とも宜しくお願いします。
返信する
>TonyKeiさん (francofrehley)
2004-11-10 17:34:27
早速のコメントありがとうございます。素敵なHNですね。

Focusの投稿は今の流れですと1ヶ月以内にはアップされる予定です。先日まで「プログレバンドしりとり合戦」と言う企画をやってまして、現在その登場バンド順に紹介記事を1バンド/日ペースでやっております。Focusは50バンド目でしたので、もう少々お待ちください(笑)。



こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします!
返信する
コメントありがとうございます (aio_printer)
2004-11-15 23:05:26
何のプログレとも関係のないblogにお越し頂き、ありがとうございます。

Yesの「Close To The Edge」は私にとって最高の作品です。ライブでは1998年の渋谷・川口で初めて聞きました。

あの時は「KBがリックだったらなぁ・・・」と思ったものです。(イゴールも良かったですけど)
返信する
>aio_printerさん (francofrehley)
2004-11-16 17:54:29
プリンタ関係のブログだったのですね。プログレで検索して引っ掛ったのでお邪魔したのです。

また是非いらして下さい!
返信する
同感です^^ (chintasan)
2005-03-07 14:13:14
はじめまして~

曲もオリジナリティー満点、音創りも独特でしたね。

またジャケットを開くとロジャー・ディーン氏のイラストが印象的でした。オリジナルメンバーとして一番まとまった時期のような気がします。スティーブ・ハウ氏のギターは、あまり好きではありませんが、ここではバッチリはまっています。ビル・ブラッフォード氏のドラムサウンドも印象的だったな~
返信する
>chintasanさん (francofrehley)
2005-03-07 14:27:26
いらっしゃいませ、コメントありがとうございます



>スティーブ・ハウ氏のギターは、あまり好きではありませんが、ここではバッチリはまっています。ビル・ブラッフォード氏のドラムサウンドも印象的だったな~

その感覚わかります。私はこの鮮烈な出会いと思い入れから「危機」のドラム=Billなんですよ。それで「Yessongs」の「危機」の3曲はいまだにあまり好きではないのです



貴ブログ少し拝見しましたが、どんなテーマなのでしょうか?

またのお越しお待ちしております
返信する

コメントを投稿