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大英帝国の幻ROLLS-ROYCE20/25 その1

2011-02-24 16:54:05 | お知らせ
大英帝国の幻ROLLS-ROYCE20/25 1932年製 その1

前回予告させて頂いた大英帝国の幻を復活させたとこの記録を今回からお話しさせて頂きます。

このお話は長編となりますが、自動車関係のお仕事をされておられる方々には、馬車の時代から
現在の自動車までの進化の過程が良く分かると思います。

現在の自動車が失ってしまった大切な物も多分見いだせるかもしれません。

その前に現在の自動車のシート素材は ウレタンファームという石油を原料として出来ておりますが、
ウレタン誕生は案外と新しく1950年代前半に出来ました。

今回のROLLS‐ROYCE(以後R/R)20/25はまだ世の中に通称スポンジと言う物がない時代の自動車です。
それがこの車両です。

1932年製


この車両ボデーの構成材は一言で言うと『木の板にアルミの板を釘で止めてある』勿論フレームはラダーフレーム(ラダーとは梯子と言う意味です)ですがその上にさらに木で骨組みをしたボデーが乗っております。
つまり鉄のはしごの上に馬車が乗っていると思って下さい。

では仕上げる前のインテリァの写真です。


これはフロントシートですね。

リャーシートになります、次にリャーシートの表皮を剥がした状態の画像です。
80年の歳月を物語ります。

お気づきになりました?この車両はリャーシートが外れません・・・なんと室内直接作り込んであるのです。
馬車の中にソファーを添え付けたのですね。
ルーフ周りの画像です。


この時点で室内にウレタン等石油原料の素材が一つもありませんね。
現代の自動車製作にに欠かせない接着材など一切使用しておらず、飽く迄も基本は釘です。

次回から馬車から自動車になる素材、鉄・牛の革・綿・馬の毛・麻・・・等を使用し当時の工法を用いながら大英帝国の幻と戦ってゆきます。

ではまた次回
(超マニアックな内容でごめんなさい)

自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。




最速ヘリ AGUSTA

2011-02-03 17:38:37 | お知らせ
最速ヘリ AGUSTA

この処、自動車関係の話が続いておりましたので、今日はfoxheadの変わり種でヘリコプターのお話です。
ヘリコプターもシートがあり自動車とそんなに見た感じ変わりがないように見えます。


この画像はイタリア製のAGUSTAと言うヘリで、最速と言われております。
今回はAGUSTAの室内をリフレッシュした時の話です。

自動車内装と大きく違う処は、火災に対しての法律が非常に厳しく設定されております。
大空の上ですから、万が一火が出たら大変です、使用する材料に対して公的機関で耐火テストを受け、
認可が出なければ使用することはできません。

耐火テスト基準が非常に厳しく、常識では考えられない基準です 確か数百度の地下火を45秒間着けて
燃えない事という基準だったと思います。

この許可が大事で自動車の車検にあたる耐空審査と言うのがヘリコプター及び飛行機にはありますが、
この認定許可書がありませんと耐空審査に落ちてしまいます。



これがAGUSTAの為に弊社で開発いたしましたレザーで、FOXLCjet02(開発番号)の許可書です。


張り替え前の素材はファブリックでした。

そしてFOXLCJET02を張り替えた室内です、又使用する糸も燃えない特殊なケブラー糸によって縫製されています。

パイっロット席ですね。

そして客室ルームのシート及び内装です。



又この機は別のお客様のA350です。

このヘリは又違う開発番号の色はボルドー色のレザーを使用いたしております。

この様に耐火テストは一機ずつ許可を得なければ張り替えることは出来ないのですね。

今回は別の意味での私たちの仕事の紹介をさせて頂きました。

次回からは大英帝国の幻1932年製の連載を予定しておりますので、また覗いて下さいね。


ではまた次回
(超マニアックな内容でごめんなさい)

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