FOXHEAD

自動車内装専門

『屋根のない車に屋根を付ける』 ルノースピダー 完結編

2012-01-19 14:41:39 | お知らせ
屋根のない車に屋根を付ける』 ルノースピダー 完結編

現在の自動車業界事情では考えられないような屋根のない車ルノースピダーですが、
前号でルーフキャンバスフレームは完成しましたので、今回はいよいよキャンバストップの製作に入ります。



キャンバスの素材は、紫外線に強く又耐久性を考えてジャーマンキャンバスの最高級布タイプを使用致します。
この素材は裏地も綺麗に出来ていますので、インナーライナー(内張り)を使用しなくても良いからです。

因みに、車両に使用れているキャンバストップの素材は、布タイプが2~3種類 
表面がPVC(塩化ビニール)加工された素材が4~5種類有ります。

現在のオープンカーは布地の素材を使用した車両が多いですが、1980年頃までのロールスロイスはPVC が
コーティングされたBRITISH EVERFLEXと言う素材を使用いてしました。

話は戻りますが、今回使用するジャーマンキャンバスです。



色はタイタニックグレーと言って、少しグリーンぽっい色で裏がブラックの格子柄です。



素材をフレームに合わせ裁断し 走行時風によるバタつきを防ぐためにフレームに留める部分を縫製しします。



各セクションに裁断した素材を縫製して確認の為フレームに取り付けて見ます。



リャースクリーンは夏用に取り外しできるようにファースナーで脱着式です。



内側も仮付け確認です。



全体の良いようですので最後の取り付けスナップをボディー側に取り付け完成ですが、 走行時バタつかない様に
生地にテンションを持たせて位置出しをします。



そして・・・完成!



今回は屋根のない車に屋根を付けるでしたが、この様に自分のアイディンティーで自動車を作ることは
究極の自動車の楽しみ方と思います。

如何ですか貴方の愛車のシートを貴方のセンスで変えて見ませんか? 
周りの人たちが貴方のセンスに驚くかも・・・・



色々な方法で人生をエンジョイ出来る自動車って本当にステキですね。

今回は此処までです。

ではまた次回

自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。

、『屋根のない車に屋根を付ける』 ルノースピダー

2012-01-05 11:47:21 | お知らせ
謹賀新年

2011年は世界的に大きな出来事が続き、特に日本にとって厳しい一年でしたね。
私を含め多くの方々が、この先の不安に心を痛めた事と思いますが、この世の無常は
難題をクリアーしたければ『前に進めと』時は流れます。

2012年私的な希望になりますが、せめてブログ更新を月三回は更新したいと思いますので、本年も宜しくお願い致します。

今年の初めは暮れのブログに予告したとおり、『屋根のない車に屋根を付ける』でルノースピダーの特集から始めさせて頂きます。

弊社の業務は自動車内装のお仕事が主ですが、時折特殊作業も依頼されます。(またこれが結構楽しいのですね)
そんな訳でルノースピダーですが、確か製造した年月は1996年~1999年の三年間に1,700台ほど生産された
ワンメーク用のレーシングスポーツカーです。

レーシング用ですので、エアコンとか快適装備は皆無ですし今回の題目、『屋根のない車に屋根を付ける』の
屋根もありません。

そんな自動車ですが、世の中にはこのスパルタんな車を通勤に使いたいと…考える人がおられるのです。
しかも某国産メーカーの国際開発課に所属している経歴の方です。


標準仕様のルノースピダーの画像です。



クライアントからの製作希望は・・・

①幌は脱着式にしたい

②幌骨も外れる様に

③リャースクリーンは夏の場合脱着式に・・・

④全体のスタイルが崩れない様に

以上四点ですが、全て難しいのですが特に④の全体のシルエットを崩さない様にの項目が重要で、
写真のでも確認出来ますがリャーのロールバーがフロントスクリーンの上端と同位置に有り、
このままルーフを製作するとなだらかなシルエットが不可能です。

そこで第一段階としてロールバー位置決めをする事に致しました。
先ずは大凡の高さを出し、木板でロールバーを製作しそれに沿って水糸を張りながらシルエットを決めてゆきます。



この時にロールバー現形の木板に 50mm間隔で基準線を書いておきますとデーター取りする時非常に役立ちます。



基準シルエットが出来ましたら細いパイプでサイド形状とルーフパイプを曲げながら仮製作します。
標準のロールバー位置から比べるとかなり低い位置に有るのが確認できるでしょうか。



最後にロールバー位置確認をしてますが、使用するパイプ形により微妙にシルエットが変化しますので、
硬質ウレタンの木板ロールバーに接着をして 実際に使用するパイプと同じ厚さに調整して、
再度水糸を張りシルエットを確認をします。



このベース板を基本としてロールバーを製作いたしますが、スピダーのロールバー取り付けはボディーの内部に入り込み
フレームの一部となっている為取り付けが金具が精密で特殊となりますので、正確図面が必要になりワンオフ製作では
高価なCADでデーターを出しました。

仕上げ前ですが、CADデーターで製作したロールバーです。




ロールバーを基本ラインとしてルーフの骨格をを製作して行きますが、本来なら丸パイプを使用するのですが、
ロールバーを低くした事と転倒じの安全強度を考えオーバルパイプ(楕円)を製作し使用致します。

データーを摂るためにベース板に50角のラインを引き 曲げたオーバルパイプをセットします。
この方法は昔レーシングカーを製作する時に良くつかわれていた方法ですが、一品製作には最適な方法です。



幌のフレームは取り外しが出来る様にウインドフレームに削りだしアタッチメントを取り付け
そこにオーバルパイプを差し込むようにして、ロック機構を取り付けました。



この様にして製作したルーフフレームの全体像です。



ロールバー以外は幌脱着時にピンを抜きますと各部が分解されてフロントトランク内に収容されます。
(画像をクリックしますと拡大します)

次の工程ではキャンバストップ生地を裁断縫製して、ルーフキャンバスの製作に移りますが
今回は仕事始めとお正月のお酒が体に残っていますので、此処までが限界です次号に回させ
て頂きたいと思いますので…スミマセン… 続きは次号までのお楽しみとして下さい。


色々な方法で人生をエンジョイ出来る自動車って本当に素晴らしいですね

今回は此処までです。

ではまた次回

自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。