FOXHEAD

自動車内装専門

ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅳ

2013-04-30 14:37:49 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅳ

ゴールデン休暇の週ですね、この時期は各地でクラシックカーのイベントが目白押しですが、
みなさんは楽しんでおられますか?
私は生憎自営業の悲しい処で、 月末なので会社に来てキーボードを叩いています。

さて前回で無理やり取り付け、変形した各パネルの修正が終わりました。



これらダッシュボードを構成しているパネルに、適正厚のウレタン2~7mmを張り込みます。




この画像は各パネルの接着剤をクリーニングする前のウレタン厚の記録です。
実はウレタンの厚さと硬度は大事で、表皮をは有り込んだ時にレザーの質感を微妙に
変化与えます。

ここいらは長年の経験値と手のひらの感覚が、大切です。

ワーゲングループが、ランボルギニー社とかベントレー社を翼下に納めた時に、 
偉大な熟練工を手に入れたとも言っておりました。

トヨタのⅤ10 レクサスLFA の内装を見れば違いが分かると思います、彼らは皮をパーツに張り込みますが、どの様にしたら素材が一番美しく生きるかなどは大切では無く、コスト時間を
追い求めます。
この手の車で一番大事なのは命を吹き込むこと、すなわち外観は勿論 ドアーを開けた途端息を
のむ オーラを感じさせる事です。

職人仕事とは製作した物に、命を吹き込む事と私は思っております。

これが職人と一会社員の違いと私は思っております。

国産自動車メーカーの一番欠けている部分です,ぜひ豊田 章男社長にはこの部門に
力を入れて頂きたいと思います。

小手先のデザインではお客様は見抜いておりますよ。

ホンダさんもお願い致します・・・・ 今ならまだ間に合います。

チョット話がそれましたので、本題に戻ります。

各パネルに本スエードのレザーを張り込んでゆきます。


張り込んだパネルを合体してダッシュボードとなります。


スペアータイヤは純正生地(ウール)を張り込みます。


これら傷がつかない様に細心の注意を払いながら本体に組み込んでゆきます。


完成です!


又一台オリジナルに復元することが出来ました、 オーナーも方も車両を引き取りに来られ
大変喜んでいただけました。



お客様に喜んで頂ける笑顔の一瞬は、私たち職人と言われる人種にとって最高の喜びです。



それでまた次回

クラシックカーは文化財で芸術品です 是非大切して下さい

自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅲ

2013-04-19 17:53:32 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅲ

以前某ショップでダッシュボードを張り替えた365bbですが、最初の表皮を剥がさずに上から被せ厚みが出てしまい、
各パーツが取り付かず、無理やり叩いたりしたためにベースのパネルが変形したり破損したりで先ずはパネルの修正から
の作業です。

レストア作業を依頼する時には、そのショップ又は工場がどの様に気を使い丁寧な作業をするか目で見て確かめてから
ご依頼するようにして下さいね。

金額だけでショップ等にお任せすると今回みたいに、費用が2回分掛かり結局はお客様が嫌な思いをされてしまいます。

前置きが長くなってしまいましたが 叩いてしまったグローブボックスの蓋です。
材質はアルミ材で出来ておりますので、叩いたために伸びてしまい其のままでは使用することはできません。


先ずは平面を出すために、クラフトホーマーと言う機械で伸びている処を縮めます。

この機械がクラフトホーマーで、スイス製です。


本来はボデーパネルを成形する機械で、スチールを伸ばしたり縮めたり又はカーブを出したりする時に使用致します。

この様なパネルから 熟練して達人の域に入るとこんなパネルまで製作してしまうのです…私は此処までは出来ませんが
因みに大きなパネルは275スパイダーのリャーカウルです。


修正後のグローブボックスの蓋です。


その他欠けてしまったファイバー製品も修正しなくてはいけませんね。

Aピラーです。


ステリングコラムのカバーです。


グローブボックス本体です。



そしてスペアタイヤカバー


クラシックカーを美しく車を維持していくのは色々な意味で、エネルギーが必要になります。
一旦オリジナルを崩していしまいますと、復元するのは知識と時間と費用が掛かりますので気を付けたいですね。

それでまた次回

クラシックカーは文化財で芸術品です 是非大切して下さい

自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅱ

2013-04-08 16:39:21 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅱ

前回の続きになります、玉葱みたいにダッシュボードの表面の素材を剥がして見たら、最初の表皮の
ダッシュボードが出てきましたが、その他の部品を剥がしてみます。

ステリングポストカバーの表皮を剥がしてみました。



やっぱり!次はグローブボックス本体を剥がしてみましょう。


オヤマー 締まりきらないグローブボックスの蓋は如何かな?


内装部品は設計段階から、表面に張る素材の厚さを計算に入れていますので、張り替え時に以前張り込んである
素材を剥がさないで、新しい素材を張り込みますと、各パネルのサイズが大きくなってしまい各部がフィット
しなくなります。
例えば張り込む素材が1mmであれば 1部品で1mmアップし 例で グローブボックスですと本体と蓋のパネルで、
各1mmづつサイズアップします。
1mm+1mmで全周で2mm大きくなりますね 部品が3点合わされば3㎜も大きくなってしまいます。
2mmも大きくなると当然ダッシュボードの蓋は締まりません。

365bbのグローブボックスの素材はアルミパネルで出来ていますので、きっと前回ダッシュボードを仕上げた方は、
叩いて無理やり締まるようにしたのでしょう、パネルの変形が確認できます。



内装をレストアする際には、以前張り込んである表皮をキチンと剥がさないで、その上から新しい表皮を張り込みますと
全ての部品が一回り大きくなりますので、組み付けの際は無理やり取り付けますので、各パーツが変形したり、
最悪の場合破損したりします。 
内装部品は基本的に一台に1個しかないとと思わないと、後で組み立てが出来なくなります。

これらの画像は以前仕上げた時に、全て無理やり取り付けた結果です。




合わなくて別の処に穴をあけてしまったグローブボックスパネルです。


欠けてしまったグローブボックス本体


この様に一度パネルが歪んだり欠損したりすると、再生するのに時間と手間が沢山掛ってしまいますので、
気を付けて下さいね。

次回は痛んでしまった部品を修正し、新車時と同じように本革のバックスキンを張り込んでゆきます。

クラシックカーは文化財で芸術品です 是非大切して下さい。 


自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?

2013-04-02 16:20:43 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?

以前365BB のオーナー様から、『某有名ショップにダッシュボードの張り替えをお願いしたら酷くなって帰ってきた』

との依頼があり、今回はその時の記録です。

車両はferrari365BBの初期型です。ferrariは全てレザーで、豪華な内装と思われるかもしれませんが、
365BBの初期型は珍しくシートがファブリックを使用している珍しい車両です。

そしてダッシュボードの素材は 本物のスエードレザーを使用してフロントウインドーの映り込みを防御しています。

現車は初期型なのですが、ダッシュボードには コノリーレザーのⅤN8500番が貼ってありました。
この仕様も純正で存在しておりましが、オーナー様はスエード仕様がお好みでしたので、某ショップにお願いしたらしいのです。

その時の画像です。
各部が膨らみ皺が目立ちます。
font>

メーターフード部分ですが皺だらけで、ステッチも曲がっております。



センターメーター部分ですね。


何故かグローブボックス蓋の部分が膨らみ、ラインも曲がって、締まりきっておりません



これらを車体から取り外し作業を進めていきます。… 先ずはAピラーから取り外して行きます。



取り外したダッシュボードパーツです 室内に入っている時は目立たないのですが、室外に出しますと
可なりの量ですね。


実はオーナーの方はスエードで張り替えをお願いしたのですが、某ショップの方がスエードは入手出来ないので、
東レのエクセーヌを使用し張り替えしたらしいです。

実は皮革の世界では1枚2枚での販売は基本的には無く、施工する会社の指定の色で、しかもロット契約で
レザーを製作すのが基本ですから、普通の内装屋さんでは 車両用レザーの在庫は殆どないのが実情です。

しかもスエード革となると牛の種類は限られてきますので、在庫は殆ど不可能です。

因みに スエードに一番適しているのはジャージ種の若い牛が一番適しているのですよ。
理由としては 牛が小型で肌の密度か細かいのが特徴です。

但しジャージ種は体形が牛の中では小型種ですので、あまり大きな皮はとれません。

本題戻りますが、取り外したダッシュボードのメーター部です。


この部分、以前某ショップが張り込んだエクセーヌを剥がしてみましょう。

ナ…何だこれは!

ダッシュの中からダッシュが出てきたぞ?


他のパーツはどうなってるの? …

気にはなりますが、続きは次回


クラシックカーは文化財で芸術品です 是非大切して下さい。 



自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする